【週刊消費者情報】 公益通報者保護制度とは 其の一
8年前に取り上げた『消費者情報』特集は「ホイッスルブローワー」
同特集の副題は「公益通報者保護制度10年目の課題」。この特集号の紹介は以前、noteの投稿(3月8日)でも少し取り上げましたね。なぜまたここで取り上げるのかといいますと、”内部通報”とは何かについて整理するとともに、制度の仕組みや現状の課題等について考えてみたいと思ったからです。それとまた、いま話題のテーマでもありますから。
公益通報者保護法は2004年6月に成立し、06年4月に施行された法律です。
立法に至る経緯は、食品表示偽装やリコール隠しなど消費者の信頼を根底から揺さぶる企業不祥事が背景にあったからです。
内部通報から明らかになった企業不祥事をざっと挙げてみましょう。
・三菱自動車工業(2000年)・東京女子医科大学(2001年)・雪印食品(2002年)・全農チキンフーズ(2002年)・協和香料化学(2002年)・ダスキン(2002年)・日本ハム(2002年)・東京電力(2002年)など。
最近では、中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題も内部通報でした。
巻頭インタビューに登場いただいたのは、「公益通報者が守られる社会を!ネットワーク」代表の串岡 弘昭さんでした。
串岡さんは、内部告発者の草分け的存在です。トラック運輸業界の闇カルテルを全国紙へ告発したことで、勤務先だったトナミ運輸から30年にわたり報復人事を受けたのでした。
巻頭インタビューのタイトルは「公益通報の本質は、違法行為の事実を国民に知らせること」――次回投稿で串岡さんのお話を紹介したいと思います。
『消費者情報』Web版編集室
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