角成らずはマナー違反か?
この将棋界隈でたまに話題になるのが、ネット将棋での角成らずである。
たとえば、初手▲76歩△34歩に▲22角不成
ということだ。
あえて角を成らないというこの行為は、
舐めたプレイいわゆる"舐めプ"と言われ相手の苛立ちを誘う。
だが、一定数角不成を擁護する人達もいる。
別に角不成でもなんとも思わん、と。
それは反則でもなんでもないし、プレイヤーの自由であって責められるのはおかしい、というのが彼らの主な理屈だ。
私は、それでもやはり
角不成はマナー違反に当たると思う。
何故か。
それは、角不成は一種の相手を煽る記号と化しているからである。
外国では中指を立てるという行為は
「ファックサイン」と呼ばれ、相手を最大限に侮蔑する意味がある。
これが原因で殺人が起こるほどには意味の深い行為なのだ。
しかし、これはあくまでも、中指を立てること自体が何か相手を煽る意味があるかと言うと、そうではない。
「中指を立てる」=相手は自分を貶している
という記号なのだ。
これと角不成はとても良く似ている。
角不成をされて怒る人は、別に「あえて駒の効きを増やさない」事に怒っているのではなく、「俺はお前を煽っているぞ」という意味を感じ取って怒るのである。
当然、将棋プレイヤーなら、ほぼ全ての人が、角不成がマナー違反だということは分かるはずだ。
それでも、「角不成をやれば煽りだと捉えられる」のを分かっていながらも、角不成をした、その時点で相手は自分を煽っていると同義である。
以上をもって、現時点では角不成は煽り行為だと思う。
ただ、時代が流れるにつれて、徐々に、角不成は煽りではない、という意識が広がれば、マナー違反でもなくなるのかもしれないと思った。