リモート会議のカメラをONにすべきかOFFにすべきかを人的資本経営の観点から考えてみる
1. はじめに
こんにちは、人事部Kaoruです。
リモートワークの普及に伴い、会議中にカメラをONにするかOFFにするかが議論されることが増えました。
どちらの選択肢にもメリット・デメリットが存在します。
今回は、この内容について人的資本経営の観点から考察してみたいと思います。
ちなみに、私はカメラON派です。
色々試した結果、OFFだと上司や他部門の表情が見れないため反応が分からず怖いからです。
下位メンバーとの打ち合わせであればOFFでも怖くないんですが、下位メンバーからすればOFFだと怖いと思います。
とはいえ、企業や部署によってカルチャーは違うので正解はないと思いますが、今後のリモートワークのカメラON/OFF議論の参考になれば幸いです。
2. カメラをONにするメリット
非言語コミュニケーションが可能になる
顔の表情やジェスチャーなど、非言語的な要素が加わることで、参加者同士の理解が深まり、誤解が生じにくくなります。
リモート環境でも、対面に近いコミュニケーションが可能です。エンゲージメントの向上
参加者全員がカメラをONにすることで、会議に対する責任感が生まれ、参加者の集中力が高まります。
特にリーダーシップやチームビルディングにおいて、カメラONはチームメンバーのつながりを強化します。信頼感の構築
リモート会議では、相手の表情やリアクションを見ることで信頼関係を築くのに役立ちます。
これにより、特に新しいプロジェクトやコラボレーションの際に、メンバー間の信頼が強化されます。インクルージョンの促進
カメラONの状態では、全員が視覚的に確認できるため、話に参加している感覚が強まります。
特にリモートワークでは、疎外感を感じやすいメンバーにとって、カメラをONにすることでエンゲージメントを保つことができます。プロフェッショナリズムの向上
カメラをONにすることで、会議中の姿勢や態度に気を使うようになり、プロフェッショナリズムが保たれます。
これにより、会社全体としての仕事の質が向上します。
3. カメラをONにするデメリット
プライバシーの侵害
リモート会議では、プライベートな空間が映り込むこともあり、従業員のプライバシーが守られないという懸念があります。
自宅やリモート環境では、プライベートな状況を公開することへの抵抗感が生まれがちです。技術的な問題
ビデオ通話はインターネット回線に負担をかけ、通信が不安定になる可能性があります。
これにより、音声や映像が途切れ、スムーズなコミュニケーションが難しくなることがあります。ストレスの増加
カメラをONにすることで、参加者は常に画面越しに自分がどう見えているかを意識する必要があり、特に外見や環境に気を使うことがストレスの原因となる場合があります。集中力の低下
カメラをONにすることで、逆に他の参加者の姿や背景に注意が向いてしまい、会議の内容に集中できなくなることがあります。
視覚的なノイズが会議の進行を妨げることもあります。エネルギーの消耗
長時間にわたるカメラONの会議は、参加者にとってエネルギーを消耗させる要因となります。
表情や姿勢を常に意識することで、対面会議以上に疲れを感じやすくなります。
4. カメラをOFFにするメリット
プライバシーの保護
カメラをOFFにすることで、自宅や個人的な空間が映り込まないため、プライバシーが守られます。
これにより、リモートワーク環境で快適に仕事をすることが可能です。技術的な安定性
ビデオの負荷がかからないため、インターネット回線が安定し、音声通話が途切れにくくなります。
通信環境の悪いエリアでも、スムーズに会議を進行できます。ストレス軽減
カメラをOFFにすることで、外見や周囲の環境を気にする必要がなく、心理的なストレスを軽減できます。
特に外見を整える余裕がない状況や、自宅の状況を見せたくないときに有効です。集中力の向上
他の参加者の映像に気を取られることがなくなり、会議の内容に集中しやすくなります。
視覚的なノイズが少なくなるため、議論の本質に集中できるようになります。疲労の軽減
長時間の会議でも、カメラOFFにすることで表情や姿勢を意識する必要がなくなり、疲労が軽減されます。
特に連続して会議がある場合、カメラをOFFにすることで心身の負担が少なくなります。
5. カメラをOFFにするデメリット
エンゲージメントの低下
カメラOFFの状態では、会議に対する参加意識が低下しやすくなります。
発言の頻度が減ったり、無言で会議に参加していることが多くなるため、エンゲージメントが下がる可能性があります。信頼関係の欠如
表情やリアクションが見えないことで、コミュニケーションが一方向的になり、相互の信頼感が薄れる可能性があります。
特に初対面の人や、チームビルディングが必要な場面では不利です。プロフェッショナリズムの欠如
カメラOFFにすると、会議中にリラックスしすぎたり、他の作業を行ってしまうことがあり、プロフェッショナリズムが欠けることがあります。
会議の質が低下するリスクが高まります。非言語的なコミュニケーションの欠如
表情や仕草が伝わらないため、非言語的なコミュニケーションが取れず、誤解が生じやすくなります。
また、参加者同士の感情や意図が読み取りにくく、議論がスムーズに進まないことがあります。モチベーションの低下
カメラOFFにすると、会議への参加意欲や集中力が低下しやすくなり、会議自体が形骸化してしまう恐れがあります。
特に長時間の会議では、カメラOFFの状態でのモチベーション維持が難しくなります。
6. まとめ
いかがでしたでしょうか。
人的資本経営の観点からは、カメラONとOFFの選択は、目的や状況に応じて柔軟に使い分けることが求められると思います。
エンゲージメントや信頼構築が重要な場面ではカメラをONにし、リラックスした環境やプライバシーが必要な場合にはカメラをOFFにする選択肢も有効かと思いました。
ただ、これは下位メンバーからは言いずらいです。
上位者がことのメリット・デメリットを理解した上で、
「今回は〇〇のMTGで、□□が重要なので、カメラは△△にしたいです」
といってくれるような企業・部署だと良いと思います。