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日本庭園のひみつ 見かた・楽しみかたがわかる本 鑑賞のコツ超入門 単行本(ソフトカバー) 宮元 健次 (著)


日本庭園のひみつ 見かた・楽しみかたがわかる本 鑑賞のコツ超入門 単行本(ソフトカバー) – 2020/9/30

宮元 健次 (著)

$解説
★ 鑑賞に役立つ、
全国 日本庭園MAPつき!

★ 鑑賞のポイントから
歴史に欠かせない重要人物まで。
豊富な写真と解説で、
奥深い庭園の世界にご案内します。

★ 野原の小川を示す「遣水」、
あの世への思いを託した「中島」、
結界の役割を持つ「橋」…
構成要素で見る鑑賞のポイント。

★ 枯山水、書院造、茶室と露地…
時代で見る鑑賞のポイント。


◆◇◆ 著者からのコメント ◆◇◆

「庭」とは、古くは祭祀や儀式を行うための
神聖な場所をさしたといわれます。
日本の政治はおもに天皇を中心とする
朝廷によって行われてきましたが、
まさに朝廷の「廷」は庭に由来するのです。
早朝、白砂を敷いて浄化された庭に皇族が集まり、
儀式を行ったことがその語源とされます。

いっぽう日本各地で発掘される
「環状遺跡」と呼ばれる巨石を円状に並べた
古代の遺構がありますが、
これらは古来、神が宿ると信じられてきた巨石(磐座)を中心に
古代人が祭祀を行った場所で
「にわ」と呼ばれていました。

京都のルーツ・平安京が開かれると、
皇居である大内裏に接して日本最古の
寝殿造り系庭園である神泉苑が作られますが、
この庭も儀式のための神聖な場所でした。

庭とはただ単に自然を楽しみ癒される対象というよりも、
むしろ日本人の精神の発祥に関わる
神聖な存在であることが
垣間見えるのです。

本書は、従来の庭園のガイドブックに
数多く見られるような、
その造形的魅力の解説に加え、
さらにこうした庭園の本質的な意味について、
平易な文章でまとめたものです。

これまでの庭園の解釈に加え、
新たな視点をもって庭に対峙した時、
そこにさらなる魅力を感じていただければ、
本書のもくろみははたされたことになります。

宮元 健次


◆◇◆ 主な目次 ◆◇◆

☆ 第一章
時代ごとに見る日本庭園鑑賞のポイント
・ 時代ごとに見る庭園形式
・ 浄土式庭園の特徴を見る
・ 寝殿造り系庭園の特徴を見る
・ 枯山水庭園の特徴を見る
・ 書院造り系庭園の特徴を見る
・ 露地を見る
・ 廻遊式庭園を見る
・ 大名庭園・宮廷庭園を見る
・ 時代ごとに見る作庭家
・・・など

☆ 第二章
構成要素から見る日本庭園鑑賞のポイント
・ 庭園を構成する要素を見る
・ 日本庭園の主流は「自然風景式庭園」
・ 浄土式庭園には「蓮池」が作られた
・ 遣水は「曲水の宴」に欠かせない要素
・ 垣の種類「生垣」と「袖垣」
・ 寺院から庭園へ取り入れられた添景物「石燈籠」
・ 「固定視点式庭園」のビュースポットは「建物」
・ 「舟遊式庭園」の拠点「船着」
・ 茶室の「露地」は茶会の気分を高める苑路
・・・など

☆ 第三章
庭園鑑賞の基本をおさえる
・ 庭園の発祥に深く関わる「他界」「滅び」
・ 日本庭園の成立に欠かせない達人たち
・ 日本庭園のルーツは文学でもある
・ 鎌倉ならではの庭園形式
・ 重森三玲の作品に触れられる「重森三玲庭園美術館」
・ 日本庭園の最高傑作「桂離宮」造営の歩み
・ 岩石の特徴を知る
・ 3つの離宮から構成された雄大な日本庭園「修学院離宮」
・・・など

$読者レビューより引用・編集
※ 本書は2010年発行の
『歴史と文化を愉しむ日本庭園鑑賞のポイント55』
を元にした新版

同じ著者・出版社で10年前(2010年)に出版された「日本庭園・鑑賞のポイント55」とほぼ全く同じのもの。写真が何点か差し替えられている程度で、文章・構成・ページレイアウトは全く同じ

細かい突っ込みどころも多い。
例えば石についての説明で、「西芳寺庭園や慈照寺庭園(京都府)などの『夜泊石』も守護石の一種とみられ、縦一列に多数の意思を池石として並べ、阿弥陀如来の出現の際、それに続いて現れる菩薩の姿を模ったものとされます」とある。

慈照寺には、過去に夜泊船があったとされるが現存しない。そして夜泊石で有名なのは金閣寺だ。これは鹿苑寺(金閣寺)の間違いではないのか。そこに「?」を感じていると、さらに「夜泊石が菩薩」と書かれていて面食らう。夜泊石は一般的に蓬莱思想で説明されるものだ(日本大百科全書など)が、それを否定するならそれなりの説明が一言あるべきだし、その説明もない状況では単なる間違いと判断するしかない。

また、「浄土式庭園には『蓮池』が作られた」というタイトルの章がある。このタイトルだと蓮池は浄土式庭園の特徴のような意味になるが、蓮池は浄土式庭園ではなくても仏教寺院の庭にも普通にある。仏教の考え方ではあるが、無理に「浄土式庭園」の特徴として組み込むのは不自然。

文章の流れ(意味)を丁寧に読もうとすると「?」となることが少なくなく、私のように庭のことをかじっただけで深く知らない者は、書かれていることが正しいのかどうか一つ一つ調べるはめになる。そういう意味では勉強になる。庭園の見方を様々な切り口で紹介しているという点で良い本だとは思うが、それだけに惜しい。

$出版社より

建築研究の第一人者が日本庭園を解説



鑑賞のポイントから歴史に欠かせない重要人物まで。豊富な写真と解説で、奥深い庭園の世界にご案内します。野原の小川を示す「遣水」、あの世への思いを託した「中島」、結界の役割を持つ「橋」…構成要素で見る鑑賞のポイント。枯山水、書院造、茶室と露地…時代で見る鑑賞のポイント。鑑賞にやくだつ全国日本庭園MAPつき。3章立てで、第一章では「Step Up」として、各項目で取り上げている庭園形式に対応した日本庭園を紹介しています。第二章では「日本庭園ガイド」と題し、全国各地の主要な日本庭園を紹介しています。

$商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

鑑賞のポイントから歴史に欠かせない重要人物まで。豊富な写真と解説で、奥深い庭園の世界にご案内します。野原の小川を示す「遣水」、あの世への思いを託した「中島」、結界の役割を持つ「橋」…構成要素で見る鑑賞のポイント。枯山水、書院造、茶室と露地…時代で見る鑑賞のポイント。鑑賞にやくだつ全国日本庭園MAPつき。

著者について

宮元 健次 Kenji Miyamoto
作家、建築家。
1987年東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。
龍谷大学助教授、大同工業大学教授を歴任。
宮元建築研究所代表取締役を務める。
著書50冊以上。テレビ出演・雑誌監修多数。
建築家としても受賞多数。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

宮元/健次
作家、建築家。1987年東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。龍谷大学助教授、大同工業大学教授を歴任。宮元建築研究所代表取締役を務める。著書は50冊以上。テレビ出演・雑誌監修多数。建築家としても受賞多数。2017年9月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



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