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女性に多い「血」の問題(瘀血・血虚)

今回は気血水の「血」の作用、血の失調による症状・改善方法を記載します。

はじめに


血の病は、女性で特に起こりやすい病です。
女性は男性に比べて筋力が劣ること、特に月経があることが大きいですね。
毎月のごとく血が失われるのですから、負担は相当なものですよ。
男性では想像もつきません。

気血水の「血」のつくられ方


血(けつ)とは、東洋医学では体内の赤い液体を指します。
血の原料は「水穀の精微(飲食物から得られた栄養と水分)」+呼吸により得られた「天空の清気(新鮮な空気)」からなります。

脉内を巡る気(営気)の一部と津液が混ざって紅い営血(血)に変化するとされます。
営気+津液=営血=血
ということです。

「血」の作用


西洋医学の血液と役割は似ているんですが、異なる概念も存在します。
「血」の役割は以下の通りです。

①   営養作用・滋潤作用
全身を循環し内臓や組織に栄養・潤いを与える作用。
血には栄養という点も含まれています。

②   寧静作用(神志の安定)
リラックスさせるような精神の安定作用。

西洋医学では①に近い作用で有ることが分かります。②は西洋医学にはなく、東洋医学独特の概念です。

「血」の異常による症状


役割さえ分かれば、この作用が失われた場合どんな症状が現れるか分かります。

栄養・潤いが失われる→やせ・血色が悪い・疲れやすい・目の充血・出血しやすい・手足の熱感・手足の冷え・冷えのぼせ・肌の乾燥・口渇・爪の変形・髪のツヤがない・足がつりやすい・便秘・痔等など
リラックスできない→集中力の低下・めまい・不眠・動悸・異常興奮等など

「血」異常の分類


血の病は大きく分けて4つ。虚実・寒熱があるので4種類です。
瘀血と血虚が重要です。
1.瘀血
全身性に血液が滞る・局所で血液が停滞することで起こる症状。
簡単にいうと「血の巡りが悪い」
瘀血が起こると新しい血がつくられなくなることで血虚の原因にもなります。
交通事故や打撲による後遺症も瘀血の範疇なので早めの対策が大事です。

2.血虚
血が不足した状態。
水穀の精微(飲食物から得られる栄養)が十分に吸収できない、大量出血(怪我や生理)、瘀血のため新しい血がつくられないことが原因。

3.4.に関しては瘀血・血虚の原因の一つとなるため、ざっくり説明します。
3.血熱
気候変化、ストレス、過食等が原因で血に熱がこもった状態。

4.血寒
気候変化やストレスにより、気が不足して温煦作用が低下した状態。

改善方法


・ストレス解消
嫌なことがあったり、イライラしたりすると、食欲がなくなったり食べ過ぎたりしがちではないですか?
胃腸の弱りに繋がり、せっかく食べた栄養素を十分に吸収できない身体になっています。
ストレス解消については「気」についてのお話で記事にしておりますので割愛します。

・食習慣の改善
栄養素を十分に吸収できない身体にするには、ストレスだけではありません。夏になると冷たいものを摂りすぎてお腹を壊したり、食欲が落ちて夏バテしたりすることがありませんか?
冷たいものを摂り過ぎると身体が冷えます。ということは内臓も冷えて動きが悪くなります。胃腸の動きも悪くなるので栄養を十分に吸収できない身体になります。
冷たくなくとも水分過多は身体を冷やすため、温性の食べ物であっても水分を多く含む果物は結果として身体を冷やしてしまうので食べ過ぎには注意が必要です。
食べ過ぎや脂質・糖分の取り過ぎも瘀血の原因です。バランスの良い食事をとりましょう。
特に深刻なのは鉄分不足。血液検査では正常であっても貯蔵鉄であるフェリチンが低い「かくれ貧血」を起こしやすいのは女性です。鉄分は意識して摂りましょう。

・運動習慣の改善
運動不足だと筋肉量も少なく、新陳代謝が悪いため血を送る力が弱くなります。
負担が大きい運動をする必要はありません。ウォーキング、体操、ストレッチ等の軽い運動を定期的に行う事が大事です。

まとめ


・血の病は「血巡りが悪い」「血(栄養素)が不足している」ことが原因。
・女性は筋肉量が男性より少ない、月経のため血液が不足しやすいことから血の病に陥りやすい。
・男女共通の原因はストレス、不摂生(食事・運動)、交通事故や打撲。
・改善方法はストレス解消・食事療法・運動療法。

最後に


特に何も悩みがなく生きている方はほとんどいらっしゃらないと思います。
・人間関係で悩みがある
・虚弱体質で身体が元来弱い
・身体の痛みが治らずつらい
・よくシミができる
・夏でも靴下をはいていないと冷える
・スーパーの冷気でお腹が痛くなる
・事故の後遺症で痛みが続く
等など。
どんな悩みであっても「我慢する」という選択肢を選ぶことはやめましょう。
我慢が悪循環の原因です。
「悩みがあるけどどうにかならないか?」と思うことが第一歩。
1人で解決できない身体と心の悩みを相談できる場所の一つが漢方薬局です。
相談料を取る薬局もありますが、相談だけなら無料のところもあります。
商品を提示され断ることができない性格なら、病院にある東洋医学の専門外来で相談することもできます。
信頼し相談できる専門家をまず1人探しましょう。
動きだせば必ず「今日よりも良い自分」になれます。
行動あるのみです。

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