日本語は難しい?使い方間違っていませんか?Vol.5「失笑(しっしょう)」
「失笑」の正しい意味は「思わず吹き出して笑う」「笑ってはいけないものの、おかしさにこらえ切れずうっかり笑ってしまった」というもの。
主に笑ってはいけない場面で、笑ってしまった際に用いられます。
元々「失笑」の「失」は「あやまって」や「うっかり」「しくじり」という意味であり、「失言」などと同じ用い方です。
【正しい使い方・例文】
1.「真剣な話をしている最中に、急に転ばれたから失笑が漏れてしまった」
2.「社長に対してタメ口を使い、失笑を買ってしまった」
3.「普段真面目な友人が慌てふためく姿に、失笑を禁じ得ない」
【間違われやすい言葉】
「苦笑」「苦笑い」
「不安や戸惑いがあるものの、仕方なく笑う」「笑える心境ではないものの、それを隠して笑う」などといった意味があります。
「冷笑」
「冷笑」は「嘲笑い」や「さげすみ笑い」という意味を含み、「相手を見下したように笑う」表現です。
「失笑」の本来の意味について理解できたでしょうか?「失笑」に対して、
ネガティブなイメージを持っていた人も多いかもしれません。しかし、本来の意味は、我慢しきれずについ笑ってしまうことでした。
「失笑」は、多くの人が意味を間違えて使っているので、正しく使えるようにしたいところです。
実際、文化庁が実施した「失笑するについて尋ねた国語に関する世論調査」によると、失笑の意味を本来の「こらえ切れず吹き出して笑う」と回答した人が27.7%だったのに対し、誤った意味の「笑いも出ないくらいあきれる」
と回答した人の割合は60.4%となっています。
「失笑を買う」には「愚かな言動のために笑われる」という意味があります。
「呆れて笑われている様子」とも解釈できるため、「失笑」を「小馬鹿にして笑う」の意味に誤解している人が多いのかもしれません。
確かに自分自身も「失笑」の意味を取り違えていたかも知れません。
特に注意を受けたこともありませんが、正直曖昧だったことは確かです。
どうしても字の意味での解釈が何となくイメージであったりしますので、正しい解釈を身に付けておきたいものです。
それにしても色んな笑いの表現がありますね、だからお笑いが流行るのか?
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