好きな作品について ‐芸術単元の予習ー
はじめに(懺悔)
過去の自分が書いたnoteを読み返してみると、「あ、気取ってるな」と思います笑
いい文章が書きたい!という煩悩のせいですよね、きっと。
今回の事前課題
〈課題1〉
自分が好きな作品や思い入れがある作品、あるいは一般的に人気が高い作品を一つ挙げてください。(いわゆる「アート作品」や「芸術作品」のイメージに囚われないよう、自由に挙げてください)
〈課題2〉
その作品の「形式上の特徴・独自性は何か」を考えてみてください。
〈課題3〉
その上で、その作品を評価する(あるいは一般に評価されている)理由を考えてみてくださ
酒井抱一「夏秋草図屏風」
わたしが好きなアート作品として挙げたいのは、琳派の画家・酒井抱一の「夏秋草図屏風」。
いや、正直なところ
好きな作品なんてありすぎて選べないんですけどね。
なにせ、美術マニアですから。
なので、
夏秋草図屏風は、この課題をあたえられた時期にマイブームとして熱い作品だと捉えていただけると、うれしいです。
琳派ブームだったんですよ。今も日本画&黄金様式クリムトがマイブームです。
作品の形式上の特徴・独自性
尾形光琳の「風神雷神図屛風」の裏に描かれているというところが
いちばん熱いんじゃないでしょうか?
その他のことを挙げると…
・琳派に見られる『たらし込み』という技法を使っている
・濃淡がそこまでない、あっさりとした色彩
・絵…視覚的な情報(音や香りなどの情報はなし)
あと、事前課題とはそんなに関係ないですが
屏風という空間を仕切る道具として日常的にあるものが
(上流階級の日常?なのかもしれないけれど)
こんなに芸術性を持っているということ、がいいなぁと。
芸術作品として、作品があるのもいい。
だけど、日常と非日常のはざま、そこにある芸術もまた、おもしろい。
評価する(評価されている)理由
夏の雨がザーザーと地面に打ち付けるという音
夏、特有の青いにおい
秋風のすこし冷たい感じ
秋の草花が風に揺られる音
それらが
絵から自分に流れ込んでくる気がしました。
実物を見てみたい…と思った絵でした。
あと、琳派=黄金みたいなイメージだったので
あっさりとした色調のこの夏秋草図屏風は印象に残りました。
たくさん降った雨が川になって流れていく様子
紅葉した葉が今まさに飛んでいく様子
動きのあるものを一瞬の中に閉じ込めたみたいな絵。
細かいところを見ても、その線の美しさには息をのんだ。
とにかく
なんて、うつくしんだろう!かっこいいんだろう!
と思わされたんです。
抱一の夏秋草図屏風は、単体で見ても魅力的なのですが
尾形光琳の「風神雷神図屛風」と合わせてみると更にその魅力が増します。
形式上の特徴・独自性で、『尾形光琳の風神雷神図屏風の裏に描かれていた』ことを挙げました。
抱一はが光琳を尊敬していたことを考えると、その敬愛を表しているような感じがするんです。
(琳派は直接、師事を受けるというより、先人の作品を見本にして自分で学んでいくスタイル)
抱一の夏秋草図屏風は、光琳の風神雷神図屏風に対応するように描かれています。
・風神雷神=金地(月) ⇔ 夏秋草=銀地(月明り)
・風神雷神=空 ⇔ 夏秋草=地上
・雷神…雨、夏、ゆり
・風神…風(風向き)、秋、紅葉・木の実
・夏秋草図屏風の余白部分には、風神・雷神がそれぞれ入れそう?
いやぁ、かっこいいなぁ。
化政文化の『粋』や『洒脱』ってこういうことか、と。
視覚的にも、頭にもわからせてくれるというか…。
かっこいい。
こういうことができる大人になりたい…と
深く深く思わせてくれる作品。
自分としては、黄金!いいなぁ!みたいな自分というか
かっこつけたい、気取ってしまう自分がいるので
抱一の絵にあるような軽やかさや明快さ、隠されたメッセージ性は
なんだか、とても響きました。
そして、抱一の夏秋草図屏風は、俵屋宗達の作品とともに、わたしが日本画にハマるきっかけをくれたものでもあります。
それまでは、西洋美術にばっかり注目してたので。
そんな自分だけど
この作品から、こんなに心の底から湧き上がる感動を得られるなんて、なんだかんだ言って、やっぱり日本人なんだなぁと思わされて、おもしろかったです。
おわりに
ああ、語り足りない。
もっと他についても語りたい。
だれか、わたしの行き場も墓場もない話をきいてください笑
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