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ヤードバーズ 「ストロール・オン」
「トレイン・ケプト・ア・ローリン」でなく「ストロール・オン」が好きなんだよね。
私がヤードバーズに興味を持ったのは、ベック、ボガード&アピス「ライブ・イン・ジャパン」が出てからだから、1973年過ぎの時期。
ジェフ・ベックのギターにしびれ、ロッドとの第一期ジェフ・ベック・グループの2枚、続いて、第二期ジェフ・ベック・グループの2枚を手に入れて、さらに遡ろうと、ヤードバーズを聴きたくなった。
そんな頃、ミュージックライフ誌で、
エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジのヤードバーズ出身の三大ギタリスト特集てのがあった。
もちろん、クリームやツェッペリンにも興味津々で、それぞれ手に入れ始めた頃だ。
そこで、私の街のレコード店でヤードバーズを探すが、みつからない。
当時、街には3軒のレコード店があり、1番よくいく店で聞いてみた。
すると、ヤードバーズは廃盤になってるのが多く、手に入るのはこれだけと、ネッシーのジャケットのLPを取り寄せてくれた。
後から思うと、正規のアルバムでなく、編集盤で、代表曲とかはあまり入っていなかった。
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ミュージックライフ誌での三大ギタリスト特集では、ジェフとジミーがいっしょにいた時代の「幻の10年」というのが、ジェフ・ベックのスタイルを知るのによいだろう、とクリエイションの竹田和夫さんが書いていた。
しかし
聴きたくてたまらないが
手に入らなかった。
映画「欲望」でのヤードバーズ出演シーンを観たのは、音源を聴けた後か前かは、定かではないが、テレビでその映画を放送してくれて、感激した。
主人公がたまたま紛れ込むコンサートにて、演奏するジェフ・ベックとジミー・ペイジ。
いかにも安っぽいギターを持つジェフが苛立ち、ギターをアンプに叩きつけたりして、壊して、それを客席に放り投げると、主人公がたまたま手にして、コンサートホールを出てきて、そのあとにポイって捨ててしまう。
映画のワンシーンなのに、「なんてもったいないことを」と思ったっけ。
苛立つ演技するジェフ
静かな表情でギター弾くジミー
そんな演奏シーンだった。
後に知ったのだが
曲は、「トレイン・ケプト・ア・ローリン」だが
映画での使用料をふっかけられ
曲名を「ストロール・オン」にして
別の曲ってことにしたとか。
映画の前にも
ヤードバーズとして
「トレイン・ケプト・ア・ローリン」を演奏してて
ジミー・ペイジ加入後にそれを演奏したのは、「ストロール・オン」てことになったわけだ。
そういった経緯を知ったのは、いつ頃かはわからない。
なんかの誌面で読んだのかなあ。
FMとかで誰かに聴いたのかなあ。
昔はネットとかで調べられないからね。
そして、初めて聴いたのは
NHK-FMの土曜日昼下がりの水戸支局の番組。
当時は、土曜日の午後のNHK-FMは関東の各支局で全く別の番組を放送してた。
私が生まれ育った街、群馬県館林市は、群馬県の先っちょで、川に挟まれ、利根川を越えると埼玉県、逆側の渡瀬川を越えると栃木県、群馬県の中央に背を向け、更に先っちょにいくと茨城県と、四つの県の境目にある。
だから、地方局はけっこう聴きやすく
洋楽を放送する水戸
日本のロックの特集とかやる浦和とかを
その時の番組により選んて聴いていた。
そのなかで
水戸支局がヤードバーズ特集をやってくれて、カセットテープに収め、貴重な音源を聴くことが出来た。
その時の放送で
クラプトン時代の「トレイン・ケプト・ア・ローリン」
ベック・ペイジの「ストロール・オン」を聴き比べのように続けて放送してくれた。
前者のは、ギターソロが入る最初の間奏はリフでなく、ブルースパターンになり、さすがクラプトンと思った。
でも、たしか、これもジェフ・ベックだったんだよね。たしか。
そして、ベック・ペイジの「ストロール・オン」
これが衝撃だった。
既にちゃんとした(?)ハードロックをいろいろ聴いてるし、もちろんツェッペリンも聴いてる。
しかし
「ストロール・オン」のかっこよさときたら…
凄まじい迫力だった。
その昔に、こんな音を!
序盤に、グイーンと音を伸ばすとこ
これがフィードバックだったんだね。
ドライブかかるギターリフ
とんでもない迫力のギターソロ
その鋭さ、トリッキーさ、想像の先をいくギターフレーズ。
初めて聴いたときのインパクト。
FM聴いてて、震えたもん。
凄まじい衝撃だった。
なんで、「トレイン・ケプト・ア・ローリン」が
こんな凄まじい演奏になるのだ!
時代がきたのか!
ベックとペイジ、2人の化学反応から生まれたものか
これぞ、ハードロックの始まりか!
後に、エアロスミスがカバーしたのも
ヤードバーズの「トレイン・ケプト・ア・ローリン」でなく
「ストロール・オン」となったときのスタイルなんだろね。
エアロスミスの前半のゆったりアレンジからの後半の始まりのムードはまるっきり「ストロール・オン」だもんね。
そして
その日の放送
ついに「幻の10年」を放送してくれた。
性急なギターフレーズから始まり、後から入ってくるギターのトリッキーさ
どういう発想なんだろ?
後から知ったが
レコーディングには、最初ジェフが現れないので、ジェフ抜きでベーシックな部分を録り、後からジェフのギターを入れたらしい。
凄いよね、この尋常じゃないギターフレーズ。
クリビツテンギョウですわ。
そうそう
その後
ほぼ同じ時期に
トッド・ラングレンと
竹田和夫率いるクリエイションが
「幻の10年」をカバーしたのをアルバムに入れていたね。
トッドは、LPの片面に自分が影響受けたビートルズとかのカバー曲で占めた中に。
クリエイションは、オリジナルばっかのアルバムの最後に収録。
トッドは、まんまコピー。
クリエイションは少しだけ自分たち流にしてたかな。
同じ時期だったから
びっくりしたね。
そんなわけで、レコードでは手に入らず
FM放送を録音したカセットで、ずっと愛聴してました。
その後、パチパチノイズが最初からひどい編集盤のレコードを手に入れた。
ふと、探したが、レコード棚からみつからない。
ヤードバーズ以前の三人のギタープレイを入れた妙な編集盤とかも買ったなあ。
クラプトンとペイジの2人だけでプレイしてる練習曲みたいのとか入ってるレコードでした。
ジェフが入った正式な「ロジャー・ジ・エンジニア」は中古の輸入盤だったかな。
レコード入手は苦労したもんだ。
でも
いまは、YouTubeでも
サブスクでも、たやすく聴ける。
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ヤードバーズでは
後に再演した「シェイプ・オブ・シングス」や
ジェフが歌う「ナッズ・ア・ブルー」
BBAバージョンで聴き、ぶっ飛んだ「ジェフのブギー」とかも好きだが
やはり
「ストロール・オン」
「幻の10年」
この二曲が最高だね。
何度聴いても
アドレナリン出まくり。
トレイン・ケプト・ア・ローリン
https://youtu.be/UEgi2-qv6O0?si=a8nagm6iRMCRiVQv
ストロール・オン
https://youtu.be/adbGT8Rg9OE?si=IXTWxky-5mZ_WJLN
幻の10年
https://youtu.be/sQciFl1posw?si=zjjjA5spQVDOoBmd