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体験談 映画館で出会った少年との思い出。

こんにちはあるいはこんばんは。
.plants bless you.です。
今回は映画館で出会った少年との話を書きます。

それは、映画鬼滅の刃 
無限列車編を見に行った時の話なので、今から4年前(2020年)の話です。
公開されて随分日にちが経過したタイミングで見に行ったのですが、それでも大盛況で満席の状況でした。

私が座ったのは最後列、中央あたりでした。
左側には20代前半くらいの若い女性。
右隣に小学4年生くらいの男の子座っていました。
(この小学生の男の子をA君と呼びます。)

A君は友達と観に来たらしく、映画がスタートする前まで、楽しそうに友人と会話しているのが聞こえていました。
私はA君たちの方に視線をやると、お菓子が入っているビニール袋(恐らくスーパーか駄菓子屋で買ったのであろう)がA君の膝の上に乗っているのが見えました。

映画が始まるブザーが鳴り響き、照明が落ちて真っ暗になり映画が始まりました。
映画の内容は割愛しますが、話が進むにつれて館内が緊迫してきます。

「クライマックスが近づいている!!!!!」
そう思いながら見ていると、突然A君が持っていたお菓子を食べ始めました。

ビニール袋に手を突っ込んでお菓子を選んでいるので袋の擦れる音が大きく
『ガサガサ』という音が耳に入ってくる。
食べる音はあまりしないが、袋の中からお菓子を選ぶガサガサ音。
お菓子を開ける音。
少しづつ私の中で、その音が気になりだしてしまいました。

音が気になりながらも映画は進み、刻々と大事なシーンに迫ってくる・・・。
このままだと、映画に集中できない・・・。
『どうする!?』と思いとりあえず、A君の方に視線を向ける。
A君の方を見るも効果は全くなし。
(そりゃ、そうだろう!!)

映画を見ていたら、気にならなくなるだろうか?
もう一度映画に集中しようとするも、どーしても音が気になってしまう・・・。

仕方ない。声をかけるか!!と決意し、
A君の肩をトントンと叩き、A君がこちらを振り向く。

私は優しく静かな声で
『袋の音が大きいから、静かにしてもらっても良いかな?』
と立てた人差し指を口元に持っていき『静かに』のジェスチャーをしながら、そうA君に伝えた。
するとA君はコクリと頷いてくれた。

その後はA君はお菓子を食べる事なく、最後まで映画を見ていた。
おかげで私も最後まで集中して映画を見ることができ、マスクがぐしょぐしょになる程大号泣した。

エンドロールが終わり館内が明るくなる。
皆が立ち上がり足早に帰る人や、映画の話をしながら帰る準備を始める人がいる。
私は自分で注意しておきながら、A君のことが心配になりはじめた。

大人に注意されて、A君は嫌な気持ちになってしまったのではないか?
自分が子供の頃だったら、大人の人に注意されたら萎縮してしまい、注意されたことだけが記憶に残り、映画=注意された場所。
と心の中で繋がってしまう気がして、でもそうなってはほしくなくて。

A君も帰ろうとしていたので、『静かにしてくれてありがとう』とA君に声をかけた。
すると、A君がこう答えてくれた。
『いいえ、注意してくれなきゃ気付く事ができませんでした。』続けて、A君。
『注意してくれてありがとうございました。』
と言われ、私の頭はフルスイングで振り抜かれたような衝撃が走りました。

あまりにも自分の中で驚いてしまい、私はその後なんと言って良いのか浮かばず、『そのままでいてください』と意味不明の事を伝えA君と別れた。

いつか、何かに書き残しておきたいと思っていたのですが、ようやくnoteに書き残す事ができました。

長い駄文最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




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