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〇〇〇〇〇を見落とすと凡庸な訳になる
前回、残念な翻訳にならないための
2つの要点のひとつめ、
/
「語順の変更は最低限に」
\
をお伝えしました。
おさらいしますと…
どこの国の人でも、
まず言いたいことはフワっとした
映像で思い浮かべて
次に言葉にするんです。
このフワっとした映像が
出てくる順番そのものも
とっても大切です。
さて、今日は2つめの要点を
ご紹介しますが、
いやー!もうビックリ。
メルマガをお読み下さっている
Hさんがもうお見通しです。
先日のメールを下さって
私はもう感服しました。
Hさんは自然科学で頭脳を
鍛えていらっしゃるので
「構造」感覚が冴えておいで
なのかもしれません。
その第2の要点とは
「キーワードを見落とすな」です。
英語の語りを再掲します。
一部、固有名詞は省略します、
There was once a farmer
on his way to sell his mare
at M Market.
He had risen early and set out
when the flat fields were
still clagged with cold mist.
But as he climbed the road
where it ran steep
over the hill at A Edge
the sun rose, too.
キーワード、どれでしょう?
私はriseだと思いますよ。
the sun rose, TOOって
ありますし。
農夫は太陽がriseする前に
ひとりでrise し、
まだ薄暗くもやの立ち込めた
寒い朝の平原や丘を
ひとりで馬と歩きます。
さらにclimbしたところで
太陽が正面からriseし
眼前が一気に明るく、暖かくなります。
(このへんの方角、位置関係は
原文の地名をもとに
Googleマップで確認。
便利ですねえ。)
偶然の繰り返しに過ぎない?
その可能性も
ゼロではありませんが、
英語は基本、
繰返しを好みませんし
「起き上がる」ならget upを
使うことが多いんです。
なので、ここは
農夫と太陽でriseを
おそろいにしたと
考えるのが自然。
そう考えると、
農夫がriseして芝居の
第1幕が始まり…
太陽がriseして
第2幕が始まり…
それぞれの幕の色合い、
雰囲気の違いが際立って
感じられます。
それは農夫の心持ちを
反映してもいるのです。
私が通訳道場で
お伝えしている
「フォト・リスニング」式に
このお話を絵でメモするなら
1コマ目は太陽がriseする前まで
2コマ目は太陽がriseしてからに
するでしょうね。
キーワードを気にせずに
一語ずつ読むのは、
ナスカの地上絵を地べたで
辿るようなもので
何が描いてあるのか
「見えて」きません。
キーワードに気づくと
ちょっと俯瞰できるように
なります。
鳥の目で文様が見えると
「おおお!A-ha!」と
嬉しくなりませんか?
さて、いざ
日本語訳するとなると
農夫にも太陽にも合う
riseに相当する日本語探しに
相当苦心します。
仮に、
農夫は「起き上がり」
太陽は「昇り」とすると
間違ってはいないけれど
ドヤ顔はできません。
この悔しさが、他の部分の
精度を上げる起爆剤になったり
翻訳者が傲慢にならない
お守りになったり
するのでしょう。
さてさて、来年始まる次の高座
じゃなかった、講座、
通訳養成より間口が広いけれど
ありきたりな英会話じゃ
ありません!
まだご案内ページも
できていないのに
続々お問い合わせ頂戴しています。
ありがとうございます。
その講座とは…
【講座①】
コレ、絶対おすすめ
日本人の英語ストレスが
笑いと喜びに変わる
小咄、落語で英語を学ぶ講座
【講座②】
AI翻訳の先を行き続けるなら必読、
「Dead Poets Societyーいまを生きる」から
「12の英詩、超深読み」講座
【講座③】
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お互い近況日英通訳講座
【講座④】
ゲイリー・ホルツ博士の
多発性硬化症から
アボリジニの癒しで蘇った
自伝読書会
(日本語訳、事前にさしあます。)
どれも、解説動画、チャットなど
切れ目なく分厚く
てんこもりにします。
私も皆様のご要望伺いたく
メルマガ読者の方には
ご要望アンケートを
ご案内いたします。
ご遠慮なく、じゃんじゃん
ご要望お知らせください。
では、
Keep warm and
njoy the wintry cold!