『卒業生が作るクリスマスリース』~子どもたちに贈るやさしいエッセイ~ 長谷川尚哉 (はせがわなおや)
リテラでは毎年子どもたちがクリスマスリースを作ります。
楽しいクリスマスや、家族の幸せを願うリースには、子どもたちの心から伝えたい気持ちがあふれてきます。
「現役時代にはできなかった、モミの木からリースを作るのやってみない?」
リテラの卒業生で大学1年生の長谷川君は、文章を書くことが好きで、教室でアルバイトをしてくれています。
生徒作品をまとめたり、本の紹介文を書いたり、生徒さんたちに向けたエッセイを書くお仕事です。
いつも通りの教室に来てくれた尚哉君、黒木先生からの無茶ぶりにおどろきながらも、すぐにモミの木を手につくりはじめてくれました。
今回の文章もリース制作を通じて、形作る喜びや季節感への気づきを深く感じられた様子が伝わります。
講師 黒木里美より
リテラ卒業直前はしばらく作っていなかったので、リース制作はかなり久しぶりになります。
以前リースを作った時は、あらかじめ用意していただいた土台に飾りつけをするだけだったのですが、今回はリースの土台となる輪のボリュームを増すため葉を付け加えたり、形を整えるためにトリミングしたりするところからのスタートでした。
輪というのは単純な形ですから、少しバランスが崩れるとそれが非常に強い違和感となって表れてしまい、納得いく形にするのに苦労しました。
飾りつけは、地上において愛が栄えるようにという願いを込めて、生命を感じさせるようなものを選び、リースの下部に集めました。
このクリスマスリースを作ったのは11月下旬ですが、1年の終わりがこんなにも間近に迫っているとは信じられません。
時が過ぎるのがこんなにも早いのは、それぞれの季節の表情や、そこかしこに溢れているはずの新しい出会いをことごとく見落としているからなのではないかと不安になります。
私は今回のリース作りを通して、ここしばらくは気温の変化やカレンダーの日付からしか実感してこなかった季節の移り変わりを、久しぶりに能動的な体験によって感じ取ることができました。