恐らくは、「究極の心理的安全性」を求めて【株式会社ゆめみ新卒入社エントリ】

はじめに

就職するのってイヤじゃないですか?ぼくはイヤです。

なぜ就職するのってイヤなんでしょうか?1つには「長時間拘束される」という要素もありますが、大きな要素として「心理的安全性」に由来するものがあります。心理的安全性を脅かされるものは社会にはあります。悲しいね。

ぼくは「理不尽さ」が大嫌いです。理不尽さの混じった環境は心理的安全性が低く、働くことができなくなってしまいます。働きづらいとかじゃなくて、本当に働けなくなるんですよ。経験上。我慢なんてしてられるかと。
そして、就職して働く上で、理不尽な環境に遭遇してしまうことはあると考えています。イメージ感かもしれませんが、このイメージ感により、就職するのがイヤになっていることは間違いありません。

ぼくは2022年4月に株式会社ゆめみに新卒入社しました。
入社から3ヶ月経過し、改めてゆめみに入った理由および目標を考えましたが、ゆめみは「心理的安全性を大切にする企業」と感じており、「心理的安全性を求めて」入社し、「外部の組織にも心理的安全性のある環境を実現し、その点でゆめみに所属する意味をなくすこと」が1つの目標なのでは?と考えました。
(もともとそういった軸で就活してたわけではないですが、今はゆめみにいる重要な意味になっていると感じています)

この点について、入社エントリという形で書いてみます。

なお、この記事は個人の見解であることにご注意ください。別に会社に言われて書いてるわけじゃないですからね。ぼく自身の思想ってやつです。

「心理的安全性」で見るゆめみ

心理的安全性を損なうもの、「不安」と「理不尽」

「心理的安全性」について議論をする際に、どういった状況が心理的安全性が高く、逆に低いのかを定義する必要があります。

「安全性」に対する対義語ですから、「不安」があれば心理的安全性は低いと言えるでしょう。

就職した上で発生する不安として、具体的には「自分の実力が正当に給与に反映されるのか?」「うまく人間関係が作れるのか?」「将来的にも不安なく働けるか?」「休みたい時は休めるのか?」のような不安が発生します。
これらはすべてぼくが感じた不安です。

それに加えて、「理不尽さ」は、大きくは不安の1要素であるものの、心理的安全性を考察する上で非常に重要な要素であるので、分けて考えます。

「理不尽さ」は、「非合理的」「自分の意見が通らない存在」によって起こるもののようです。具体例も挙げられそうですが省略。
また、「双方向性がない」状態を「理不尽」と感じる状態と定義してもいいでしょう。

先にあげた通り、ぼくは「理不尽さ」が嫌いです。
理性で接してくれ。恐怖で支配するな。情報の非対称性で優位を取るな。

ゆめみは不安を取り除く制度を持つ

ゆめみは奇抜な制度で有名だと思っています。「給与自己決定制度」「有給取り放題制度」などの制度でゆめみを知っている人もいるのではないでしょうか。
(ゆめみは徹底的な透明性を掲げているので、これらの制度はオープン・ハンドブックにまとまっています。読み物として面白いので、ぜひ)

例えば「給与自己決定制度」は「自分の実力が正当に給与に反映されるのか?」と言った不安を、「有給取り放題制度」は「有給を残しておかないと」という不安がそれぞれ解決される制度です(という主張をしてますが、実際はもっと深い制度です、一例として)。
いくつかの不安や不安の種に対しては、これらの制度が有効に働くでしょう。背景として、不安な状態では成長に目を向けられないという考えがあるらしいです。

ちなみに、ぼくは「勉強し放題制度」を使い倒していて、今積読がめちゃくちゃあります(は?)。

社内Notionの様子(表示しているのはごく一部)

なお、「これらの制度は中身が伴っているのか?」という批判は当然あるので、後述します(これは入社エントリなので、各制度の感想も書きます)。

しかし、ゆめみにおける心理的安全性の本質はそこなのでしょうか?
もちろんこの制度は心理的安全性の面で非常に重要な役割を果たしますが、本質はまだ別にあると感じています。

制度は二の次、本質は「健全さ」を求めているのでは?

ゆめみにおける心理的安全性の本質に踏み入れます。

何度でも言いますが、ぼくは「理不尽さ」が嫌いです。
「心理的安全性」を上げるための施策として、「不安」を取り除くための「制度」があることを示しましたが、これでは「理不尽さ」は残ってしまいます。

理不尽さとは何でしょうか。
就職して起こる理不尽さとして、「自分の意見が通らない存在」から、非合理的な理由で屈する場面、もしくは「双方向性がない」場面としましょうか(例が極端だけど)。

すなわち「理不尽な環境」を抜け出すには「意見表明の自由さ」が必要そうです。
しかも、「意見表明を自由にした後に、不当・不利益な扱いを受けない」こと、「意見表明が到達する」ことが約束されている必要があります。

この「外に吐き出すべきものが吐き出せる環境」でこそ、理不尽さのない、健全な会社でいられると思います。
ゆめみは合理性の会社であり、当然このような意見表明に対しても普通賞賛されます。

現状のぼくの所属するチームでは、合理的な方向に動くようにしていて、これはチームメンバーと、特にリードの人には感謝ですね。
(もしかしてチームにガチャ要素あります?異動し放題なのでいいと思うんですけど)

ところで、徹底的な透明性というのは、実は理不尽さを生まないための1つの環境なのかもしれませんね。
ブラックな環境で徹底的な透明性を実現するとどう考えても評判落ちますからね。
なんで他の組織って透明性確保しないんでしょうね。コア技術を隠すのはいいとして、他に疚しい理由などあるのでしょうか。

意見表明の自由さと、ガイドラインの徹底

では、なぜ意見表明が自由でいられるのでしょうか?
これは単に「風土」で片付けられるものではありません。

理由としては、ガイドライン化」が徹底されていることが挙げられると思います。
すなわち、ある意見に対する反応の仕方レビュー方法を記載することで、意見表明者を槍玉に上げるような事態が防がれています。

ハンドブック内でガイドラインはいくつかあり、各所に散らばっていますが、特に重要なのは次の3点のようです。

特に心理的安全性と密接に関わるのは「OJTチャンネルガイドライン」で、「⑶ 不明点・疑問点・できない事」「⑷(感情と個人に関する情報の)自己開示」を自身のOJTチャンネルに書くことが推奨されてるのは、僕にとっては都合がいいですね。
自分の弱さを出してもよく、それによって責め立てられることもないチャンネル、という位置付けになっています。

といったものの、ぼくは「感情を自分のOJTチャンネルに書き出しやすくする」という体で、OJTチャンネルでTwitterをしています。timesでTwitterするノリ。
その結果、ここ1ヶ月のOJTチャンネルでの発言数は全体で4位になりました。草
その結果として、フルリモートながら関わりのある人が増えてると思うし、いいんじゃね?それで。

Slackがうるさいランキング(4位がぼく)

ルールを設けても従うとは限らない!という主張もありそうです。
ゆめみでガイドライン化に成功している理由は、イエローカード制度ゆめみはそもそも自律自学自責ができる人を採用していることにあるように思っています。
前者はともかく、後者がいやらしいですね。これもまた現実か。

ゆめみで上手くいっている理由に直接関わるわけではないと思いますが、この記事では「結果責任は問わないが、遂行責任を負う」という言及があり、これもまた表明の自由さの観点で面白いです。

究極目標は、ゆめみにいる意味をなくすこと

これは見出し釣りです。

さて、ここまでで話した通り、ゆめみは「制度」や「ガイドライン」をうまく制定することで「心理的安全性」の高い環境を実現しています。
ぼく自身、入社から3ヶ月しか経ってませんが、非常にいい環境が出来ていると思っています。

ゆめみの環境は健全なのですが、しかし健全な状況に居続けることで、外部の環境に適合できなくなる恐れがあります。
そのため、「外部組織にもこの環境を作り上げ、その点でゆめみにいる意味をなくすこと」がゆめみでの究極の目標となるでしょう。

これは意識が高いわけでもなく、ぼくが働ける環境を増やすための活動です。ぼくのエゴです。

幸いにも、ゆめみは徹底的な透明性を掲げており、外部にも知見を共有していき業界貢献を行なっています。そのため、外部の環境改善が実行しやすい環境となっています。
(もしかしたら、内製化支援の項目の1つとして「心理的安全性の確保」もできるかもしれませんね)
この入社エントリも、徹底的な透明性のガイドラインによれば「1つの真実の公開」という位置付けとなると思います。

もちろん、この「外に吐き出すべきものが吐き出せる環境」が唯一の世界ではないですね。例えば「統制するところは統制する」ことで秩序を保つ組織もあるでしょう。
そのため、「外に吐き出すべきものが吐き出せる環境」を目標とするいくつかの組織に対して、ゆめみという実験場で適切な環境を作り出し、うまく行った環境を発信していくことがやるべきことになると思います。

ところで、この目標に対しては、外の環境を知ることが必要だと思います。
ゆめみって副業し放題なんですよね。一つの策になりそうなので、今から1年後を目安に使っていこうと思います。
(それと同時に、副業できる程度の実力をつけないといけないですね)
(ちなみにAtCoder黄が取り柄なフロントエンドエンジニア雇いたい人います?ぼくはエンタメ方面の興味がありますよ)

ひとまずぼくが副業や転職を考えたときは、この記事を読ませて、ぼくを受け入れられるかを考えさせようと思います(?)。

残念ながら保証されない「不安」もある

と、ぼくは思っています。

「不安」は広い概念なので、掘り出せば「制度が対応しない不安」というのはあるでしょう。
いくつか挙げてみます。まだまだありそう。

  • 会社はこのまま続くのか?

  • 定年まで、例えばITエンジニアという職業はあるのか?

  • 自分の技術力は他で通用するのか?

    • 実は給与自己決定制度の一側面だったり、外部のカジュアル面談等を受けることが推奨されている

おまけパート

実態について

「給与自己決定制度」「有給取り放題制度」などは非常に聞こえがいい名前をしていますが、「制度名でバズを狙っているだけで、中身を伴わないのでは?」という批判は当然降ってきます。
なので、ぼく自身が感じた実態について書いておきます。

また、実はこの記事はゆめみの紹介記事ではなく入社エントリなので、ぼくの感想をいくつか交えてみます。
入社エントリで会社批判が推奨されてるわけだしね。

  • 給与自己決定制度

    • 「自分は客観的に見てどの程度の給与が妥当か?自分は市場価値としてどの程度か?を常に考え続ける制度」といった感想です。こわ。

      • なお、これはエンジニアとして生きていく上ではどうせやらないといけないので、うまく仕組みに落としているとも言えます。

    • 少し前までは、自分で給与を上げず代表が給与プロリクを出すことが多かった印象ですが、最近は代表は後押しをするだけに留めている印象。「給与自己決定制度」の名前に近づけたいのかも。

    • 給与自己決定制度といえど、例えばゆめみで600万とかの人が「自分は給与のいい会社にいれば1000万円だ」という主張があったらどうするんでしょうね。こういった行為は行われていなさそう。自己決定的にはいいと思うんだけど顰蹙を買いそう。

  • 140時間労働

    • これは、22卒(ぼくを含む)に対して週休3日制を導入することで、全社的に週休3日制を広く導入する準備をしよう!という制度です。夢みたいですね。

    • 正直これは、「バズワードを使ってバズらせたいだけだろ」と思ってます。労働が免除されてるとはいえ、そもそも研修がその日に必ず入っていたり、案件稼働が外せないなど混乱しました。

      • これはガイドラインの制定が不十分だったかな?という気持ちがあります。そして、22卒側として改善すべきところは改善していくとよいかも。

  • 1000人体制について

    • 最近ゆめみでは採用を非常に頑張っています。急速に人が増えようとしています。

    • フロントエンドギルドとしては、ヒィヒィ言ってる印象。大丈夫かなこれ。

  • 研修体制について

    • 学びたいことを学ぶべきという方針で、統一的な技術研修はしていないっぽい。

      • 例えば、フロントエンドならフロントエンドの課題をやるみたいな

      • 特にレビュー体制とか品質面については確保されてそうな印象

    • 例えばぼくはフロントエンドエンジニアとして採用されていますが、サーバーサイドエンジニアとしての活躍もしたいので、その面での研修は欲しいかもと思いました。

      • おそらくリソースさえあればいけそうですが、リソースは足りてなさそう。

      • 1回言ってみてもええか。まだ行動に移してないだけかも。

  • ゆめみは真の裁量労働となるか?

    • 1時間働いて1ヶ月分の成果が出ればそれでOK、という方針というものの、準委任契約で時間の縛りが出たり、スクラム開発などプロジェクトの動きによっても縛られ方はあるもよう。

      • そもそも、スクラム開発だと1時間働いて1ヶ月分の成果が出ることはないかもね。

この辺の情報は都度アップデートするとよさそうです。

どうせ批判的内容が来るので先回りで主張をします

いくら口々に「ホワイトだ」「うちは心理的安全性あるぞ!」と言われても、それを会社として保証はしない、保証しない以上は必ずガチャが発生すると考えています。
それが高確率だろうと、ガチャを当てた側の主張に過ぎません。
会社として「仕組みに落としている」と断言できる人だけ石を投げてください。

しかし、これは仕方のないことな気もします。石を投げられなくてもいい。
「外部組織にもこの環境を作り上げ」などと言っていますが、現状ゆめみの組織構造にしかできない制度設計もありそうです。
この組織構造を、例えば階層型の構造を取っている組織が取れるか?というと、取れません。多分。
ゆめみで上手くいっている内容を、どうすれば外部の組織に取り入れられるか?という研究も、ゆめみで行うべきことのようです。

おわりに

こんなこと書いたけど、新卒入社3ヶ月目でキラキラした状態で書いてるから信用しなくてもいいよ。

来年になったタイミングで見返して、実際ゆめみという環境はどうだったかを振り返りたいですね。
あまり具体的なエピソードを交えられてない自覚があるので、振り返りでは意識してみたいです。入社エントリは具体的なエピソードで透明性を保つ側面があると思うので。

また、そのタイミングで「ゆめみは落ちぶれたな」と思ったら、それを正直に書くべきだなと感じています。徹底的な透明性を謳っているんでしょう?やって然るべき。

来年のリマインダーを設定する様子

ゆめみで働くことに興味を持った方へ、採用情報はここです。
ぜひカジュアル面談からでも。

#入社エントリ #入社エントリー

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