寒い寒い寒い

【広島県神石郡神石高原町 神雷 日本酒】

数日前の話

その日はとてもとても寒い一日だった
恐らく、2月では一番寒かったと思う

朝一番の仕事は蔵に保管されているお酒をお店まで
持って行く事だった
純米酒、本醸造、佳撰酒等々様々な種類のお酒がある

その中に大吟醸生酒を持って行くよう指示があった

生酒は他のお酒と違い冷蔵室へ保管されている
室温は恐らく氷点下のような気がするが、
何よりも24時間送風機が回っており、寒さが殊の外堪える

大吟醸生酒を冷蔵室から取り出すと、
一部ラベルに不備があり修正することになった

瓶を手に持つと冷え冷えの感触が掌を刺激する
すぐ掌に息を吹きかけるもほとんど効果がない
長時間瓶を持っていたら掌が凍傷にかかるだろうと想像する

何とか修正作業を終え、手を洗った
すると、いつも冷たく感じる水をぬるかった
そしてお湯で手を解凍した

その日は午後になっても寒さは続いた
こういう日に外での仕事があったりする

小雪がちらつく中、
外で一升瓶を入れるお酒のケースを洗った
ケースの中や外にある汚れをホースを使い、
水で落とすのだがこの日はそこまで寒さを感じなかった

「寒くないですか?」

他の蔵人さんから気を遣って頂くのだが、
それほど寒さを感じなかった

夕方、気が付くと酒ケースの底が凍っていた
洗っている内に水が凍ったらしい

寒くなかったのは
朝一番の冷蔵室と瓶が相当冷たかったからだろうか

朝一番の仕事に感謝しないといけない


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