性玩具を天井からつるしてみた
私には夢がある。
いつか、食べていけるだけのお金に加えて、少し広いところに住めるとしたら____。
私は美術館が大好きだ。一つの美術館に、一日中いることができる。だから私は、将来美術館に住みたい。
ここで皆さんが思っていることと言えば、「ここまでの文章とタイトルの関連性が全くないな。」ということだろうか。そう思ったのなら、それはあなたの落ち度だ。今すぐ書店で広辞苑でも立ち読みしてきた方がいい。現代の若者の読解力が昔と比べて下がってきているという話を聞いたことがあるが、そこまで驚くべきことでも、悲しむべきことでもない。
現代ほど娯楽にバリエーションがなかった昔は、書物は人々にとって至上の娯楽だったに違いない。書店に通い詰めては新しい書物に手を出し、活字を追い、想像力と共にたくさんのことを学んできた。しかし今はテレビ、家庭用ゲームの時代を超え、スマートフォンという箱の中で1日を終えることができてしまう。
人々が書物を読まなくなっていることは避けられないし、それに伴って読解力も低下するだろう。新しい娯楽を開発してお金を得てきた大人が偉そうに、「現代のぉ、若者の読解力の低さはぁ~」とかほざくなという話だ。(もちろんあらゆる大人たちの努力のおかげで私たちが豊かな暮らしをしていることは感謝している。しかし読解力の低下を現代の若者の”質”が悪いからだ、と言うような真似はしないでほしい)
つまり私は、美術館に住みたいのである。自分の家をアートしたいのである。だから私は、性玩具を天井からつるしてみた。性とアートは容易に結び付けられがちだが、本当にちょっと性をオマージュするだけでアートになってしまうからやめられない。セックス依存症である。
そして性玩具を天井からつるした結果、何が起こったか?皆さんには想像できないかもしれないが、私はその存在を”忘れてしまった”のである。天井って普段あまり見ないんだね。
そしていつか重みによって画びょうが外れ、天井からバイブが落下してくるのである。私はぶら下がっているバイブのことなんてすっかり忘れていたから、一瞬どうして天井からバイブが降ってくるという現象が起こるのか考えるはずだ。
その瞬間こそが、本物のアートだ。
CB