中村哲医師の[私はセロ弾きのゴーシュ」を読んで
中村哲先生をご存知の方も多いのではないでしょうか。彼は医師としながらアフガニスタンやパキスタンに赴任して現地の医療に努めた人物です。教科書に載るような功績を収めていながら、権力を求めないがあまり名を全世界に轟かせることを望まなかった。私がこの本を読んで心に刻まれたことを書きたいと思う。彼は、この本の中で食料の不足について特に多く言及していた。日照りが続く中、生計を立てることが難しくなって難民として付近のイラクなどに流入しているという。現地の主張と海外の客感的な感情というものは異なる。私たちは支援と聞くと日持ちが悪い食料支援よりも教育支援を思い浮かべることが思いと感じる。ここでいう支援が悪いものであるとは思わないが、金銭的援助にしても、現地の産業の空洞化を誘発する可能性を含んでいることも憂慮すべきであると感じた。本当に必要なものは盗まれると、中村哲先生は述べている。自然の流れに身を委ねて生きることを、現代を生きる日本人は忘れてしまっていることを婉曲的に述べたのがこの本であるという風にも感じた。とても物の考え方を変える本であったのでオススメしたい。
参考文献
私はセロ弾きのゴーシュ
中村哲が本当に伝えたかったこと
中村哲著
NHK出版