御本拝読・「毎日ザレゴト」ナジャ・グランディーバ
プチ写真集+エッセイ
西ののんびりドラァグ・クイーン、ナジャ・グランディーバ(以下、ナジャさん)初の単行本。メインはエッセイですが、きれいなお写真がたくさん。サイズ感はちょっと小ぶりの単行本ながら、みっしり中身が詰まってました。
とにかく、お写真がどれも素敵。おそらくこの本じゃないと見られない写真であろうし、本だとゆっくりと見られて良いです。ナジャさんの世界観というか、「こうでありたい」「私はこれが好き」という真っすぐで純粋な美意識が伝わってきました。
テレビでのイメージ、ラジオでのイメージ、ショーでのイメージ。そのどれもがナジャさんの素とさほど差がないことが、この本を読むと分かります。
さすがのんびりおネエ
ゆるっと始まるナジャさんトーク。それはまさに、ナジャさんのラジオでの一人語りを聴いているよう。レツゴーリスナーとしては、ラジオのオープニングトークの書きおこしのようで嬉しいところ。
全体を通して一貫しているのは、「頑張りすぎない」。仕事や人付き合いをいい加減にしていいということじゃなく、自分自身に無理をさせてまでやるこっちゃない、ということ。
本当は静かな性格なのに無理してパリピを装ってみたり、性根が賑やかなのに無理しておしとやかや知的に振舞ってみたり。そうやって無理しても、おそらく長続きしない。
ナジャさん、テレビで「おネエ軍団」を率いる役割として出演されるときもコメンテーターとして出演されるときも、そういえば同じテンション。我が我がと前に出るタイプでも、奇抜な言動で笑いをとるタイプでもない。しっとり落ち着いているのに、暗くはなくてほんのりランプが灯っているよう。泰然と、その場をゆるりと楽しんでおられる感じ。
憧れを昇華する
そんなナジャさん、憧れはスーパーモデル。ランウェイを想像して通学路を歩いてみる小学生だったと。
今のナジャさんのベースはそこにある。特に、外見や立ち居振る舞いを見ると、よく分かります。ナジャさん、体は男性なのに、指先までいつもしなやかな動きの秘密は、そこにあったですね。
憧れがあって、そうなりたくて、努力する。それは単純に見えるけれどとても強い動機で、それをコツコツとやり続けられるのは素晴らしいこと。
ナジャさん、頑張らないと言いつつ、大変な努力家なことがうかがい知れます。そして、昇華された憧れは今の素敵なナジャさんの姿に。
他人に合わせたり他人に勝つためではなく、自分のなりたい姿や自分の好きのためには、頑張れる。それってもしかしなくても、一番輝いている生き方かもしれません。
まとめ
好きなのに、上手く感想が書けない。
何も考えずにぱっと開いたページを、寝る前や出勤前に読んでみる。ちょっとナジャさんと話せた気がして、気が楽になる。説教臭いことや宗教じみたことは書かれてないので、安心して読めます。
下手な人生指南書や自己啓発本よりも、ナジャさんの本気写真やゆるトークに救われる。そんな私も、心の中で憧れの人の真似をして少し背筋を伸ばしてみる毎日。