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ディスバース監理とEVMの比較
前回と前々回2回に分けてディバースとEVMについて書きました。ディスバース中でもディスバース監理は一般的には世界銀行、ADB、JICAのような援助機関(開発銀行)がディバース状況をモニタリングしています。今回、ディスバース監理とEVMを比較します。結論から言えば、この2つは、全く同じとは言えないものの、類似したものだと言えます。この2つを比較した先行研究を探したもののほとんど見当たりません。そこで整理しつつ考察していきます。
・コストからのプロジェクト進捗管理
ディスバースは、貸付実行が出来高に連動して貸付が行われます。したがってプロジェクトの進捗を貸し付けた金額からプロジェクトの進捗を把握することがディバース監理です。EVMは計画値と総コスト、出来高でプロジェクトの管理をします。プロジェクトは、貸し付けたお金と借入人の自己資金で組成されています。自己資金の割合が低くなるほど総コストと貸付額が近づくことになります。しかし厳密には実際のマイルストーン達成から書類作成やエンジニアによる検査や実施機関の承認まで時間を要してタイムラグが発生することが考えられます。また、コントラクターが時にはディバースのための書類を上げない場合も考えられます。しかし、一般的なプロジェクト型融資であればディバースと進捗がかなり近いものになると考えることできます。
・プロジェクトにおける役割
プロジェクトにおける役割ではディバース監理する者とEVMを使ってプロジェクトマネジメントを行う者では決定的に違います。ディスバース監理は資金を融資する開発銀行が行うのでプロジェクトスポンサーであるのに対して、EMVはプロジェクトマネジャーなどプロジェクト関係者が行います。銀行はプロジェクトに対して融資するので直接プロジェクトには参加していません。いわば、プロジェクトの外か内の位置する違いがあります。
・案件への関心度合い
貸付機関である開発銀行は、援助機関であることから当初の計画通りに工期を完工することで調査段階で想定された開発効果が発現されることを期待しています。したがって、計画に沿ってプロジェクトを進めることが重要になります。常にディスバースの状況をモニタリングしています。関与の仕方は、違うけれどもプロジェクトへの関心は実施機関と変わらないです。ディバース監理は私が前職で実務を通してやってきたことですが、振り返るとEVMとの近似性があると考えます。