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『可能性無限大ヒューマンビートボックス』~身体で刻む音楽~リテラ探求学習研究レポート

吹奏楽部でサックスを担当している新中3Hくん。

低音を奏でる楽器に興味が湧く一方で、楽器を買っても練習する時間がなことに悩んでいました。

そこで、楽器がなくても、低音を奏でることができるヒューマンビートボックスに挑戦することにしました。

この研究をしたのは新中学3年生K・Hくんです。



■プレゼンテーション動画

■リテラの先生からのコメント

Kくんに、youtubeでヒューマンビートボックスの動画を見せてもらったとき、とても一人の人が出している音とは思えないような音の数々で、驚きました。
楽器がなくても、誰でも、いつでも始められるヒューマンビートボックスは、万人に開かれている音楽ですね。
これからもK君の音楽の世界を広げていってください。


■テキスト資料

※実演が含まれる発表です。動画もあわせてご覧ください。

僕は吹奏楽部に所属し、サックスを演奏しています。
低音に興味があり、よくYouTubeでベースを聞いていました。
しかし、楽器を買っても練習する時間がないと思いました。
そこで僕は楽器が無くても、自分の体でベースの音が出せないかと考えました。


そこで、研究したいと思ったのが、ヒューマンビートボックスです。
札幌国際大学観光学部の河本洋一さんは、ヒューマンビートボックスを「人間が発することのできるあらゆる音を素材として様々なスタイルの音楽を構築する音楽表現であり、一人または複数の人間で音楽を創りだす新たな音楽表現の形態の一つ」と定義しています。
現在では、少なくとも17カテゴリー124種類もの音声を身体から発すると言われているそうです。


皆さんは、ボイス・パーカッションとビートボックスの違いについて知っていますか。
「ボイス・パーカッション」は、ア・カペラ・グループで演奏の中で打楽器のような音を口で発する技術とそれを担う人を指します。
一方、ビートボックスは、様々な音を発する技術に加え、単独での演奏のスタイルとしての意味を指します。


では、一般的な、ヒューマンビートボックスの種類や音の出し方について見ていきましょう
まずは、キックドラムです。キックドラムとは、ドラムセットのバスドラムという楽器を口で鳴らしたものです。
ヒューマンビートボックスでのキックドラムは、このような音です。
キックドラムを表現するためには、「ぶ」というときに起きている、唇と唇の合わさって出来た破裂音を使います。
息を強く出し、出した後、素早く止めるのがコツです。


次はハイハットです。
ハイハットとは、ドラムセットのハイハットシンバルのことです。
シンバルを2枚重ねたもので、フットペダルやスティックを使って音を出します。
一つ目は「つ」の発音で、息を抜くように出します。
これは、ハイハットを少し開けた状態でスティックで叩いた時の音です。
このような音です。
2つ目は先ほどの「つ」の発音で短く切るように出します。これは、ハイハットを閉じてにスティックで叩いた時の音です。
このような音※です。


キックドラム、ハイハットを組み合わせて鳴らすと、ボイスパーカッションになります。
これに、ベースや、レコード盤を擦って音を出すスクラッチなどの音を組み込むと、ヒューマンビートボックスになります。
最後に紹介するのは、喉ベースです。
喉ベースとは、ベースの音を喉で表現したものです。
ヒューマンビートボックスでの喉ベースはこんな音です。
喉ベースは、喉を締めて咳払いをするように音を出します。
コツをつかめたら、曲のベースラインをなぞっていくと良いです。
僕は、まだ始めたばかりなので、上手くなるには、地道に練習することが必要です。
喉への負担が大きいので、自分の身体を傷つけないように少しずつ練習することが大事です。


プロになると、このような表現が出来ます。


元々のヒューマンビートボックスとは、ドラム・マシンを模倣することでした。
ドラムマシンとは、リズムを演奏する機械です。


1970年代のニューヨークの若者たちは、ドラム・マシンを購入するめの十分なお金がない中で、MCやDJになることを夢見ていました。
そこで、彼らは、自分の声でドラムマシンの音を模倣しました。


1980年代までは、ボイスパーカッションが中心でしたが、1990年代からは、ハウス、エレクトロなどの音楽のスタイルをヒューマンビートボックスで完全に再現することができるようになりました。


日本では、2000年代にAfraが日本でビートボックスの先駆けとなり、「ヒカキン」「Daichi」「show-go」に大きな影響を与えました。
今では、SNSやYouTubeの文化と合わさって、多くの日本人に知られています。


僕は、この研究を通して、3つのことが分かりました。
1つ目は、ヒューマンビートボックスは、男女問わず、誰でもどこでも出来るということです。
自分の身体と声が楽器です。
だから、始めたいと思ったらすぐ始められるのです。


2つ目は、他の人と関われることです。
今の時代では、SNSや、YouTubeで聞かせられるし、ラップバトルでは、相手と関われることだけでなく、競い合えるのです。


3つ目は、自分の声の可能性に気がつくということです。
ビートボックスをやると、知らなかった自分の身体に出会えます。
例えば、普段使っていない発声の仕方や、普段行ったら他の人に注意される音がビートボックスでは、使われています。
新しい可能性に気がつくと、ワクワクします。


皆さんも、ぜひヒューマンビートボックスを聞いてみてください。
これでぼくの発表を終わります。
聴いてくださってありがとうございました。


■研究の振り返り

◇これはどのような作品ですか?
ヒューマンビートボックスとボイスパーカッションの違いや、歴史について知ることができる研究。

◇どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
自分でもヒューマンビートボックスをやりたかったから
お客さんにヒューマンビートボックスを知ってもらいたかったから

作品づくりで楽しかったことは何ですか?
自分で練習しながら、研究を進められたこと。早く上達したくて、登下校中も練習をしていた。少しずつ上達していくのが、感じられ楽しかった。

作品づくりで難しかったことは何ですか?
ビートボックスの鳴らし方の、コツをつかむこと

作品作りを通して学んだことは何ですか?
自分の声の可能性に気が付けたこと。例えば、喉ベースでの音のひっかかりの感覚をつかむのが難しかった。

◇次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
もう少し、お客さんを見て発表すること。当日は、原稿を見てしまって、あまりお客さんのほうを見れなかった。次回は、原稿をなるべく覚え、お客さんのほうに目線を向けたい。

◇来年、研究したいことはありますか?
・スーパーカーとは
・自動車の歴史と仕組み
・自動車のエンジンについて

この作品を読んでくれた人に一言
ぜひ、ヒューマンビートボックスを聞いてみてください。

この記事を書いた生徒さん

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