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「逃げ切れる」という人生を選択する人にはなりたくない

 坪田一男著の「GO  OUT 飛び出す人だけが成功する時代」を読んだ。日本人のルーツを研究すると、日本列島に最初にやってきた日本列島人は、対馬ルート(3万8000年前)、沖縄ルート(3万5000年前)、北海道ルート(2万5000年前)と言われるそうだ。みな、海を渡ってきた。坪田さんによると、日本人はその起源から「ゴーアウトした人たちの集団」なのだと言う。そこから枝分かれして現代に至る日本人にも「間違いなくそのDNAは組み込まれている」と結論づける。だから日本人は「GO  OUT」種族で、新たなことに挑戦し続ける坪田さん本人は「特別な人」ではないという持論からこの本は始まる。
 その反対に「自分のコンフォートゾーン」にとどまり、ゴーアウトして挑戦しようとしない人たちには「逃げ切れる」というニュアンスが満ち満ちていると言う。50代以上の人は、新しい事を何もやらなくても、定年までつつがなくサラリーマンをやっていれば、年金も貰えて人生は「逃げ切れる」という感覚だ。この「逃げ切れる」という感覚を持った人たちを私自身も前に所属していた会社で何人も見てきた。そこに魅力は全くなかった。そういう人になりたくない、という謂わば突っ張った気持ちが日に日に大きくなって、57歳で早期退職したのが私、ということになる。格好よく言えばだけれども。この「逃げ切り」の思考パターンになった男性の話として坪田さんはこう解説している。

(この人は)心の底では「何もしなくても大丈夫」と考えている自分を意識しながらビジネスパーソンを続けています。・・・50代の元同僚や先輩たちはほとんどそのような意識で仕事をしているといいます。

「何もしなくても大丈夫」という50代の無気力感ほど、嫌なものはない。だけど、役員でも目指していない限り、多くのサラリーマンはこんな感じになっているのではないかな、と自分の経験でもそう思う。でも、これは当然だけど上手くいかないと思う。坪田さんの言葉を引用します。

彼らも「あと⚪︎年だから」と逃げ切ろうとしているようですが、人生100年時代に突入した今、・・・とても逃げ切れるものではないでしょう。

「逃げ切り族」は「何もしなくても大丈夫」という無気力族。でも、それを打ち破り、新しいことに挑戦するのは怖い。こうした人々の状態を上手く分析している経営コンサルタントの冨山和彦さんの言葉をこの本では引用しています。

高度経済成長の実現で大量生産型のビジネスモデルがうまくいってしまったので、ずっとそこにいることが安全で、外に出ることが危ないと思ってしまった。そのため、結局は外に出れないまま終わってしまった。

 大枠でみると、古い大企業のサラリーマンはこんな状態でしょうね。でも、私はこれは嫌だ。無茶でも怖くても、その先の人生が見えてしまうでしょう?だから「GO  OUT」するんだ。そして、何をやるのか?それには、これまで長いサラリーマン生活で上司の指示に従って生きてきた私には壁があります。それを乗り越えるには、何が必要?坪田さんは「直感」という事をヒントに挙げています。「直感的ということは、つまり好きなことをやるということです。ゴーアウトする事で右脳を活発化させ、直感的、主観的な判断ができるようにしていくということ」が大切だといいます。

 過去の経験に基づいて左脳で判断しようとしても上手くいかないです。「好きなこと」が分からなくなっている。私もこの壁にぶち当たっています。サラリーマン脳から抜け出して、未来を思い描ける右脳的な力がどうしても必要です。うーん、ここなんだよな〜。これから暫くはこの右脳的、直感的な想像力が自分のテーマになりそうです。無職57歳。凝り固まった頭をどう開放させて、自分らしい未来を作っていくか。これは楽しい冒険。

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