6妊娠出産
人生で一度しか経験してないし、この先もう一回経験する予定もないので、人生の貴重な経験として、印象に残ったことを書いてみます。
※私個人の経験です。妊婦さん一人一人で感じ方や経験全部違うと思うので。
幸いつわりは軽い方で、脂っこいものがダメだったり少し食欲が落ちたくらい。
ただ、辛いものや酸っぱいものがめっちゃ食べたくなった。トムヤムクンとかレモン風味のジュースとか。妊婦って感じやなーとか思いながら、気楽に過ごせていた。
つわりがおさまった後も比較的順調だったと思う。ありがたい。
でも、お寿司をずっと食べたかった。検診を受ける病院の近くに寿司屋があって、その前を通るたびに生まれたら絶対に寿司を食べると思っていた。コーヒーもカフェインレスじゃない、美味しいのをゆっくり飲みたいと切に願っていた。カマンベールチーズや生ハム、お刺身、食べたかったものの記憶はめっちゃ残っている。
とにかく、食べたい時になんの心配もなく、自分が食べたいものを思いっきり食べたかった。
自分のためじゃなく他人(自分のこどもだけど)のために、何かを我慢したり制限したのは妊娠中が初めてだったと思う。あったかもしれないけど、他人の命に関わるというプレッシャーはすごく感じた。これ食べても、赤ちゃん大丈夫?後で後悔したくないとずっと思っていた。
思えばここから、「どれだけ他人のために自分が我慢できるか」という人の親になる修行が始まっていたのかも。
お腹が大きくなるにつれ、少し動くだけで息切れして、お腹の張りが気になり出した。
胎動も力強すぎて痛いし、こどもの胎動で自分のお腹が変形したり動いているのを見ると、自分の体じゃなくなってる様な気がした。
毎日の通勤も本当に苦痛。お腹が張って歩けず、会社からの帰りは家の最寄駅のベンチで座り込むこともあった。
産休に入る1ヶ月前ぐらいからは、会社と会社の最寄り駅の間をタクシーに乗ることもしばしば。
普段なら徒歩10分の距離が歩けない。歩けても、その後にお腹が張る。妊婦健診でも張り止めの薬をもらっていたが、なかなか効果は感じられなかったら。
今考えれば、無理せず休めば良かった。でも、その時は仕事も大事で、休まず働く事も責任!と思っていたからタクシー通勤という、折衷案でやり過ごした。
それでも無事に産休まで仕事を続けられて、明日から産休という日の帰り際、同じ会社の後輩が
「もうすぐ(出産)ですね!楽しみですね!」と満面の笑顔で言ってくれた。咄嗟に、上手い返しが思いつかなくて私は曖昧な返事をしたけど、
楽しみですね!の一言に、あぁそうやんなと気づいた。
それまでは、こどもが無事に生まれるまで私がちゃんとしないと。という、謎の責任感とお腹の張りを始めとした体調不良による心配が気持ちの大部分を占めていたし、産むの痛いんやろなぁ大丈夫かなぁという不安も大きかったので、だんだんネガティブな気持ちが先行するようになっていた。
その時の後輩からの一言で、こどもを産むってことはすごく幸せで嬉しいことやと思い出せた。
出産自体はトータルでは安産だっだと思う。ありがたい。
でも、陣痛中は自分の本性がでるもので、いきんだり、体勢を変えたりが上手くできなくて(痛みもあって、若干パニックに陥っており、上手くできてないと思い込んでいた)、「全然上手く出来ない、もう頑張れない、こどもに申し訳ない」みたいなことを途中何回も言ってた。私の出産に付き添ってくれた、実習中の看護学生さんがすごく優しく励ましてくれて、その優しさに泣いてしまった笑
そのおかげもあって、最終的にはなんとか最後まで頑張れた。こどもも頑張ってくれた模様。
無事に生まれてこどもと対面した時は、嬉しさよりも安堵の気持ちが大きかった。
あと、こんなんがお腹にはいってたん⁉︎ちょっと不謹慎だけど、エイリアンを連想してしまった。
こどもが足を激しくバタつかせるのを見て、胎動痛かったのも納得した。
でもこれも、病院の方、夫等周りの方がサポートしてくれて私もこどもも無事だったから思えたことですね。本当に感謝。
安心とちょっとの戸惑い、それからやっぱり、自分のこどもに会えた嬉しさが混ざった気持ち。
不安もあったけど、やっぱり会いたかったんやなとこどもの顔をみて実感した。
生まれたばかりのこどもは、顔つきは私の面影がちゃんとあるんだけど、当然ことばも通じないし、意味不明に泣くので、宇宙人やなこれは。としばらくは思っていた。(宇宙人のように感じた、こどももだんだんと人間になりました。その過程はまた別に書いていきたいです。)
出産当日は、夜一人で病室で過ごしたが、興奮で全く眠れなかった。出産で、アドレナリンでてたんかな。病室は真っ暗なのに、目の前がチカチカしてた。
ほんま、寝ておけばよかった。それだけは悔やんでいる。一人で眠れるチャンスなんか、当分こないことをその時はまだ知らない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?