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イスラム教徒を従業員として受け入れる際の注意点を人的資本経営の観点から考えてみる

こんにちは、「データ分析やりたくて人事部に入ったわけじゃないのに」です。
皆さん、イスラム教徒が世界人口のどのくらいのシェアを占めているかご存じでしょうか?
2023時点で約21億人で、世界の約26%となっています。
すなわち、それだけイスラム教徒は世界でも力を持っており、彼らの力を無視しては世界で活躍し続ける企業になることは難しいと感じています。
日本は無宗教の方が多く、様々な宗教に関する理解が乏しいと言わざるを得ません。。。
今回は、イスラム教徒の方を従業員として受け入れる際に、人的資本経営の観点から考慮すべきポイントについて考察します。
日本国内でも多様性が進む中、宗教的な背景を持つ従業員を受け入れるためには、企業が理解し、適切な対応を取ることが求められると思います。

1. 礼拝の時間と場所の確保

イスラム教徒は、1日に5回の礼拝(サラート)を行う義務があります。
このため、勤務時間中に礼拝のための時間と場所を確保することが重要です。
おそらく日本の多くの企業は、業務時間中に礼拝を行うことに違和感を覚えるかもしれません。。。
それが日本の現状だと思っています。

  • 従業員のエンゲージメント向上
    礼拝を適切に行える環境を提供することで、イスラム教徒の従業員が安心して働くことができ、エンゲージメントが向上します。

  • 柔軟な勤務制度の導入
    礼拝時間を確保するために、フレックスタイムや在宅勤務などの柔軟な勤務制度を導入することも有効です。

2. ラマダン期間中の配慮

ラマダンは、イスラム教徒にとって非常に重要な断食月であり、日の出から日没まで飲食が禁止されます。
この期間中、従業員の体調や集中力に配慮した労働環境の整備が必要です。
水を飲むことも禁止されているため、長時間話すことはとても厳しいです。
現状、そのことを理解できていない日本人も多いと思います。

  • 労働時間の調整
    ラマダン期間中は、従業員が体力的に厳しくなることがあるため、労働時間の調整や休憩時間の柔軟な取り扱いを検討する必要があります。

  • 健康管理の強化
    ラマダン中は、従業員の健康状態に注意を払い、必要に応じて医療サポートを提供することが大切です。

3. ハラール対応の食事提供

イスラム教徒は、宗教上の理由からハラール食品のみを摂取します。
お酒や豚肉が禁止されているため、飲み会の大好きな日本人は驚くかもしれません。
社内で提供される食事や社外での会食の際に、この点に配慮することが重要です。

  • ハラールメニューの導入
    社内食堂やケータリングサービスでハラール対応のメニューを導入することで、従業員の食事に対する不安を解消できます。

  • 社内イベントの配慮
    社外での会食や社内イベントでも、ハラール対応が可能な飲食店やサービスを利用するよう配慮します。

4. 服装規定と宗教的シンボルの許容

イスラム教徒の女性は、宗教的な理由からヒジャブ(頭を覆う布)を着用することがあります。
企業は、従業員の宗教的な服装を尊重し、適切な対応を取ることが求められます。
東南アジアの多くの美容院では、ヒジャブを着用した女性用に、周りから見えないようなカーテン付きのシートを用意しています。

  • 多様性と包摂性の推進
    宗教的な服装を許容することで、多様性を尊重し、包摂的な企業文化を醸成することができます。

  • 職場環境の調整
    宗教的な服装が業務に支障をきたさないよう、職場環境や業務内容を調整することも重要です。

5. 宗教的祝祭日への対応

イスラム教には、イード・アル=フィトルやイード・アル=アドハーなどの祝祭日があります。
これらの祝祭日は、イスラム教徒にとって非常に重要であり、企業としても配慮が必要です。

  • 休暇制度の柔軟性
    イスラム教徒の従業員が宗教的祝祭日を祝うために、柔軟な休暇制度を導入することが推奨されます。

  • 文化的理解の促進
    社内でイスラム教の祝祭日についての理解を深めることで、従業員間の相互理解と協力が促進されます。

終わりに

イスラム教徒の従業員を受け入れる際には、宗教的な背景に対する理解と配慮が欠かせません。
人的資本経営の観点から、彼らが安心して働ける環境を整備することで、企業全体のエンゲージメントやパフォーマンスが向上します。
多様性を尊重し、包摂的な企業文化を育むことが、持続可能な成長を実現するための鍵となります。

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