グランド・ファンク・レイルロード「アメリカンバンド」1973年
【これぞ、新生GFRの魅力が爆発の一曲】
グランド・ファンク・レイルロード「アメリカンバンド」1973年
1973年 私は高一。
私的に、本格的にロックに目覚めました。
だいたい中2くらいから洋楽を聴き始め、二つ上の従兄弟にレコード貰ったり、クラスの友人とボウイやTレックスの来日の話題で盛り上がり、高校に入学の春の頃、イエス、ユーライア・ヒープ、ベック・ボガード&アピス、ハンブル・パイとかの来日の記事をミュージックライフ誌とかで、貪り読んだりした。
縁あって入った強豪格闘技系部活に入り、部活以外は疲れ過ぎて、音楽と本しか楽しむことがなくなり
どんどん、深みに入り込んでいくことに。
そんななか
FMで聴いた「アメリカンバンド」にしびれました。
カウベルから始まり、ドキドキする導入部、ワイルドなボーカル、キャッチーなギターフレーズ、分かりやすいリフレイン、短いが華麗なオーバーダブされたギターソロ、どうしても口ずさんでしまうリフレインからの見事なエンディング。
グランド・ファンク・レイルロードの魅力をコンパクトにまとめたが、パワフルでキャッチー。
シングル曲らしいシングル曲。
完璧なトッド・ラングレンのプロデュース。
トッドの自伝をだいぶ前に読んだが
マーク・ファーナーはギターとか機材には細かいとこは全く気にしないので驚いた、とか書いてあった
らしいよね。
ギターのチョイスも独特だし
エフェクターもワウワウくらいしか使ってない感じだもんね。
何年か前に
GFRとツェッペリンのステージを再現するというのがライブハウスであった。
マーク・ファーナーとジミー・ペイジ役は同じミュージシャンでした。
2人のギターを再現するのに
数え切れないエフェクターをボードに組んでいて、マークのとジミーのは、また別のエフェクターボードにしていた。
ジミー・ペイジのは、まだわかるが
マーク・ファーナーのギターの再現は、ディストーションとワウワウの二つくらいのエフェクターで良いのだと思った。
すごい違和感だった。
マーク・ファーナー本人に
あなたのギターを再現するのにと、数え切れないエフェクターのセットを見せたら
ひっくり返って笑うだろな。
話逸れました。
いかにもヒットシングルみたいな「アメリカンバンド」の他
キーボードとギターが見事に絡む曲や
リフのかっこいい曲
マークとドンのそれぞれの個性が生きる曲
アルバム全体で見事な出来。
「アメリカンバンド」とか、歌もだが、作曲もドン・ブリューワーの貢献が大きい。
各楽器が見事に絡み合うインスト部分とかは、いかにもトッドだなあ、と感じたり。
特に「Ain't Got Nobody」だったか
ギターソロが入ってくるときのエフェクトの入れ方のかっこよさは、トッドの好みでしょうね。
「アメリカンバンド」のギターソロの入れ方もトッド流だし
トッドの味付けが、見事に生きている。
GFRの魅力の味付けが、うまいうまい。
さすがのトッド・ラングレン!
やや豪放磊落さは薄れたが
それは洗練とは相反するから仕方ない。
それでも、力強さは薄れてない。
野球でいえば
剛球一直線で、バットをへし折る豪速球ピッチャーが
バッターの手元で微妙に動くストレートやスピードはそのままで鋭く落ちるボールや性格無比にコーナーつくコントロールまで備えたピッチャーになったみたいに。
サッカーでいえば
ダントツに速く強いドリブルやキーパーの手を弾く強烈なシュートを打つフォワードが
鮮やかにスパッと切り返しでディフェンスをいなしたり、パスのようにゴールの隅へ蹴り込むシュートを打つフォワードになったかのような。
例え
難しいな。
ずっとグランドファンクを聴いてた人には
感覚でわかるよね?
まあ、とにかく
見事な出来。
また、出来過ぎで
かつてのグランド・ファンクが好きな人には
この変わり方が気に入らん、て思うかも。
私より歳上で、そういう方、いたもんな。
私はトリオ時代に聴き始めたが
ちょっとリアルタイムより遅れていたし
この「アメリカンバンド」のヒットはリアルタイムで味わっているので
どっちも大好きな世代です。
今朝も楽しくウォーキングしてきました。