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3/20 【クレディ・スイス信用不安で市場大荒れ、米2月消費者物価指数他】

●UBS クレディ・スイスを買収へ


スイスのUBSグループは、同業であるクレディ・スイス・グループを買収することに同意した。シリコンバレー銀行の経営破綻に端を発した金融機関の信用不安に対し、スイス政府の仲介も行われ買収が成立した。

買収金額は約4300億円規模の株式交換で行われ、合意事項には政府保証と流動性供給が含まれる。クレディ・スイスの足元での時価総額に対し、買収額はこの半分未満となる。

スイス国立銀行はUBSに約1,000億フランの流動性支援を提供する一方、政府はUBSが買収する資産から生じ得る損失に対し90億フランの保証を与える。

同計画は週末に急きょ開催された協議で取りまとめられた。顧客流出や、米国の比較的小規模な金融機関の破綻後1週間のクレディ・スイスの株・債券急落に対処することを目指す。

●米2月CPI 8ヶ月連続鈍化


米労働省が3月14日に発表した2月のCPIは前年同月比の上昇率が6.0%(予想:6.0%、前回:6.0%)で、依然として高水準にあるものの、8カ月連続で鈍化した。

(米CPI総合推移、出所:みんかぶFX)

前回1月は6.4%の上昇で、6%を超えるのは1年5カ月連続。エネルギーと食品を除くコア指数は5.5%の上昇で、前月の5.6%から伸び幅は鈍化した。

エネルギー価格は低下傾向にあり、天然ガスと燃料油の大幅な価格低下が今回のCPIへ反映された。一方で電力コストは上昇した。

(WTI原油価格年初来推移、出所:Trading View)

総合CPIの約3分の1を占める住居費は前月比0.8%上昇。家賃と帰属家賃はいずれも前年同月比で8%以上の上昇率を記録した。ホテル宿泊費は前月比で昨年10月以来の大きな伸びとなった。

●中国2月小売売上高 昨年9月以来の増加


中国国家統計局が3月15日に発表した2023年1〜2月の主な経済統計によると、百貨店、スーパーの売り上げやインターネット販売を合計した小売売上高は前年同期を3.5%上回り2022年9月以来の増加に転じた。

(中国小売売上高推移、出所:みんかぶFX)

2023年1月21〜27日の旧正月休暇は4年ぶりに厳しい移動制限がない連休となった。帰省や旅行に伴ってサービス消費が伸びた。社会消費品小売総額の1割を占める飲食店収入が9.2%増えた。増加は2022年8月以来となる。

一方で耐久消費財はさえず、家電・音響映像機器は1.9%、自動車は9.4%それぞれ減少した。

●米2月小売売上高 2か月ぶりの減少


米商務省が3月15日に発表した2月小売売上高は前月比▲0.4%減の6978億7600万ドル(約93兆円)で、2カ月ぶりの減少に転じた。

(米小売売上高推移、出所:みんかぶFX)

金額の大きい自動車・同部品やガソリンスタンドが減ったほか、1月に大きく伸びた外食の減少も響き、市場予想の▲0.3%減を下回った。また家具や衣料品などの裁量消費も振るわなかった。

内訳詳細をみると、家具が▲2.5%減、外食が▲2.2%減とそれぞれ減少した。衣料品は▲0.8%減、ホームセンターは▲0.1%減った。百貨店は▲4.0%減と落ち込みが目立った。

自動車・同部品は▲1.8%、ガソリンスタンドは▲0.6%減。自動車・同部品を除いた売上高は▲0.1%減だった。一方、インターネット通販などの無店舗小売りは+1.6%、ヘルスケアは+0.9%、食品・飲料は+0.5%増えた。

●ECB金融政策決定会合


欧州中央銀行(ECB)は3月16日の理事会で、3会合連続となる0.5%の大幅利上げを決定した。

ラガルド氏は記者会見で「現在の市場の緊張を注意深く監視している」と述べた。ユーロ圏の銀行は「(金融危機の)2008年に比べて格段に強固だ」と指摘し、さらに必要に応じて流動性支援に乗り出す方針も示した。

主要政策金利は3.5%と08年10〜11月以来の高水準に引き上げる。先行きの利上げペースは、不確実性が高まっているとして「データ次第」と述べるにとどめた。次回5月会合ではインフレの長期化を視野に利上げ幅を見極める方針だ。

欧州のインフレ圧力は根強く、3月16日に公表された最新の経済・物価見通しで、ユーロ圏のインフレ率は23年を5.3%、24年を2.9%と想定。経済成長率は23年が1.0%、24年が1.6%を見込む。量的緩和策で膨らんだ保有資産の圧縮は6月にかけて月150億ユーロ(約2兆1000億円)規模で削減する方針だ。

2月のユーロ圏の消費者物価指数は前年同月比の伸び率が8.5%と高止まりした。価格変動の大きいエネルギーや食品などを除いたベースでは5.6%と過去最高を更新し、ドイツやフランスなど一部の国ではインフレ率が再び高まっている。

(ユーロ圏 消費者物価指数推移、出所:みんかぶFX)

ECBは物価が中期的に2%に戻るまで利上げを続けると繰り返し説明してきた。市場では利上げ幅を0.25%に減速するとの見方が広がっていたものの、前回2月会合で示唆していた0.5%の利上げを継続した。

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