10月の京都~左京区の伝統行事~
10月、京都では時代祭や鞍馬火祭をはじめ、各地域で祭や行事が行われました。10月に左京区でおこなわれた3つの行事をご紹介します。
北白川高盛御供
北白川高盛御供は、北白川天神宮の秋季大祭の始まりを告げる献饌の神事。名前の通り神饌を高く盛り付けて神様にお供えします。
神事がおこなわれるのは6日早朝ですが、前日から北白川伝統文化保存会の皆さんの手によって準備が始まります。神饌はかつては氏子を構成する3つの鉾仲間の男性が調理を行ってきましたが、現在は北白川伝統文化保存会が調理しておられます。
6日朝、4人の白川女の装束を身にまとった氏子の女性たちが神饌を頭に乗せ、一列に石段下まで運びます。保存会の中山会長から食材を収集する大変さを伺い、行事の継承は人材はもちろんなのですが、こうした食材の確保にも関わってくるものだと改めて思いました。
八瀬赦免地踊
毎年10月に左京区八瀬でおこなわれる行事です。
比叡山の麓、八瀬に住む里人・八瀬童子は数百年にわたり、天皇家の大事に駆けつけ、御輿を担ぐ大役を担ってきました。江戸時代の中頃、八瀬の人々と比叡山が土地問題で争いになった際、老中・秋元但馬守が八瀬の人々の地租免除を認めたことから、この恩に感謝して秋元神社を建立し踊りを奉納したことが赦免地踊の由来とされています。
吉田神社末社「今宮社」神幸祭
毎年10月に行われている吉田神社末社「今宮社」の神幸祭。神輿や剣鉾などの行列が、吉田神社から出発し京都大学や地域を巡行します。今年は13日におこなわれ、吉田剣鉾保存会の皆さんにより巡行を先導する剣鉾差しがおこなわれました。太鼓の力強い音や、剣鉾の華やかな音と掛け声で地域に賑わっていきます。
重い剣鉾を差して巧みにバランスをとりながら歩くと、剣が前後にしなります。この日はきれいな秋晴れだったこともあり、日の光が当たって剣がきらりと光り、棹につけられた鈴の音が美しく響きました。