見出し画像

通訳にもある前座、二つ目、真打

「聞きづらい通訳と
ほれぼれする通訳、何が違うの?」

通訳を聞いていて
そう思ったことはありませんか?

「駆け出しとベテランの違い」
では大雑把すぎます。


「エージェントの
S、A、Bクラスの違い」も
実は根拠があいまいです。

この違い、
私は寄席で見つけました。

もともとは単に落語が好きで
寄席通いをしていたのですが…

前座から真打まで
全レベルの噺家さんを聴いて
何が違うのか、あれこれ
考えてみたら、

その違い、通訳者にも
よくあてはまることに
気づきました。

さて、私なりに
それぞれの段階の特徴を
申しますと…

1. 前座通訳者

自分は何ができていないか
わかっていない(無意識無能)
あるいは、できていないことに
気づいている(有意識無能)けれど
どうしたらよいかわからない
状態です。

正しく通訳するだけでいっぱいで
しゃべることに一生懸命。

聴衆の空気を感じたり
聞き心地を慮って
ノンバーバルな工夫をする
余裕はまだありません。

クレームが出ないかと
ひやひやしたり、
長時間通訳は苦しかったりと
ストレスがつきものです。

2. 二つ目通訳者

自分ができていることを
意識できます(有意識有能)。

自己教育もできて、
仕事が楽しくなります。

言葉の置き換えに
自信が持てます。

また、リピーターに信頼され
専門分野が絞られて
いろいろなことが楽になり
好循環に入ります。

褒められるのが
嬉しい段階です。

ただ、自信がつくあまり
批判や助言が耳に入りにくく
なることも。

まだ人間と言語のかかわりを
深く考察してはいません。

なので、パフォーマンスも
驚きや感動を生み出す
ほどではありません。


3. 真打通訳者

真打通訳者になると、
超絶技巧を無意識に使いこなし、
どんな状況でも自然体で
通訳できます。

頭で言葉を言葉に
置き換える作業に
忙しい思いをすることは
もはやありません。

呼吸や間まで
自然にスピーカーに同調し
カノンのような聞き心地。

本人も通訳していることすら
忘れていたりして…!

あまりに自然なので
周囲も褒めることを
忘れます。

まあ、もう本人は
褒められても
褒められなくても
どうということもありません。

通訳の録音を文字起こしすれば
冊子がすぐにできます。

中島敦の「名人伝」では
弓の名人がやがて
弓と究極の一体化を遂げ
ついには弓を忘れてしまいます。


まあ、通訳者がそこまで忘れると
日々の仕事としては
都合がよろしくないかも
しれませんがね。

正直申しますと
前座、二つ目の通訳者は
バーバルな正しさでは
すでにAIに先を越されて
いるのではないでしょうか。

ただ、AIが真打になることは
ないでしょう。

感情と身体を
持ち合わせないからです。


感情と身体こそ人間が
真打に至るよすがです。


その「よすが」にご関心
おありの方、私めの

通訳トレーニング体験会に
ぜひどうぞ。


2時間ほどお時間頂戴します。

参加費5000円のところ
今月、無料枠はあと
1名様となりました。

まずは概要ページを
ご覧ください。
https://bit.ly/3IKTKbF

週の後半、あちこちで
雪が降るそうですね。
どうぞご無事で。

通訳藝術道場★公式LINE

■ 暗記しなくても英語の語彙力爆上がり!
 オノマトペで英日訳が自然になる
 見れば納得、解説動画つき
 魔法の語源100リスト

■ いつまでたってもコトバ探しが苦しい人のための
 ドンピシャな通訳のコツがわかる
 無料7日間メール講座

■ Facebook Yukiko Kabuki

180日エキスパート通訳実践トレーニング

■身体芸術としての通訳を探求する通訳藝術道場

いいなと思ったら応援しよう!