彼の者との邂逅【前編】
まえがき
私は、母のたしなめる言葉に耳を傾けずに休憩なしでテレビゲームをし続けた。
私は、父の諌める言葉にも耳を貸さずに暗い部屋で漫画を読み耽った。
それらの業として発生した弊害、視力低下。
年若い私は、それを気にも留めなかった。
むしろ、視力低下の誘引という理由でゲームや漫画に没頭する時間を減らすように要求されることを理不尽だとすら考えていた。
目が悪くて困るのは自分自身だけで、親兄弟はじめ他者には一切の迷惑はかけないはずだ。そもそも文明の神器、眼鏡さえかけていれば日常生活に支障は来さないのだから、と。
事実、成人、就職、結婚、そして出産というライフステージを踏破するにあたって、視力低下によって齎された不利益はほぼないに等しかった。(あくまで、私の主観の範囲ではあるが)
そう、このツケが、可愛さのみを見返りにほぼ24時間体制で見守りを要求するブラック業務(その名は育児)に従事する私に回ってくることになるとは想像だにしていなかったのである。
もしも、昨今流行りの死に戻り系ライトノベル主人公よろしく過去に遡り、過去の私に出会うことができたなら、これだけは言ってやりたい。
「いや、お風呂では眼鏡かけられへんからな。」
本編?
え、いや何の話? と思った方、正直に挙手しなさい先生怒らないから。
はい、手挙げたそこのあなた。
感想文(800字以上1200字以内)を明日の給食までに書いてくるように。
書いてくれた人にはお返しとして、先生特製☆謎のまえがきについての反省文をプレゼントします。
というわけで、皆々様こんにちは。
きょうもきょうとて2歳児と戯れ闘うゆらゆらです。
文を綴る楽しさに目覚めた私は、完全に調子に乗って再度育児エピソードを書きなぐってみることにしました。
いわゆるパリピモードです。いや、1人だからピーポーちゃうな、パリマ(パーリーマンの意)モードです。
多少変なテンションにお付き合いいただけそうであれば、このままご一読いただければ幸いです。
オデ、パリマ、ダカラ、ノート、コウシンスル・・・。
今度こそ本編
子供のお風呂。
それは、子育て中の方々が大なり小なりお悩みや、何かしらのエピソードをお持ちである日課の一つではないでしょうか。
我が家は、基本は主人が子供と共に入り、子供だけ先に洗ってもらって私に受け渡すプリーズパスミー我が子スタイルであります。
私自身は、その後の保湿やらドライヤーやら歯磨きやらの一連のルーティンを行って、お布団ヘヴン(ベビーサークル内の布団ゾーン)へ我が子を誘導した後に入浴するという流れですね。
主人が定時退勤できない際は自分で入れるのですが、私は自分の風呂くらいゆっくり入らせてくれ後生だから派閥に属しているため、自身の入浴は主人の帰宅後もしくは我が子の就寝後等、また時間を改めて入る二度風呂場行きスタイルで執り行います。
子供を見守りつつ一緒に自分の入浴も済まされる方の潜在能力とご尽力に脱帽であります。
個人的にワンオペ入浴において重要なのは事前準備だと考えています。
お風呂椅子、シャワー及びボディソープの位置確認、バスタオル、セーフティゾーン(一旦子供を座らせる、自分の両手を自由にするための場所)の確保などなど・・・。
これらを一つでも怠ろうものなら、"おやこのふれあい時間"(参考:某育児雑誌)であるはずの入浴が、あら不思議、地獄絵図に早変わりするわけですね。(前科3犯)
というわけで、"その日"もまた、浴室にて抜かりない準備にとりかかっていました。
全ての確認を終え、さあ、いざ入浴と我が子を迎えにリビングに戻ろうとしたその時。
視界の端に映る何かの存在を、私の脳が認識しました。
目を細めると、黒い、小さなモノであることまでは把握できました。
しかし、何せ視力が低いため、入浴に備えて眼鏡を外していた私の両眼ではそれ以上の情報は得られず。
まあええわ、多分何かのゴミやろ。後で入る直前にシャワーで流そ。
軽い気持ちで下したこの決断を後悔することになるのは、これよりわずか5分後のことである。(白目)
まさかの後編に続く
我が子の昼寝が思いのほか短かったので一旦ここで終わります、ごめんなさい。
前振りとCMで散々引っ張った挙句に本編がうっすいという悪徳テレビ番組仕様になってしまい、まことに申し訳ございません。
大体お察しだと思いますが、後編では日本人の大半が苦手とするであろう、あの昆虫殿がお目見えします。
話すら見たくない方は、ご覧になられないようお願い致します。
お詫びとして、下記より次回予告です。
やめて!そんなに触覚を動かしたら、我が子が興味を持って近づいて、下手したら手で掴もうとしちゃう!お願い!死なないで由良之内!
あんたが今ここで倒れたら、帰宅後に全裸の母子(ついでに彼の者)を風呂場で発見することになる夫の精神はどうなっちゃうの?
ライフはまだ残ってる、ここを耐えれば、彼の者に勝てるんだから!
次回、由良之内、流す。
デュエルスタンバイ!
to be continued...(ホントに続きます)