名作劇場「童話の世界から:海外編」vol.10『人魚姫』(アンデルセン童話)
アンデルセンによる1837年のデンマークのおとぎ話。
【あらすじ(ダ・ヴィンチより)】
海の底に人魚たちが暮らしていた。人魚姫は、妻に先立たれた人魚の王の
娘であり、5人の姉がいる。姉たちは1歳ずつ年齢が異なり、15歳になると海の上へと昇ることが許されるのであった。やがて人魚姫も15歳になり、海の上へ昇る日がやってきた。
海の上には一隻の船があり、そこに人間の王子がいた。
人魚姫は王子に一目惚れするが、夜になって嵐となり、船は難破してしまい、王子は海の外に放り出されてしまった。人魚姫は意識のない王子を助け、岸辺に寝かせると少し離れて様子を見ていた。そこへ修道女がやってきて、王子を連れて行ったので、人魚姫は海の底に戻った。
人魚姫は海の魔法使いの力を借りるために魔法使いの家を訪れ、自分の美しい声と引き換えに人間の足を得られる薬を受け取る。薬を飲んだ人魚姫は人間の姿になるが、声は出せず、歩くと痛みが走りました。
さらに、王子の愛を得られなければ、泡となって消えてしまうよ、と警告を受けた。
人魚姫は、人間の姿で倒れているところを王子に保護され、やがて一緒に宮殿で暮らせるようになった王子にお見合いの話が舞い込む。人魚姫に好意を抱いていた王子であるが、お見合いの相手は人魚姫にそっくりな女性であったので、王子はあのとき助けてくれた人と勘違いして婚姻を受け入れてしまった。
海の魔法使いから手に入れた、人魚に姿を戻すためのナイフを手渡す。
これで王子を刺し、返り血を浴びることで人魚の姿に戻れるという。
しかし人魚姫は王子を刺すことができず、ナイフを海に投げ捨て、海に身を投げる。
人魚姫は泡となり、そのまま消えてしまうかと思われたが、死なずに、
風の精になることができたのである。
【童話「人魚姫」が教える教訓】
「一途に人を愛すること」や「無償の愛」ではないでしょうか。人魚姫は
王子様と結ばれることはありませんでしたが、王子様を恨んだり、傷
つけたりすることはしませんでした。その代わりに、風の精となって、
"自分が消えたことを悲しむ王子様に微笑みお姫様の額にキスをすると
いわゆるハッピーエンドからはかけ離れていますが、好きな相手の幸せを何よりも願い、自分への見返りを求めない、無償の愛情を注ぐ姿勢の美しさが本作からは受け取れるはず。いう描写があります。いわゆるハッピーエンドからはかけ離れていますが、好きな相手の幸せを何よりも願い、自分への見返りを求めない、無償の愛情を注ぐ姿勢の美しさが本作からは受け取れるはずです。
【その他】
「人魚姫」に映し出される心の傷と幻想への逃避
・消えゆく泡のように:愛に悩む女性たちの葛藤
・自己喪失の感覚と心の揺らぎ:深層に潜むトラウマの影響
・溶けゆく自我と身体の狭間で:人魚姫に見る心の葛藤
「人魚姫」に見る自己喪失と再生の物語:トラウマを抱えた心
結局のところ、『人魚姫』は自己犠牲の物語であると同時に、再生と希望
の物語でもあります。
最終的には自分自身を取り戻すという救いが待っているはず。
適切なサポートや援助を受け、自分自身の中の力を再発見し、新しい
目標や夢に向かって努力することで、新しい人生を歩むことができます。