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『ダジャレのおもしろさ』~なんでおもしろい?なんでくだらない?~リテラ探究学習研究レポート

ダジャレを言ったり聞いたりするのが好きな人も、知り合いが会話に混じえてくるダジャレに辟易している人もいるでしょう。くだらないけれど思わず笑いをこぼしてしまう、そんなダジャレの魅力はどこからくるのでしょう。

この研究をしたのは、新中学1年生のD・Yさんです。



■リテラの先生からのコメント

ダジャレも面白いですが、それがどうして面白いのかについて考えることもまた、面白かったですね。
問いを立てて、アンケートを分析すると、また新たなアイデアが出てくる、というように次々に探索的に研究をすることで、ダジャレがさまざまな要素によって構成された話芸であることに気が付きましたね。

■テキスト資料

僕の学校には、ダジャレをいつも言ってくる友達がいます。
僕はその友達と接しているうちに、ダジャレには面白いものとそうでないものがあることを知りました。
そこで、今回の研究でダジャレの面白さを調べることにしました。


まずダジャレとは何かについて、考えました。
goo国語辞書によると「その場に興を添えるために言う、気のきいた文句。ある文句をもじったり、同音や似た音の言葉に掛けて言ったりする。」とありました。
そこで僕はダジャレを「ありえないことや、新鮮な印象を与える言葉を言って相手を面白がらせること。同音異義語や似ている言葉を繰り返している言葉。」と考えることにしました。


ぼくは、「どのようなダジャレが面白いのか」という問いを立てました。
そして「かけられている二つの言葉のイメージが、かけ離れているほど面白い」という仮説を立てました。


そして、その仮説が正しいのかを調べるためにアンケートを作りました。
アンケートでは47名の方に答えて頂きました。
ご協力頂いた方、ありがとうございました。
アンケートでは、AからFの6つの質問について、2つのダジャレのうち、どちらが面白いか答えて頂きました。
片方は、2つの言葉のイメージがかけ離れているダジャレ、もう片方は2つの言葉のイメージがそうかけ離れていないダジャレにしました。
今回は時間の都合でそのうちの一部を紹介します。


まずは、★「銭湯で戦闘する」と★「サバをさばく」です。


この2つでは、「銭湯で戦闘する」のほうが面白いという人が多かったですが、大きな差はありませんでした。
「銭湯で戦闘する」は体を洗う場所である「銭湯」と、激しく戦う「戦闘」という言葉のイメージがかけ離れているので、これは仮説を支持しています。


次は、★「鯉が恋する」と★「私マスカラ付けてますから」です。


この2つでは、「私マスカラ付けてますから」のほうが面白いという人が多かったです。
僕は、魚である「鯉」と、人間の感情である「恋」のイメージがかけ離れている「鯉が恋する」のほうが面白いと思っていたので、これは仮説を支持していませんでした。


3つ目は、★「あったかい飲み物はあったかい?」と★「エビの血液型はAB型」です。


この2つでは、「あったかい飲み物はあったかい?」のほうが面白いという人が多かったです。
僕は、水の中の生き物である「海老」と人間の血液型である「AB型」のイメージがかけ離れている「海老の血液型はAB型」のほうが面白いと思っていたので、これは仮説を支持していませんでした


アンケートの結果、6つの質問のうち、2は仮説を支持していて、4つは仮説を支持していませんでした。
よって、二つの言葉のイメージがかけ離れていることだけが、ダジャレの面白さに影響しているわけではないことが分かりました。
僕は、何か他にダジャレの面白さに影響している事があるのではないかと考えました。


そこで、僕は仮説通りにならなかったダジャレの共通点を探して、2つのアイデアを考えました。
1つ目は、ありふれたダジャレはつまらなくて、逆に珍しいダジャレは面白いというアイデアです。
2つ目は、2つの言葉のイントネーションが違えば面白いというアイデアです。


たとえば「鯉が恋する」は、誰でも1度は思いつきそうなダジャレなので、「私マスカラ付けてますから」の方が面白いと思われたのかもしれません。
また、イントネーションの違いもあると思います。


「私マスカラ付けてますから」は最初の「マスカラ」と後の「ますから」のイントネーションが違います。
「鯉が恋する」は最初の「鯉」と後の「恋」のイントネーションが同じです。
よって、イントネーションの違いもダジャレの面白さに影響する可能性があります。


アンケートでは、ダジャレの何が面白いかも質問しました。
その結果、新しいアイデアが3つ出てきました
1つ目は、言葉のリズムの良さです。
ダジャレも歌のようにリズムがあるから、聞いていて心地よくなると思います。
2つ目は、ダジャレに対する思い出です。
ダジャレに思い出があればダジャレだけではなく、その時の場面も思い出して楽しい気持ちになれると思います。
3つ目は、ダジャレの場面を想像できることです。
ダジャレの場面だけでなく、ダジャレで表現されていないものまで想像してしまい、さらに面白くなるのだと思います。


この研究を通してダジャレには面白さを構成しているものがたくさんあるということが分かりました。
初めは2つの言葉のイメージがかけ離れていることだけがダジャレの面白さに影響していると思っていましたが、他にも「ダジャレの珍しさ」、「イントネーションの違い」、「言葉のリズムの良さ」、「ダジャレに対する思い出」、「場面のイメージのしやすさ」といったいくつもの要素があることを知りました。
今回の研究では「2つの言葉のイメージがかけ離れていること」に着目して調べましたが、次は他の要素についても調べてみたいです。
これでぼくの発表を終わります。
きいてくださってありがとうございました。

この記事を書いた生徒さん

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