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読書記録「EQ 心の知能指数」ダニエル・ゴールマン著

発売からロングセラーとなった本。
心のついて分析と対処法について書かれています。メモをサクッとメモを紹介します。

■怒りが激昂にかわるまで

【出来事】
 母子が外出先での出来事。母はいうことを聴かない兄に怒りを感じだしているところに弟(赤子)が泣き出した。母の怒りが激昴に変わり、弟に手平打ちを食らわせ、兄を横抱き抱えて立ち去った。
【解説 母に何が起きたか】
 この母のように、すでにイライラした状態になっているところへ何かのきっかけが加わって情動のハイジャックがおこると、後から起こった情動は怒りであれ不安であれ一層強烈にあらわれる。拡大していく「一つの刺激に挑発された反応が消散しないうちに次の刺激が加わることの繰り返し」によっておこる。
このような連鎖においては、怒りを挑発する一つひとつの思考や知覚がそのたびに扁桃核に働きかけてカテコールアミンを放出させ、ホルモンの作用に次々と弾みが加わっていく。最初の刺激による反応が消えないうちに次々と反応が加わって、生理的な興奮が急激に増幅される。
弾みがついた後で加わる刺激は最初の刺激よりずっと強い怒りを喚起する。情動の脳波過熱状態になり、憤怒は理性のかなうところではなくなり少しのきっかけで暴力的に噴出する。
こうした極度の状態になると人間は物事を正しく認識できなくなって最も原始的な反応に頼り、その結果、自分は強力で不死身であるとの幻想を抱いて攻撃の暴挙に出やすくなる。

本書より

起こった出来事だけに焦点を当てると、子どもの母親は困った人だと感じてしまいます。
しかし、この激昂が一つの刺激に挑発された反応が消散しないうちに次の刺激が加わることの繰り返しによっておこる反応ということが分かるとそれまで蓄積されてきた内容は何であれ、限界地を超えると、平静時にはしないような大胆な行動と、さも不死身であるかのような気持ちになる、というのはわかる気がしました。

また、上記にも出てきた「情動」については以下のように説明しています。

 強烈な情動の記憶は生後二、三年までの幼少時における養育者との関係から生じる場合が多いという事実だ。虐待や遺棄などによって心が深く傷ついた場合は、とくにこの傾向が強い。
 成長した後でその内容をさかのぼって理解することは難しい。情動の記憶は言葉にならない大雑把な情動性向の設計図として扁桃核に貯蔵されているからだ。幼少時の情動の記憶は本人が経験を表現する言葉を持たない時期に形成されるため、成長した後でその記憶がよみがえったとき、自分自身がとった反応を整理して考えることができないのだ。

情動について(本書より)


強烈な情動の根底を理解することが難しいとすれば、
幼少期に傷つけられる経験をしたものは救われないのかと思ってしまいますが、著者は気質は経験によってある程度変えられると言います。

今さら何もできないからと諦めるのではなく、少しでも情動を抑える経験や訓練をしていけばいいのでしょうかね…。

偏桃体の話など出ているあたりが、瞑想やマインドフルネスに繋がってきそうです。
私はそのタイプの本の入門として
「脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]――[脳科学×瞑想]聞くだけマインドフルネス入門」を読みました。


怒りやある一つの考えに捕らわれそうになった時、どうしたらいいか、どうやって気付くかをこの本で知りました。
相性があると思いますが私は「モンキーマインド解消法」が一番効きました。
まずは自分の心の状態に気付くところからはじめると落ち着きました。
まだまだまだまだですけれど(汗


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