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介護のすきまに

美容室の予約

ショッピングモール内にある美容室の予約を取るために母をデイサービスで見送ったあと大急ぎで準備して店舗に向かう。
その場での予約のため開店と同時に店舗に走る。
店内に入るともう既にお客様が並んでいた。
カラー+カットで1時間半後予約が取れた。
その間スターバックスコーヒーで時間を使うことにした。最近はまっているのが本日の珈琲ブラックにメリークリームのトッピング。
美容室と違ってお客様はいなかったのでほぼ貸切状態でとても落ち着く。

無職とは

ここで読みたかった本にタブレットを持ち出してユーチューブ番組を
聴いたり本を読んだりして過ごす。このときに考える考え事がとても幸せな時間。会社員時代人との交流で学ぶことが多かった日々と比べて大違い。
介護の生活に入るとその当時の人々との交流は自然消滅してしまった。一人暮らしの独身と違って母と介護を含めた生活再建問題を抱えながら前に進もうとすると私も交流のために時間を見つけ出さないといけない。人生のステージが違う人々との交流はやがて自然と会う頻度が少なくなっていった。
子どもや兄弟、親戚のいない私は他人様との交流がないと簡単に孤独になる。ところが最近は慣れてきたもので一人の考え事の時間がとても心地よいひとときになってしまった。

再び美容室へ


呼ばれた時間に美容室に戻り待機していたらすぐに美容師さんから誘導される。なあんだ意外と早かった。「今日はお母さんと一緒じゃないですね」
母の担当の美容師さんだった。年を取ると身ぎれいにすることが億劫になるのでできるだけ一緒にいって少しでも気分を上げてもらいたく定期的に母といっている。母をとても上品に仕上げてくれるし、認知症の母なので何回も同じことを話しているのにとても気分良くさせてくれる。
「はい、タイミングが合わなくて」そこから施術中はほとんど寝ていた。特にドライヤーの風が心地良い。かつて幼い頃母が私を寝かしつけるときはいつも髪を撫でてくれていた。その癖が今も抜けない。
施術が終わるまで3時間過寝てすごし、気がついたら母がデイサービスから帰宅する1時間前だった。


晩御飯の準備とご飯

ショッピングモールなので少し食材をみていこうとぐるぐる巡回した。
お正月用、クリスマス用、たくさんあって楽しそう。でも時間がない。
冷蔵庫になかったもの等をとりあえず選択し速攻で帰宅した。
帰っても母を迎える準備で忙しい。午前中のスタバにいたことが信じられない。集金のおばちゃんが来たり、介護仲間からの電話、宅急便の受け取り、
等これらは順番通り来ないで一気に連絡が来る。一気に慌てる。
色々やってたら本日の晩御飯の支度が進まない。
忙しくしていたら結局母も帰ってきた。寒い中今日も無事故で帰ってこれてありがとうございます。取り急ぎお茶飲んで晩ご飯まで待ってもらう。
そのうちご飯も炊きあがった。

今日は豚汁にホッケの開きだよ!お母さん、スーパーでとても大っきくて美味しそうだったから一緒に食べよう!

母と初めてホッケを一緒に食べてとても美味しかった。だから明日もあるよ!と二人で喜んでいたらお菓子屋さんから電話が来た。
「クリスマスケーキ、受け取りに来てください」
え?だって今日いつよ?
もう明日がクリスマスイブなんだ!?
チキン買わないでホッケ買って来ちゃった。しかもふたつ。
お母さんごめんなさい。明日もホッケの開きです。デザートはクリスマスケーキってことで許してね。



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