科学的根拠に基づく最高の勉強法 - 簡易書籍レビュー
書籍タイトル:科学的根拠に基づく最高の勉強法
著者:安川 康介
ジャンル:ビジネス実用本
出版年:2024/2/15 KADOKAWA
要約:
タイトルの通り、科学的根拠に基づく勉強法が記載されている書籍。
勉強に基づく記憶の考え方や、研究内容がまとまっている。
逆に、効果の高くない方法も載っており、総合的にかなり良い本。
良かった点:
著者が米国内科医であり、研究を元にしたエビデンスベースの内容になっている。
良い方法だけではなく、効果の無い方法も記述されている。
良く無い点:
著者の勉強馬力がかなりある。
エビデンス本なので、他の書籍と重複する箇所が多々ある。
おすすめ読者:
勉強法を探しているすべての人。
総評:
端的な評価として言えるのは「とてもためになる本」。
効果の高くない内容として取り上げらている、以下は勉強できない人がやりがちな事柄のオンパレードで、ここだけでも参考になる。
「再読」
「ノートに書き写す/まとめる」
「ハイライトや下線」
「好みの学習スタイルに合わせる」
効果の高い内容として取り上げらている以下は、表題だけ見るとわからないが、解説を読むと勉強が得意な人がやっている内容である。
「アクティブリコール(想起)」
「分散学習」
「精緻的質問と自己説明」
「インターリービング」
後半は、心技体の整えと、睡眠についても後述されている。
自分との付き合い方や、自己効力感の高め方など、現代人に足りていない心の部分も解説されている。
スキル習得には心理的影響が強く現れるが、アカデミックセルフコンセプト(自分自身の学業に対する認識)が卒業後の学習志向に影響しているのは面白い発見だった。
引用フレーズ:
「あなたならできると思います。」
あくまで個人的な感想:
勉強法本のリーダブルコード的な書籍で、この手の書籍の中で一番端的にまとまっており、事始めとして最初に読むのに適していると感じます。
発売時期が2024年のため、当然他の書籍と重複する部分はありますが、勉強法を探している人はこの本から入るのがお勧めです。
勉強法の結論は、連続的再学習や分散された想起練習を繰り返す事だなと痛感させられました。
それと同時に、コーネル式ノート術やファインマンテクニック、睡眠の重要性など、長期的に効果のある方法論も記載されています。
また、「内発的目標の重要性」と自己実現の方法や考え方が段階的に書いてあるのも非常に良かったです。
個人的な感覚ですが、「心」に影響する行動や考え方は、現代人に致命的に足りていない部分なので、勉強法よりも前に率先して取り組んだ方が良いと思います。