キャリアに悩んだときは
人生にキャリアのレールは存在しない。それに気づいた瞬間から、無数の選択肢が目の前に現れるようになる。
医者は、大学6年間という長い時間を経て、共通のテストや課題をこなしながら、自然と同じ方向に進むものだと思い込んでしまうことが多い。恥ずかしながら、自分はそうだったのだ。
周りの仲間も同じ目標を掲げ、同じような道筋を歩んでいるように見えるため、あたかも決まった道があるかのように錯覚してしまう。
しかし、本当に大切なのは、どの診療科を選び、どの医局に入るかという単なる選択ではなく、自分自身の人生を見据え、その中で何を実現したいのかを考えることである。
さらに、医者という職業一つとっても、そのキャリアのあり方は多様だ。診療科や勤務形態しかり、研究者になる人、開業する人、企業する人、と選択肢は無数に広がっている。
だからこそ、自分がどのように働き、どのような生活を送りたいのかを深く考え、そのための手段として医者という職業をどう活用するかを模索すべきである。
医師免許を持っているのは大きなヘッジになる。
そのためには、同じ医療の道を歩む人だけでなく、異なる分野や多様な働き方をしている人たちと接点を持ち、彼らの経験や価値観を学ぶことが重要だ。
XなどSNSが発達している今、多様な生き方が可視化できるようになったことはチャンスである。
多くの情報を得ることで、キャリアに対する新しい視点が生まれ、可能性が見えてくるはずだ。
自分の未来は、自分で切り開くものだという覚悟があれば、どんな選択肢も自分の可能性を広げるものになる。