髪とモード──"ウルフレイヤー"という新機軸、そのデザイン
|70'sロックのアティテュード。
エッジを効かせたデザイン性と
ユニセックスなニュアンス。
いつだって、
流行は繰り返し、その時代のカルチャーに共鳴しながら新しいトレンドは産声を上げる。
20年前に流行したウルフカットとは一味違う、
エッジとニュアンスを効かせたクールなデザインが印象的なヘアスタイル、"ウルフレイヤー"。
70's、遡ればそれはニューウェイヴ、パンク・ロックから伝う鋭利なアティテュード。
"90s"のストリートスタイルが注目される今、
シャープでスタイリッシュな"ウルフレイヤー"の
魅力を紐解きながら、
時代を先取りしたトップモデル達のヘアスタイルにフォーカスを当てた。
CULTURE / ART & FASHION
June 17, 2024
■What's the Wolf Hairut?
ショートやロング、トップにボリュームをもたせて襟足にレイヤーを入れるヘアスタイル。
旧ウルフレイヤーが全体的に軽さを強調したスタイルなのに対し、新ウルフレイヤーは全体的な重さと襟足や顔周り付近のレイヤーの対比、よりニュアンスに重きを置きながら都会的でスタイリッシュなヘアスタイルへと進化している。
|Korean Female Model──"Sora Choi"
現代のウルフレイヤーというスタイルにおいて、私が最もインスピレーションを受けたのが、韓国出身の世界的なトップモデル、Sora Choi(チェ・ソラ)だ。
世界的なハイブランドのミューズに数多く挙げられるトップモデルであり、彼女の特徴でもある黒髪のミディアムヘアとエッジを効かせたウルフレイヤーは、タイムレスな魅力とアバンギャルドな個性に溢れた彼女の代名詞だ。
トップを短めにしながら、ダークヘアが重たくならない軽やかなレイヤーを入れたウルフカットは、スタイリングの艶感も相まって程よくソリッド。
私の記憶が確かならば、ソラはウルフレイヤーという言葉が定着する前の2016年、2017年からランウェイ、ストリートでこのスタイルをずっとずっと貫いている。
アイコニックなヘアスタイルと、ハイファッションに映える圧倒的にシャープな存在感が彼女の魅力。
|Argentine Female Model──"Mica Argañaraz"
上に重く、下にかけて広がるボーイッシュなカールヘアが魅力のアルゼンチン出身トップモデル、Mica Argañaraz(ミカ・アルガナラズ)。
無造作なマッシュウルフをベースに、70'sムード漂うスーパーカーリーヘアの抜け感がたまらなくエフォートレスでスタイリッシュ。
一見毛先が重く、バサっとしたスタイルになりがちなボリューミーなヘアを、アクティブなカールが無造作でありながら美しい強弱を作り、エレガントなこなれ感すら漂わせる。
プラダを始め、多くのハイブランドのランウェイ、キャンペーンで世界的トップモデルとしての成功を収めたミカ。ヴィーガンであり動物愛護の擁護者でもある彼女のサステナブルな取り組み、芸術愛好家としてのクリエイティブな側面は多くのフォロワーを生み、モデルとしての活動とは別にソーシャルメディアを通してもファンに絶えずインスピレーションを与え続けている。
|French Female Model──"Mae Lapres"
中国&カナダ系フランス人のモデル、Mae Lapres(マエ・ラプレ)はカナダ人の父と中国人の母を持ち、フランス語の他に英語と中国語を操るトライリンガル。
重めの前髪と顔周りの束感が印象的なマエのヘアスタイルは、マッシュベースのナチュラルなシルエットが印象的なウルフレイヤー。丸みのあるシルエットにエッジを効かせた顔周りのレイヤーが個性あるモードな雰囲気をお洒落に表現している。
グッチやミュウミュウなどのキャンペーンを始め、数々のランウェイに登場する人気モデルでありながら、パリ北部のクリニャンクールにて自身のヴィンテージショップ「メイメイラプレ」のオーナーも務める。
ヴィンテージアイテムをセレクトしたマエの超上級者なストリートスタイルは一見の価値あり。