AIの先行く人間らしい翻訳とは?
こんにちは。
日本人の英語ストレスを笑いと喜びに変える
エキスパート通訳トレーナー&落語家
冠木友紀子です。
ここ2回にわたって
AIの先を進み続ける人間らしい翻訳のための
2つの要点をご紹介しました。
かんたんに振り返りますと
①イメージ=言葉の順をできるだけいじらない。
②キーワードを見落とさない。
(点、線ではなく面、空間として読む)
こんなところでしょうか。
そろそろ、
あのチェシャの物語の冒頭、
私訳をお目にかけないといけませんね…
もとの英語と私訳をお目にかけます。
私訳、
ダメだとは思っていませんが
すごいとも思ってはおりません。
精進、精進。
一部、固有名詞を省略しております。
「There was once a farmer
むかし、農夫がひとり
on his way to sell his mare
雌馬を売ろうと向かっていたのは
at M market.
Mの市でした。
He had risen and set out when
早く起き出して家を出たころ
the flat fields were still
たたなづく平原にはいまだ
clagged with cold mist.
ねっとりと冷たい朝もやが
こびりついておりました。
But as he climbed the road
where it ran steep
でも、急坂を登り、
over the hill at A Edge
Aエッジの丘を越えるころ、
the sun rose, too.
太陽も起き出しました。」
どうでしょう。
イメージ順で訳すと
そんなに日英で変わらないのでは?
対訳本の訳はこちら。
「むかしむかし、
農夫がMに市が立つ日に
雌馬をうりにいきました。
農夫はまだ夜明け前の朝霧が平原を
しっかり包み込んでいるうちに
家を出ましたが、Aエッジを過ぎ
丘へ向かって急な坂道を登る頃には
太陽が昇り夜が明けました。」
こういう翻訳よくありますし
日本語だけ読むと違和感ないかも
知れませんね。
でも、読めているんでしょうか。
夜が明けるのは太陽が昇るより
先と思うのですが。
太陽はスイッチでパッと
切り替える電灯ではありません。
光は徐々に届きます。
イメージの順を保ちながら
訳がひとりよがりにならないためには
文法をふまえることが大切です。
文法は一眼レフの「絞り、レンズの長さ、シャッタースピード」
といったパラメーターのようなもの。
あるいはファッションのコーディネイトルール。
誰にも身近な感覚です。
美しさを支える味方です。
なかでも英文法はドイツ語やフランス語より
pure and simpleに
磨かれているんですよ。
学校で習った文法が嫌いだ、と言う方は
むしろセンスのいい方が多いです。
嫌いだった文法は、
例えれば冷凍焼けした鯵の干物みたいなもの。
本当の英文法は
波とひとつになって海を泳ぐ生き生きした鯵の群れ。
イキのいい英文法の勉強会もアリかしら。
ところで来年、4つの新講座を始めます。
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