第60回『ホストのキャッチが許された時代、使っていた無双会話術』
うぃす! 大阪男塾の塾長です。
今は路上で声を掛けるキャッチは禁止っすけど、僕がホストとして働き始めたときはキャッチOKな時代でした。
自分で言うのもなんですが、僕はキャッチが上手い方だったと思います。
今回は当時を振り返り、僕がどんな会話でお客さんの心を掴んでいたかを伝えるっすね。
初対面でいきなり声をかけられると、やっぱ構えるものんすから、明るく軽くは基本す。
もちろん、いきなり声を掛けて「ホストクラブって面白そう。行きたい!」とは、すぐなりません。ある程度、会話のラリーがあってから「ほんなら行ってみよっかな」って、興味を持ってくれる感じなんすよ。
会話はテンポが命。これはキャッチでの声掛けでも一緒でした。
お笑い界のレジェンドの萩本欽一さんは「黙っちゃダメ。絶対、何か返さなきゃいけない」という名言を残してはりますが、ほんまにその通りですね。
ポンポン言葉が出るようになるには、普段から会話のシミュレーションをする必要がありますし、頭を高速回転させなければなりません。
不自然な間ができると、それだけで相手は「怪しい…」と不信感を抱くものっすからね。
立ち止まって話を聞いてくれる女性がいたら、小ボケなどを挟みながら警戒心を解いてもらいます。
僕がよく使っていた言葉は
「ええやん」
「おもろいな」
「そのとおり」
「まちがいない」
「ごめん」
の5つ。
特に「ええやん」と「おもろいな」は多様してたっすね。
「ごめん」以外は、相手を肯定する言葉ばかり。とにかく相手を乗せて「この人としゃべってたら面白い」と思ってもらうことに集中してました。
ネガティブな反応が返ってきても、こっちがポジティブに返し続けてたら上手くいこともが結構あります。
「ホストクラブ、どうっすか?」
「ええわ。私、ホストって嫌いやねん」
「へえ~、自分の意見しっかり持っててめっちゃええやん。なんで嫌いなんすか?」
「ホストってチャラいやん」
「まちがいない。ホストはチャラい。俺もホスト大っ嫌い嫌い」
「え? でも、自分ホストなんやろ?」
「俺、ホストが嫌いなホストやねん。せやからお姉さんの気持ちめっちゃわかる!」
「何それ⁉ 調子ええなあ」
このあたりで声を掛けた相手が笑って、打ち解けていることが多いっすね。
相手の意見と100%同じ気持ちになる必要はないっすけど、「そういう意見を持ってる」とか「今そういう気持ちなんや」というのは、しっかり理解せんとあかんすね。そこを否定すると成り立ちません。
キャッチは短期決戦。
「いきなり声をかけられて警戒してたけど、気がついたら笑って楽しい気持ちになってた」というのが理想っすかね。
笑うと緩んで心理的な距離が縮むのは、誰でも同じなんで、やっぱり笑いって大事っす。
あと、しつこくしないというのも大事。
キャッチは相手の時間を奪う行為なんで、嫌がってるのにしつこく声を掛け続けるホストは害悪やと思ってます。
脈がないなと思ったら「ごめんなさい」「失礼しました」言うて、すぐ去るくらいさらっとしてた方がいいっすね。
キャッチやないですけど、たまにナンパを断られて逆ギレして女性を罵るヤカラがいますが、ああいうのはクソダサいので、一刻も早くやめた方がいいっす。
理想は声かけられた人が気分良くなること。
気分を害してしまうと、その人の1日を嫌な1日にしてしまうことになるっす。
だから「かわいい」と褒めるのは鉄板っす。
「かわいい」って言われて嫌な気する人はいないっすもんね。
路上でのキャッチはかなり経験しましたが、失敗も含めてめっちゃええ経験になりましたね。
ちなみにホストクラブは、初回のお客さんにたくさんのホストが顔見せしながら、ちょっとしゃべるシステム。そこでお客さんが「この人を指名したい」ってなったら、担当になるんすよね。
この初回のお客さんとの会話も、キャッチと同じく短期決戦。
限られた時間で自分をアピールして、どうやって心を掴むかはキャッチも初回もまったく同じっすね。
最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?