自己愛性人格障害の特徴
自己愛性人格障害について
自己愛性人格障害は、優越感(誇大性)、賞賛されたいという欲求、および共感性のなさの広汎なパターンを特徴とします。 自己愛性人格障害の患者は自分の能力を過大評価し、自分の業績を誇張し、他者の能力を過小評価する傾向があります。
口癖について
このように自己愛性人格障害のある人は、自身への誇大なイメージが言動にもあらわれることがあり、「自分は特別だ」「自分は完璧だ」「有名人と知り合いだ」などといったことを口癖のように語ることもあります。
言動について
自己愛性人格障害の特徴として、自分を特別な存在だとみなすため、自分が望めば周囲の人が動いてくれると期待しているところがあります。 家族やパートナーといった親密な関係性では、怒りを用いて周りの人を支配したり、思いやりを持って扱えなかったりすることが多いでしょう。 具体的には、以下のような言動や様子が特徴的です。
プライドについて
自己愛性人格障害の方は、プライドが高く弱みを見せない傾向がありますが、相談を受けたり苦しむ様子を見たりすることもあるでしょう。 そのようなときは、肩入れしすぎたりその場限りの約束をしたりしないことが大切です。 依存的になったり、上下関係ができて要求がエスカレートしたりして、お互いが傷つくリスクがあります。
ターゲットについて
他人を貶め、見下すことに快楽を覚える人たちは、まずターゲットを探す。 多くの場合、それは身近にいて簡単には関係を解消できない人。 家庭であれば、配偶者、子ども。職場であれば、多くは部下。
激昂について
自己愛性人格障害の特徴は、「自分には才能が有り、特別な人間だと信じている」「恥をかいたらカッとなり、激昂する」というものがあります。
対応策としては、その人のプラスの貢献を褒めることや、(否定的な意見を述べる場合には)成し遂げたことを見つけて伝えることです。
治すについて
自己愛性人格障害は治療が難しく、治療には長い期間を要します。 また、本人の性格や家族の関係性を見直すことも容易いことではありません。 しかし、少しずつでも改善することは可能です。
薬について
自己愛性人格障害そのものを治療する薬物療法はありませんが、いくつかの症状にターゲットをあてた薬物療法はあります。
まず、自己愛性人格障害の衝動性や易怒性に対してはリーマスなどの気分調整薬が著効することがあります。 また、合併している抑うつや不安に対してはSSRIなどの抗うつ薬が効果があります。
強い人について
自己愛性人格障害は、自分を特別だと過大評価する傾向が強いです。 自尊心を傷つけられないようにしていることが多く、周囲を気にしすぎます。 職場や学校など集団の中では自分が不利な立場にならないか、気にしながら過ごしやすいです。 たとえば、上司から注意を受けたときは屈辱的だと感じます。
原因について
自己愛性人格障害の原因は、幼少時代、親から認めてもらうことがなかったり、過保護だったりしたことで、自分をうまく作り上げることができなかったことにあります。 見捨てられることを恐れ、不安に取りつかれる中で精神のバランスを保とうとして、自分は特別優れていると誇大なイメージを持ったり、認めてもらいたいという欲求を強く持ったりします。
先天的について
先天的に脳に脆弱性があり、不安を感じやすく集団生活に馴染めないなどの性格傾向も発症の一因です。 発達障害を持ちながら適切な治療を受けなかった方や、親族に自己愛性人格障害の人がいる方も発症しやすいとされています。
モラハラについて
自己愛性人格障害は、モラハラ(モラルハラスメント)に繋がりやすいです。
モラハラとは、家庭内のいじめのようなものであり、精神的な虐待、言葉や行動・態度による嫌がらせのことです。
逆について
自信やプライドをもつことは大切ですが、それが行きすぎると、「自己愛性人格障害」となります。 逆に、自信不足から、人に頼る傾向が強まると、「依存性人格障害」になりますし、自信不足が露呈しないように、プレッシャーがかかる状況を避けるようになると、「回避性人格障害」へと発展します。
夫について
自己愛性人格障害の配偶者は、自分に対して誇大なイメージを持つため、常に「自分が正しい」、「相手が間違っている」という認識で接してくる場合があります。 自己愛性人格障害の配偶者に対し、なにか意見をしたとしても、「お前が間違っている」と決めつけて意見を聞いてくれないことがあるでしょう。