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生活を明るく照らすアクセサリー

いきなり変な見出しから始まりますが、アクセサリーが好きという話です。

「自分が女だなあと思うのはどんな時ですか」

という質問を、採用試験の面接で受けた。数十年前の話だ。
へ? 「女だなあ」? そんなこと思ったことあるかな?

何しろ緊張していた。何も思いつかず、困りきった私は、にこやかに(実は何を言えばいいのか分からないまま)

「そのようなご質問をいただいた時に、女だなあと思います」

と答えた。アホである。ちょっとケンカ売ってる?

面接官がどんなリアクションをしたのか覚えていないが、とりあえず採用していただいた。ありがたい。

それにしても、どう答えるのが正解だったのだろう。採用試験なのだから、ウケ狙いなんか絶対NGだろう。恋バナをするのもおかしい。何を言えばよかったのかなあ。

友人たちに、この面接の話をして、どんなふうに答えるか聞いてみた。
「そんなのセクハラじゃーん」と言いながらも、「私だったらね」と考えてくれた。

「ヒカリモノが好きでたまらないことに気づいた時、って言うかな」
「バッグはいくつあっても困らないんだよね。新しいバッグを買った時、って言うかな」

ふむ。そういう答え方があったか。私だったら何だろう。
アクセサリーだ。アクセサリーを身につけている人を見ると、ついつい目をやってしまうし、自分でもつけるのが好きだ。
「人や自分のアクセサリーをついついチェックしてしまう時」ということかな。
それが採用試験の正しい答えとは思えないけれど。そもそも、「ヒカリモノが好き」も「バッグが好き」も「アクセサリーが好き」も、「女だなあ」なのか、よく分からないけれど。

アクセサリーを身につけている人を見るのが好き

職場で、お店で、電車の中で。
アクセサリーを身につけている人を見ると、わあ、いいなあとちょっと目をやってしまう。

たとえば、大変お世話になっているずいぶん年上の方がいらっしゃる。その方の指に珊瑚色のマニキュアが塗ってあり、上品なゴールドのリングをつけていらっしゃるのを見ると、センスいいなあと嬉しくなる。

以前の職場にいた少し年上の方は、いつも控えめな服装だが、胸元には細い細いネックレスがあった。小さな石がついていた。ささやかなおしゃれが素敵だった。

お気に入りのブティックの店主は大きめのブローチをつけている。それだけで華やかな雰囲気がする。

いつもお世話になっている寝具店の奥様はカメオのペンダントをつけている。もらいものだそうだが、カジュアルな感じに上手につけていて、こんなカメオの使い方があるなんて、と感心してしまう。

職場のおじさまのネクタイピンが素敵で、ちょっと話をふってみたら、前の職場の人たちからもらったものだった、ということもあった。

いつものように祖母や母のことにふれると、父方の祖母はアクセサリー大好きな人だった。私もその影響を受けているのかもしれない。母は趣味が木彫りなので、自作のブローチやペンダントをよくつけている。私もビーズでアクセサリーを自作するのが好きだが、これは母の影響かもしれない。

人の思いを大切にしたい

今まで様々なアクセサリーを購入してきたが、直接、人から購入することをルールにしている。どんなに可愛らしくても、どんなにオトクなお値段でも、オンラインでは買わない。

ジュエリーショップで。クラフト市で。古着屋さんの一角で。
母からは木彫りの品をもらう。義母から譲ってもらうこともある。

どれにしても、そのアクセサリーを私に手渡してくださった人の思いも受け取るようにしている。

不要不急だけど、生活を明るく照らすもの

お気に入りの老舗ジュエリーショップがある。高校時代からである。
高校生がジュエリーを買うわけがなく、私や友達は、この店に腕時計の電池交換やバンド交換に行っていた。待ち時間にショーケースに飾られた指輪も眺めていた。特にスターサファイアが素敵だった。「こんな指輪、いつかつけてみたいよねえ」と言いあったものだが、今のところ「いつか」は来ない。

今でも時々電池交換に伺う。それだけではなくて、お店で時々やっている「真珠展」とか「カメオ展」などなど、ちょっと高級なジュエリーのキャンペーンをしているときにも、見るだけ見るだけ、と出かけていく。

数年前、こちらのお店の店主がおっしゃったことが印象的だった。

「ジュエリーって、不要不急のものかもしれない。なくても別に困らないかもしれない。だけど、身につけると自信が湧いてくるし、気持ちがしゃんとする。生活を明るく照らし、豊かにしてくれるものだと、私は思うのよね」

本当にそうだと思う。とか言いつつ、お高いジュエリーにはなかなか手が出ないけれど、アクセサリーはそういうものだと思う。
フォーマルな服装をするときには真珠を。
仕事の時はそっと控えめに。
遊びに行くときには大きめの楽しいものを。

若い時に買った、小さなガラスのイヤリングも。
クラフト市で買ったビーズ刺繍のブローチも。
結婚前に祖母が用意してくれた真珠のネックレスも。

どれもどれも大切な思い出である。アクセサリーをちょびっとつけて、しゃきっとして仕事をしよう。







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たか
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