3/6 【米ISM製造業景況指数4ヵ月連続50割れ、中国PMI久々の高水準へ】
●米2月ISM製造業景気指数 4カ月連続50割れ
米サプライマネジメント協会(ISM)が3月1日に発表した2月の米製造業景気指数は、前月から0.3ポイント上昇し47.7(予想:47.8、前回:47.4)であった。好況と不況の境目である50を4カ月連続で下回った。
2月は製造業の14分野で活動が縮小し、特に印刷や紙製品、木材製品などで縮小が目立った。中国の製造業活動が再開しても、米国に対するプラスの影響や兆候が見られないと指摘する声もある。
一方で、仕入価格の指数は51.3となり、2カ月連続で上昇。2022年9月以降で初めて50を上回り、コスト上昇を示した。また雇用の指数は49.1に低下し、人員数の減少が示唆された。
●FRB高官発言 今後の利上げはデータ次第
3月2日、アトランタ連銀のボスティック総裁は記者団に対し、次回FOMCでの利上げ幅に関して0.25%の利上げがなお望ましいと述べた。
また「私の立場はデータ次第だ」と述べた上で、「経済が想定よりも強いことをデータが示唆し続けるようであれば、私は政策軌道を調整する」と話した。
金融政策の効果発揮までの時差を考慮すれば、これまでの利上げの影響が経済全体に表れるのは春以降になる可能性があるため、現在は比較的小幅な利上げが理にかなうと指摘。尚、同総裁は2023年FOMCでの投票権を持たない。
FRBのウォラー理事は3月2日、経済指標が引き続き予想以上に景気過熱を示す場合は、政策金利を現在の見通しよりもさらに引き上げることを支持する考えを示した。
ウォラー氏は雇用とインフレ率のデータが1月の過熱した数字から落ち着くなら、「フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジを5.1%から5.4%の間の予想されるターミナルレート(金利の最終到達点)にまでさらに数回引き上げることを支持するだろう」と述べた。
「一方で、それらのデータの過熱が続けば、1月分のデータ発表前にあった機運を失わないよう、今年は政策目標レンジをさらに引き上げる必要があろう」との認識を示した。
●中国製造業PMI 2月は10年ぶりの高水準
中国の製造業活動を測る2月のPMIはここ10年余りで最も高い水準に上昇した。1月の旧正月後に工場の稼働が再開し、景気回復の勢いが増している。
中国国家統計局が3月1日に発表した2月の製造業PMIは52.6(予想:50.9、前回:50.1)で、2012年4月以来の高水準を記録。また建設業とサービス業を対象とする非製造業PMIは56.3(予想:54.8、前回:54.4)に上昇。
国家統計局の趙慶河氏は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が薄れ活動の加速と生産再開が進み、中国経済の回復が2月も続いたと指摘する。成長を安定化させる取り組みも効果を発揮し始めているとの見方を示した。
項目別指数の主な動きは以下の通り。
・製造業生産指数は49.8から56.7に改善
・新規受注指数は54.1と、17年9月以来の高水準
・新規輸出受注指数は52.4と、11年3月以来の高水準
・サプライヤーの納期指数は52と、昨年7月以来の拡大を示し、07年12月以来の高水準
・製造業雇用指数は50.2に上昇し、2年ぶりの拡大領域
・非製造業雇用指数は18年8月以来の高水準