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金融・経済・政治について。週1(日曜夜)投稿予定。 週に1度、当noteをご覧いただければグローバルの経済状況がわかる、そのようなコンセプトで執筆しています。

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最近の記事

4/17 【米3月CPI・小売売上高、植田日銀新総裁会見など】

※ここ数週間バタバタしており更新できておりませんでしたが、今週より更新を再開致します。 ●米3月消費者物価指数 9カ月連続鈍化 4月12日に米労働省が発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で5.0%の上昇(予想:5.2%、前回:6.0%)となり9カ月連続で伸びが鈍化した。 特に前回(6.0%)からは大幅に減速しているが、これはロシアのウクライナ侵攻直後、エネルギー価格が高騰していた時期と比較していることが主要因である。実際にガソリン価格の下落は大きく、その

    • 3/20 【クレディ・スイス信用不安で市場大荒れ、米2月消費者物価指数他】

      ●UBS クレディ・スイスを買収へ スイスのUBSグループは、同業であるクレディ・スイス・グループを買収することに同意した。シリコンバレー銀行の経営破綻に端を発した金融機関の信用不安に対し、スイス政府の仲介も行われ買収が成立した。 買収金額は約4300億円規模の株式交換で行われ、合意事項には政府保証と流動性供給が含まれる。クレディ・スイスの足元での時価総額に対し、買収額はこの半分未満となる。 スイス国立銀行はUBSに約1,000億フランの流動性支援を提供する一方、政府は

      • 3/13 【米2月雇用統計、シリコンバレー銀行経営破綻】

        ●米2月雇用統計 失業率は上昇 米労働省が3月10日に発表した2月雇用統計では、非農業者部門雇用者巣は31.1万人と前回(22.3万人)から伸長したものの、失業率は前回(3.4%)から上昇し3.6%となった。 雇用統計とは雇用情勢を示す統計で、景気状況を探るうえで最も重要な経済指標のひとつだ。原則毎月第1金曜日に米国労働省から発表され、政府から最初に発表される前月の指標で、米国の景気の実体を表す最新の数値として為替、株式、債券等のマーケットに影響を与えるため、市場関係者の

        • 3/6 【米ISM製造業景況指数4ヵ月連続50割れ、中国PMI久々の高水準へ】

          ●米2月ISM製造業景気指数 4カ月連続50割れ 米サプライマネジメント協会(ISM)が3月1日に発表した2月の米製造業景気指数は、前月から0.3ポイント上昇し47.7(予想:47.8、前回:47.4)であった。好況と不況の境目である50を4カ月連続で下回った。 2月は製造業の14分野で活動が縮小し、特に印刷や紙製品、木材製品などで縮小が目立った。中国の製造業活動が再開しても、米国に対するプラスの影響や兆候が見られないと指摘する声もある。 一方で、仕入価格の指数は51.

        • 4/17 【米3月CPI・小売売上高、植田日銀新総裁会見など】

        • 3/20 【クレディ・スイス信用不安で市場大荒れ、米2月消費者物価指数他】

        • 3/13 【米2月雇用統計、シリコンバレー銀行経営破綻】

        • 3/6 【米ISM製造業景況指数4ヵ月連続50割れ、中国PMI久々の高水準へ】

          2/26 【植田総裁候補所信聴取に臨む、米2月PMI・1月PCEデフレータ予想上振れ】

          ●植田日銀総裁候補 衆議院で所信聴取に臨む 2月24日の衆議院運営委員会にて、植田日銀総裁候補に対する所信聴取及び質疑が行われた。政府が植田氏を次期総裁候補と国会に提示してから、初めての公の場での発言となった。 植田氏は今後の政策については、今後の経済状況や物価情勢次第と繰り返し発言を行い、特に物価の基調的な動きを重視している姿勢を見せた。 また現在の金融政策については、現状の金融緩和維持が望ましいとしながらも物価の見通しが改善していく場合にはYCC(イールドカーブコン

          2/26 【植田総裁候補所信聴取に臨む、米2月PMI・1月PCEデフレータ予想上振れ】

          2/20 【米1月CPI予想上振れ、米1月小売売上高も力強い】

          ●米1月CPI 事前予想上振れ 2月14日に米労働省が発表した1月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比の上昇率が6.4%となり、7カ月連続で鈍化したものの市場予想を上回った。また前月比は0.5%の上昇となった。 変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比で0.4%、前年同月比では5.6%それぞれ上昇。インフレトレンドを見る上では、総合CPIよりコアCPIが重視される場合もある。 インフレの内訳を見ると、住居費は前月比の伸びの半分近くを占め、群を抜いて最大の寄

          2/20 【米1月CPI予想上振れ、米1月小売売上高も力強い】

          2/12 【植田和男氏次期日銀総裁へ】

          ●日銀次期総裁は植田和男氏へ 2/10(金)に複数の報道機関は日銀次期総裁に植田和男氏を起用すると報道した。政府は日銀の人事案について、2/14(火)に国会へ提出し国会の同意後に内閣が任命を行う。また副総裁候補には、氷見野良三前金融庁長官、内田真一日銀理事の起用が併せて報じられた。 日銀総裁は従来日銀もしくは財務省出身者で占められてきており、学者出身の総裁となれば史上初。ただし、世界的に見ればFRBのバーナンキ元議長やイェレン前議長、ECBのドラギ元総裁など学者出身の中銀

          2/12 【植田和男氏次期日銀総裁へ】

          1/29 【日銀 新共通担保オペ開始、米GDPは好調も個人消費は減速】

          ●日銀 5年物共通担保オペを初実施 日銀は1月23日、5年物の「共通担保資金供給オペ(通称:共通担保オペ)」を初めて実施した。初の5年物での実施ということもあり、市場からの注目が集まっていた。 共通担保オペとは、日銀が担保(国債や社債等)を差し入れた金融機関に資金を貸し付けるもので、1月の金融政策決定会合まではその期間が2週間といった短い期間であったが、会合にて、より長い期間で適用する運用へと変更された。 今回実施された1月23日の共通担保オペでは、貸し付ける金利を入札

          1/29 【日銀 新共通担保オペ開始、米GDPは好調も個人消費は減速】

          1/23 【日銀 大規模金融緩和維持決定、米生産者物価指数・小売売上高共に予想下振れ】

          ●日銀 大規模金融緩和の維持決定 日銀は1月17~18日に開いた金融政策決定会合にて、大規模な金融緩和の維持を決定した。長期金利の許容上限は0.50%を維持し、共有担保資金供給オペを拡充した。 また物価上昇見通しは、2022年度は3.0%(従来から引き上げ)、2023年度は1.6%(据え置き)、2024年度は1.8%(従来から引き上げ)とした。 黒田総裁は会見で、「長期金利の変動幅をさらに拡大する必要があるとは考えていない」と述べ、会合前には変動幅をさらに拡大するという

          1/23 【日銀 大規模金融緩和維持決定、米生産者物価指数・小売売上高共に予想下振れ】

          1/15 【米12月CPI伸び鈍化、日銀は追加修正に動くか】

          ●米2022年12月消費者物価指数(CPI) 伸び鈍化 1月12日、米商務省が発表した消費者物価指数は前年比で6.5%(予想:6.5%、前回7.1%)で、事前予想に一致し前回から伸び幅は鈍化した。 変動の激しい食品とエネルギーを除いた財の価格は前月比で0.3%の低下であり、中古車価格の値下がりが大きい。またガソリンは前月比で9.4%低下し総合CPIの低下に寄与している。 CPI総合の約3割を占める住居費は、前月比で0.8%の上昇で11月から伸びが加速しているが、住居費は

          1/15 【米12月CPI伸び鈍化、日銀は追加修正に動くか】

          12/25 【日銀 金融緩和方針を転換、米PCEデフレータは伸び幅縮小】

          ●日銀 金融緩和方針を転換 実質利上げを実施 日銀は12月19~20日にかけて行われた金融政策決定会合で、これまで10年間続けてきた金融緩和を修正する方針を決定し、長期金利の変動許容幅を従来の±0.25%から±0.50%へ拡大した。 イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)とは、2016年9月の日銀金融政策決定会合で日銀が新たに導入した政策枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策の1つ。 2016年1月から始めた短期金利のマイナス金利政策に加えて、10年物国

          12/25 【日銀 金融緩和方針を転換、米PCEデフレータは伸び幅縮小】

          12/18 【”Bad News is Good News”から”Bad News is Bad News”への転換】

          ●米11月消費者物価指数(CPI) 5カ月連続の伸び鈍化 米労働省が12月13日に発表した11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で7.1%(予想:7.3%、前回:7.7%)の増加で、ヘッドラインの伸びは5カ月連続で鈍化した。 また変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数も前年同月比で6.0%(予想:6.1%、前回:6.3%)増と事前予想及び前回を下回る結果となった。 品目別にみると、ガソリン価格は前年同月比で8.8%の上昇となり、昨年21年3月以降では初めて1

          12/18 【”Bad News is Good News”から”Bad News is Bad News”への転換】

          12/11 【米ISM非製造業指数は改善、米生産者物価指数予想ほど鈍化せず、来週はFOMC】

          ●米11月ISM非製造業景気指数 予想に反して3カ月ぶり改善 米サプライマネジメント協会(ISM)が12月5日に発表した11月非製造業景気指数は、56.5(予想:53.4、前回:54.4)となり前回比で悪化するとの事前予想に反し、3カ月ぶりに改善した。 ISM非製造業景気指数とは、米サプライマネジメント協会(Institute for Supply Management)が算出する非製造業の景況感を示す指数のひとつで、毎月第3営業日に発表される。毎月発表される米国の主要指

          12/11 【米ISM非製造業指数は改善、米生産者物価指数予想ほど鈍化せず、来週はFOMC】

          12/4 【米11月景況指数悪化、米11月雇用統計依然として強い、中国景気更なる悪化】

          ●パウエル議長 利上げ減速の可能性を示す 11月30日、FRBのパウエル議長は米ワシントンのシンクタンクであるブルッキングス研究所で講演を行った。 パウエル議長は当該講演において、「利上げ効果が完全に表れるのはこれからで、インフレ抑制に十分な引き締め水準に近づくにつれ利上げペースを緩やかにすることは理にかなっている」と発言し、「利上げの減速時期は早ければ12月の会合になるかもしれない」と示した。 一方で、インフレ抑制のためには、今後どの程度の利上げが必要か、また政策金利

          12/4 【米11月景況指数悪化、米11月雇用統計依然として強い、中国景気更なる悪化】

          11/27 【11月米FOMC議事要旨公開、ミシガン大学調査短期期待インフレ率はやや低下】

          ●11月FOMC議事要旨 米利上げは近く減速へ 11月23日、FRBが公開した11月1~2日に開催されたFOMCの議事要旨では、多数の参加者が近いうちの利上げ幅縮小を見込んでいることが明らかになった。FRBは11月まで4会合連続で0.75%と通常(0.25%)の3倍におよぶ利上げ幅で金融引締めを進めてきた。 金融機関の予想では、次回12月会合では0.50%、2023年の序盤2会合では0.25%の利上げを行い、その後は利上げを停止するという見方が大半を占めてきた。今回の利上

          11/27 【11月米FOMC議事要旨公開、ミシガン大学調査短期期待インフレ率はやや低下】

          11/20 【日本GDP4期ぶりマイナス成長、物価指標は低下傾向もFRB高官は牽制継続】

          ●日本 7~9月期GDP 4期ぶりマイナス成長 内閣府が11月15日に発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整値で前期比▲0.3%(予想:0.4%、前回:0.9%)、年率換算▲1.2%(予想:1.2%、前回3.5%)だった。 GDPとはGross Domestic Productの略で、国内総生産のことを指す。一定期間内に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況を示しているもの。付加価値とはサービスや商品などを販売したときの価値から、原材料や流

          11/20 【日本GDP4期ぶりマイナス成長、物価指標は低下傾向もFRB高官は牽制継続】