『金と経済』~輝く資産~リテラ探究学習研究レポート
美しく輝く金は、単に高価な飾り物ではありません。経済の動きや、私たちの日常と固く結びついた資産なのです。
この研究をしたのは、新中学1年生のH・Sさんです。
■リテラの先生からのコメント
金というと特別なもの、手が届かないものと思いがちですが、実は、日々の暮らしや世界の動向と関係していることがよくわかりました。
お金や経済は難しいという思い込みをなくし、自分の暮らしと世界をつなぐ金のことをこれからも注目していきたいですね。
■テキスト資料
僕は金が大好きです。
見ているだけで、何とも言えない心地よさがあります。
ある時、テレビを観ていると、近年、金の値段が高騰しているという報道がありました。
金の値段は上がりやすいのだろうか、そして、これからも上がり続けるのだろうか、という疑問を持ちました。
そこで、今回 金と経済の関係について調べてみることにしました。
金の値段が上がるというのは、金の価値が上がるということです。
価値が上がるのは、供給に対し需要が高くなる、ということです。
たとえば、ここにバナナを売る人がいます。
その人は、バナナを何としても売りたいです。
しかし、バナナを欲しい人が少ないと、少しでも買ってもらうために、バナナの値段を安くする必要があります。
これが「供給に対し、需要が低い」ということです。
逆にバナナを買いたい人が多いと、高い値段でも買う人が増えるので、売る人はバナナの値段を高くします。
これが「供給に対し、需要が高い」ということです。
そして、供給に対し需要が高まる原因は、5つ考えられることが分かりました。
①円安になる
②地政学リスクが高まる
③インフレが懸念される
④各国の中央銀行が金の購入に走る
⑤世界的な低金利
です。
この中から、ぼくが注目したのは、②の「地政学リスクが高まる」です。
地政学リスクとは、世界経済の予測ができなくなることです。
世界経済の予測ができなくなると、お金に対する信頼度が下がります。
お金に対する信頼度が下がると、相対的に金に対する信頼度が上がります。
つまり、金をたくさん持っていたいと思う人が増えるのです。
だから、需要が高まり、金の価値が上がるのです。
最近の金の価格が上がっている原因は、この地政学リスクが高まることだと、ぼくは考えました。
というのも、近年大きな出来事が二つありましたね。
こちらをご覧ください。
これは、金の価格相場の推移グラフです。
大きな出来事の一つ目が、新型コロナウイルスの流行です。
新型コロナウイルスが世界的に流行し始めたのが、2020年の1月ごろです。
ここらへんからぐんぐん金の価格が上がっていることが分かります。
二つ目が、ロシアのウクライナ侵攻です。
ロシアがウクライナへの侵攻を開始したのが、2022年の2月頃です。
この時期に一気に金の価格が上がっていることがわかります。
つまり、近年の金の値段の高騰は、この二つの出来事が原因であると、結論付けることができます。
研究を始める前は、金を、宝石のようにとても高く手の届かない存在のように思っていました。
研究を終えた後は、そうした側面の他に、日常的に使っているお金と密接な関係があることがわかりました。
金の価格が、経済の動向に依存していること、金の価格は、上下しやすいことなどにも気付けました。
研究過程で新たな疑問にも出会いました。
日本には、約1000兆円もの借金があると聞きましたが、なぜ財政破綻しないのか、気になりました。
日本の事例との違いを調べたいと思いました。
こういった、経済にまつわる事柄を調べ、経済への理解度を深めていきたいです。
これで発表を終わります。
お聞きくださり、ありがとうございました。
■研究の振り返り
◇これはどのような作品ですか?
近年の金の値段の高騰の理由を説明した作品
◇どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
金の値段が高騰している理由が知りたかったから
◇作品づくりで楽しかったことは何ですか?
短い期間で作品を完成させることに必死だったことが心に残っています
◇作品づくりで難しかったことは何ですか?
人にわかりやすくするように難しい言葉を簡単にしたこと
◇作品作りを通して学んだことは何ですか?
金が経済において複雑な役割であること
◇次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
あまりかまないように気を付けたいです
◇来年研究したいことは何かありますか?
スポーツ
◇この作品を読んでくれた人に一言
皆さんは金が好きですか
この記事を書いた生徒さん
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