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『数学と僕のキャリア~アクチュアリーについて~』リテラ探究学習研究レポート

義務教育の過程で誰もが一度は学ぶ数学ですが、大人になるにつれ触れる機会は減ってしまうことも多いと思います。そんな数学を使って社会に貢献し、生計を立てることはできるでしょうか。

この研究をしたのは、新高校3年生のT・Aさんです。



■リテラの先生からのコメント

数学って役に立つの? と講師は小さな頃に思ったものですが、今回の発表で、やはり社会に欠かせないものだと改めて思いました。
数学が好きという気持ちを、ぜひ未来につなげてください。

■テキスト資料

僕は数学が得意です。
持っている知識を組み合わせて、一つの解答を求めていくことが好きです。
高校卒業が約1年後に差し迫った今、将来どんな職業に就きたいか、考えることが増えました。
また、数学が、社会でどのように役立っているのか気になりました。
だから、今回の研究で、数学を活かせる仕事がないか、探してみました。


そして見つけたのが、「アクチュアリー」という資格です。
「アクチュアリー」は、「日本アクチュアリー会」が付与する資格です。
確率や統計などの手法を用いて、将来の不確実な物事の評価を行い、保険や年金、危機管理などの多彩なフィールドで活躍する、数理業務のプロフェッショナルです。


たとえば、将来の株価や、ある人が病気になる確率などを、数学を用いて算出します。


アクチュアリーの主な活躍フィールドとして、大きく3つの分野があります。
生涯にわたるリスクを正しく評価する生命保険の分野、
多様化・複雑化するリスクを分析する損害保険分野、
そして、企業が設ける企業年金制度の課題を解決する年金分野です。


それぞれ、具体的にどのようなことをするのでしょう。
たとえば、生命保険の分野では、30代の男性が、10年の間に病気にかかる確率を算出します。

また、損害保険の分野の例としては、車でよく出かける家庭がどのくらいの確率で事故に合うのかを考えます。
保険の分野では、これによって、保険料が変わります。


年金分野では、企業が退職者に対して給付する年金の適切な金額を計算します。
企業年金とは、企業で働いていた人が、退職後も豊かに生活していけるよう、企業が給付するお金です。


どの分野においても、統計学などの専門知識を用いて、未来の可能性について、深く探っていくのです。


資格を得るには、日本アクチュアリー会の資格試験に合格したのち、プロフェッショナル研修を受講し、正会員資格を取得する必要があります。
試験は、第1次と第2次があり、第1次の試験科目は、数学、生保数理、損保数理、年金数理、会計・経済・投資理論です。
この5科目すべてに合格すれば、準会員になれます。そして、その人が、生保コース、損保コース、年金コースのいずれかに合格すれば、アクチュアリーの資格を得られます。
これは、かなりの難関です。


アクチュアリーは、保険会社、信託銀行、各省庁、コンサルティング会社、監査法人に所属して、それぞれの専門性を活かしています。
保険制度や年金制度は各国で違いますが、アクチュアリーの基本的な役割はどの国でも同じです。
グローバル化の進展に伴い、知識を分かち合う必要性が高まっていることから、世界各国にあるアクチュアリー会との交流も盛んです。
世界のアクチュアリー会員数は延べ9万人もいます。
自分でキャリアをつくることができ、あるレベル以上の能力を持った人材として認められるなど、様々なメリットがあります。
一方、専門外の分野でも、ある程度解決できる必要はあるので、いろいろなことに興味を持てる人が向いています。


アクチュアリーになるためには、数学の勉強をしたり、世界各国のアクチュアリーと交流するための英語の勉強をしたりする必要があることが分かりました。
これらの勉強は、もしアクチュアリーになるという目標が変わっても、英語力や数学的なものの見方などが社会で求められることは変わらないので、他の分野でも役に立つだろうと思います。
数学は職業問わず色々なところで必要な力です。
将来の夢は決まっていませんが、数学が好きな僕は、数学という得意分野を伸ばすために、大学は数学科に行きたいなと改めて思いました。
これで発表を終わります。
聞いてくださって、ありがとうございました。

■研究の振り返り

◇これはどのような作品ですか?
アクチュアリーについて詳しく書いてある作品            

◇どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
将来の仕事について詳しく知りたかったから

作品づくりで楽しかったことは何ですか?
内容に沿った背景のデザインを考えたこと

作品づくりで難しかったことは何ですか?
小さい子でも伝わりやすいように言葉を詳しく説明したこと

作品作りを通して学んだことは何ですか?
数学という学問が社会でどのように役立っているか知れたこと

◇次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
滑舌をよくすること

この作品を読んでくれた人に一言
数学が嫌いな人も、苦手な人も、なぜ数学を学ぶのか知って、今よりも楽しく数学を学んで欲しいです


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