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金蝶饅頭はなぜ、ぬくもりの味がするのでしょう?   ~吉田すゑの物語~ その1

それは、 生きているから。

前日より糀菌を仕込み、その発酵を利用してできる金蝶饅頭。まずそ の糀菌の発酵が金蝶饅頭の最大の特徴であります。毎日毎日繰り返され るその営みが、全国的に見てもめずらしい「本来の酒まん」の独特な 味わいを生み出します。ですので、技術が進み、まったく同じように作 ったところで、蒸しあがったお饅頭の表情がひとつひとつ違うのです。 私どもは毎朝その機嫌を伺いながら心を込めて調整いたしております。 「世話がかかる子ほど、愛おしい」ということでしょうか。 そしてやっぱり、毎朝出来たてだから、朝の内はほんと蒸したてぼかぼかのお饅頭です。

現代では、薯預饅頭などにお酒や酒かすを加えて作るものが酒まんと 呼ばれることが多いようです。江戸の昔には、糀菌を利用した酒種でつ くるお饅頭が主流でしたが、つくるのが難しいこと、管理が大変なこと、 日持ちがしないことから、「本来の酒まん=酒素のおまんじゅう=本酒饅頭」はあまり流通には出回りません。 当店では、本店工場より、各支店、キヨスク(大垣、岐阜、岐阜羽島駅)、 大垣近郊の大型ショッピングセンター内銘店コーナーに、毎朝出来立てを 配送しております。効率の悪いことですが、出来得るかぎり、お求めの 声にはお答えしたいと考え、温かいお饅頭を毎日運んでおります。※)注

※)倒産前の事です。現在はどこにもありません。



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