モバイル通信は下優先でできている
昨今、ドコモの回線が首都圏で繋がりにくくなるケースが増えました。
モバイル通信は下り(ダウンロード)を重視した設計が一般的です。
これは、既存のユーザーの通信パターンに基づいてネットワークが最適化されているためです。
かつてのモバイル通信は、主にテキスト送信や軽量なデータのやり取りが中心で、「上り回線?それって美味しいの?」と軽視されていました。
しかし、コロナ禍によるライフスタイルの変化で、動画配信やオンライン会議などの需要が急増。「上り?それなら太くしておけばよかった...!」と後悔しても後の祭りです。
さらに、下り回線も問題山積で、モバイル回線は複数のコネクションを束ねている仕組みのため、「動画独占野郎」が出現すると巻き添えを食らいます。
高速道路のど真ん中でのろのろ走る車にイライラするのと同じ感覚とも言えます。
1. 下り優先の理由
ユーザーの通信需要
動画ストリーミング、ウェブ閲覧、SNSの画像・動画表示など、多くの通信が下りに依存しています。これにより、下り通信の需要が圧倒的に高いです。トラフィックの不均衡
通常、ユーザーが消費するデータ量は下りが多く、上りは比較的少ないです。例えば、動画視聴は下りトラフィックを大量に使用しますが、ユーザーがアップロードするのはコメントや短い動画程度です。
2. 上りが太くない理由
リソースの最適化
モバイルネットワークの帯域幅は有限であり、上りと下りの割り当てを効率的に行う必要があります。需要が高い下りに多くのリソースを割り当て、上りは必要最低限の容量を確保する設計です。技術的な制約
モバイル通信(4Gや5G)では、下りの通信に利用される帯域の幅を広く確保しやすい技術が採用されています。一方、上りは基地局との通信効率の関係で、同じように広げるのが難しいことがあります。
3. 上り通信の強化が必要なケース
ライブ配信やビデオ会議
ZoomやYouTubeライブなどのサービスでは、上りの速度が重要です。これらの場合、上りトラフィックの確保が課題になります。クラウドサービスの利用
写真や動画のバックアップなど、上りの需要が高まるシーンも増えています。