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コーヒータイム‥「重い本」が動いた

「万葉の世紀」三部作の完結‥新著『万葉社会史の研究』に託す

   日本海地域史研究室 藤井 一二

『初期荘園史の研究』1986年、『東大寺開田図の研究』1997年、に次ぐ『万葉社会史の研究』2024年、いずれも、刊行は塙書房(東京都文京区本郷)。

第一作『初期荘園史の研究』の発刊は金沢の大学に在職中の40代半ば、大阪の研究会で指導を受けたお二人の先生による出版社への推薦であった(詳細は「後章」)。若い世代への「応援歌」だったのだと…、往時を思い起こしては胸が熱くなる。

あれから39年、この間、中公新書『和同開珎』『古代日本の四季ごよみ』『大伴家持』の「天平の世紀」三部作の刊行に恵まれた。
専著・新書のいずれも、出版社の決断と編集者の熱意に支えられての実現であった。

新著『万葉社会史の研究』は、コンパクト本ではなく、重量=0.7kg、定価=10,000円。2025年2月5日に、図書検索サイト「カーリル」「Cinii」から、全国大学図書館の架蔵状況を知り、各大学図書館スタッフの選書への目線と配慮に感銘を受けた。

研究資料として本書が「現在」と「未来」へ伝わることを嬉しく思いつつ、今、ここ数年間に書き下ろした原稿2本の推敲作業に時間を要している‥。
来年は第一作から40年目。心身の維持も大切な課題となってきた‥。

(金沢星稜大学名誉教授、前松蔭大学教授・城西国際大学客員教授、文博)
※各画像は、クリック拡大へ‥

『万葉社会史の研究』(塙書房)架蔵の大学図書館
ケンブリッジ・ベルリン図書館も架蔵
「万葉の時代と社会』への招待書