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半田・名古屋・犬山(愛知)+岐阜へ【旅記録】

旅の発端

 長良川の鵜飼いが10/15までと知り、突発的に予約したため。

一日目

①鯛茶福乃

 名古屋に着いて、まずは朝ご飯。グーグルマップで目をつけていた鯛茶漬けのお店に入店。「あさ鯛茶」を注文しました。朝からお腹いっぱい美味しものが食べられて大満足でした。

②ごんの秋まつり2024

 降りる予定の駅の一つ前で降車してしまい、ちょっと焦りました(目的地までの距離はそう変わらなかったので助かりました)。
 矢勝川の周辺には300万本の彼岸花が植えられており、ちょうどこの日は見頃といってもいいくらいの咲き具合で、多くの人が一目見に訪れていました。目的地である新美南吉記念館まで、青空の下の彼岸花を楽しみながらウォーキングすることができました。

③新美南吉記念館

 初日の目的地です。文豪とアルケミストとタイアップ中であり、パネルの展示などがされています。

 童話作家ゆえか館内には家族連れが多く、また教科書にも取り上げられている「ごんぎつね」の作者ということもあり、展示物に興味を惹かれている子どもが多かったように感じました。
 新美南吉については作品以外のことを知らなかったのですが、今回展示を見て最も印象に残ったのはその人柄です。ひたむきに純真で、夢を追う青年というイメージが強く残りました。周囲の人も手を差し伸べることを厭わないような、さぞ魅力的な人物だったのではないかと思います。決して順風満帆とはいえない、苦労も多い生涯のようでしたが、彼の美しい精神性は作品の中にきちんと残されて、後世の子どもたちにも伝わっているものと信じます。
 私の好きな川端康成については南吉も出席した白秋会が催された日比谷の山水楼を愛した文豪として名前がありました。横光利一は関わりがないのか展示では名前がありませんでしたが、図書室にて日本近代文学館によって復刻された川端と横光の初版本がかなり綺麗な状態で保管されていました。
 おみやげにレモン蜂蜜飴を購入したとき、商品を入れてくれた袋のごんぎつねの印刷が可愛らしくて今でもとってあります。
 帰りはごんぎつねの舞台といわれる権現山を見つつ、矢勝川を下り、新美南吉ゆかりの場所を散策しながら、駅まで向かいました。

④ 和栗モンブラン専門店 栗りん

 半田口駅から名古屋市内に戻り、その足で大須商店街へ。
 まずお目当てはモンブランです。「栗三秋」という産地の異なる和栗を使用した三つのモンブランを注文しました。こういう食べ比べはとても好きです。私は一番左の熊本の栗が一番好みでした。
 絞るところが間近で見られたり、皿の上に蓋を被せて開けると栗の香りが漂う煙の演出があったり、見ていても楽しいお店でした。

⑤新雀本店

 モンブランでかなりお腹がいっぱいでしたが、団子くらいは入るだろうと有名なみたらし団子のお店へ。甘いものを食べたあとだったので、あましょっぱいみたらしは大変美味しかったです。

⑥万松寺

 大須商店街がぶらぶら歩いていると、急にお寺が出てきたので驚きました。参拝して御朱印をいただきましたが、御朱印でレシートまでいただいたのはここが初めてでした。

⑦LEMOTTO

 最近レモネードにハマっているので購入。ストローの色が選べます。SNS映え狙いですね。渋みもなく、すっきりとしたレモンの酸味が歩き疲れた体にしみわたりました。

⑦チサンイン名古屋

 ここには2泊ほど宿泊したのですが、写真を見てのとおり、螺旋階段のある珍しい形をした建物となっています。この階段を中心として部屋も円状に配置されており、まるでミステリー小説の中に入り込んでしまったようでした。

二日目

①カフェニュージャポネ

 朝食を求めてさまよい歩いた先で見つけたお店。バターの香りが食欲をそそるトーストは絶品でした。名古屋のモーニング文化を味わえて満足です。

②博物館明治村

 名古屋市内から犬山市まで移動してバスで明治村へ。文豪ストレイドッグスとコラボ中ということで、若い女の子が多かったです。

 お目当ては文豪関係の建物。森鴎外と夏目漱石の住んだ家、幸田露伴の家、島崎藤村ゆかりの病院、石川啄木の下宿先などなど。

夏目漱石
森鷗外
幸田露伴の書斎
島崎藤村
石川啄木

 もちろんこれだけではなく、明治村に展示、公開されている建物はすべて見て回りました。

東松家住宅

 ちょうどタイミングよく「東松家住宅」でガイドさんの解説が聞けたのですが、これがとても面白かったです。ガイドさんが女中さんになりきって中を案内してくれるのです。お家自体も、随所にこだわりが感じられて素敵でした。
 お昼は園内できしめんをいただきました。
 なんと「宇治山田郵便局舎」にて川端康成の展示を発見。テンション上がりました。

 途中、休憩のために小泉八雲の焼津の家(駄菓子屋)で買ったラムネを飲みました。ラムネ瓶、初めて買ったので開け方が分からなくてちょっと焦りました。

小泉八雲

 ミニ模型の展示に三鷹の山本有三邸がありました。隅々まで見逃せません。

 最後は「帝国ホテル中央玄関」内の喫茶室で紅茶とクッキーをいただいて帰りました。おみやげにはラフカディオ珈琲を買いました。

③MACCARONI

 夜ご飯は名古屋コーチン卵の濃厚カルボナーラ。ぺろりと完食。

④ぴよりん

 ホテルに戻る途中、ぴよりんの行列を見つけ、せっかくなので夜食として買って帰ることにしました。買えたのは良かったのですが、なんとフォークもスプーンもなく、かぶりついて食べることになりました。ノーマルとチョコの二つ買いましたが、私はノーマルがいいですね。

三日目

①天然酵母の食パン専門店 つばめ

 行列必須の人気店。平日の朝の開店前に行ったにもかかわらず、30分以上待ちました。「おいし〜いバタートースト」を注文。厚みのあるトーストはふっくらしており、蜂蜜がかけ放題で美味しかったです。

②三光稲荷神社

 またもや名古屋市内から犬山市へ。今度は国宝の天守・犬山城を目指します。道中、神社を通ったので参拝。銭洗池があったので、小銭を洗って倍になるようにお祈りしてきました(お札を洗う勇気はなかった)。

③犬山城

 今までの国宝天守閣の中で一番眺めが好きかもしれません。天守の背後を流れる木曽川がは壮大で美しいものでした。これで訪れた国宝天守閣が四つになりました。
 天守閣を下りてからは天守閣前のおみやげもの屋さんで犬山の桃チューハイを飲みました。昼に飲むお酒は格別です。

 犬山城から犬山駅までには観光客向けのお店が立ち並ぶ下町通りがあります。帰りにはそこで醤油玄米団子、レモネードを食べ歩きしました。

 その後、犬山駅に戻ろうとしたのですが、グーグルマップで調べたところ、木曽川を越える橋が歩ける距離にあり、そこを渡れば岐阜県に入れるようなので、思い切って歩いて岐阜県入りしました。

 近くの駅から電車で岐阜駅まで。黄金の信長像がお出迎えしてくれました。

④rustico4

パンの写真を撮り損ねました

 長良川近くのバス亭で降りて、鵜飼観覧の受付を済ませたあと、古い町並みの残る通りにあるパン屋で遅い昼食をとりました。

⑤ぎふ長良川温泉 ホテルパーク

 ずっと宿泊してみたかった川場康成ゆかりのお宿です。初恋相手を追ってやってきたのが岐阜の地であり、その宿泊先が当時は「港館」という名だったホテルパークらしいです。
 近くの公園にはそのことを記念する像と記念碑が建てられています(結局、二人は結ばれなかったのだと知っていると何やら複雑な気分になります)。

 ホテル館内のロビーには川場康成に関する展示があるとホームページにあったのですが、ホテルが創業130年ということで現在は川場康成の展示は縮小されています。

ロビーの隅にあります

 ちょっとがっかりしましたが、まあ泊まることが目的ですから気を取り直してお部屋へ。
 一人旅行でビジネスホテル以外に宿泊したのは初めてのことなのでテンションが上がって、やたらと部屋の写真を撮ってしまいました。

 長良川と金華山(頂上の岐阜城まで)を部屋から見ることができて、最高でした。

⑥長良川うかいミュージアム

 鵜飼観覧まで時間があったので、川向かいのうかいミュージアムで鵜飼について事前に勉強しておくことにしました。
 とても綺麗なミュージアムで、ムービーや実物の展示、クイズなど展示物に工夫が凝らされており、大変見応えがありました。外には実際に鵜が飼われており、元気に水の中を泳いでいました。意外と大きかったです。

 特別展示「岐阜長良川鵜飼の継承と未来」は鵜飼とそれを支える道具や人をどのように守り伝えていくか、決してこの伝統を途絶えさせたくないという思いが伝わってくる展示であり、自分にできることはないかと考えさせられました。
 感動のあまり、ショップではおみやげを多めに買いました。少しでも鵜飼の伝統の継続に貢献できていたらいいなと思います。

⑦鵜飼

 17:45からはじまる鵜匠さんの説明を聞いたあと、乗船まで時間があったので一度ホテルに戻り、一休みしました。
 乗船時間になり、いざ出発。黒い川面をかき分けて船が進みます。じっと待っていると、川上から篝火をかかげた鵜舟がやってきました。六人の鵜匠さんのうち、私の船は五人目についていきました(これを「狩り下り」と言います)。

 数メートルの距離があるはずなのに、篝火の熱が伝わってきて臨場感が凄まじかったです。自在に動く鵜とそれを操る鵜匠さんの縄さばき。鵜舟を操る人。鵜が潜り、鮎を捉えて舟の上に吐き出してまた川に戻される。言葉もなく見惚れました。 最後に「総がらみ」。

 横一列になった六艘の鵜舟が一斉に鮎を浅瀬に追い込んでいく姿。流れゆく篝火の明るさが幻想的でした。私が見たかったものは想像よりも、とても素晴らしいものだった。衝動的に決めた旅行だったけれど、いまこの時に見ることができて幸福だったと思いました。
 川端康成もこの鵜飼を見たのでしょう。部屋に戻ってから、小説「篝火」を読み返しました。私がそっくり見たままが描写されており、胸が熱くなりました(しかしながら、私は観覧船から間近で見たから分かったものの、宿の二階から見た程度でここまで詳細な描写ができるだろうかという疑問が湧きました。もしかすると、後から調べて詳細を書き記したのかもしれない。それは決してがっかりするようなものではなく、むしろそういった発見ができたことがとても嬉しいものです)。

四日目

①ホテルの朝食

 鮎雑炊と朴葉味噌が絶品でした。鮎雑炊は四回、朴葉味噌は一回お代わりしました。またこの宿に泊まろうと決心しました。

②岐阜城

 ホテルの部屋やお風呂からライトアップされた岐阜城を見たとき、「明日は絶対あそこに行こう」と決めていました。
 金華山ロープウェイで山を登り、岐阜城まで山道を進みます。

 昨日の犬山城の眺望も素晴らしいもので、あれを越えるものは個の先なかなかないだろうと思っていたのですが、岐阜城の眺めは想像を越えて最高でした。山の上にあるお城はさすがです犬山城、鵜飼を見た長良川、宿泊したホテル、名古屋のビル群まで見えました。この眺望で岐阜は良い街だと、心から思いました。

 この後、岐阜城近くにある小さな資料館を見たあとは宿泊したホテルに戻り、予約していた岩盤浴を楽しみました。ホテルのショップでおみやげも買いこみ、ホテルと長良川に別れを告げて岐阜駅に向かいます。

④円相くらうど

 朴葉味噌の魅了された私はランチにも朴葉味噌を食べたくなり、こちらのお店にたどりつきました。飛騨牛の朴葉味噌焼きがこれまた大変美味しく、雑穀ご飯をお代わりしたうえに日本酒まで頼みました。絶対にまた岐阜に来よう。そう強く思いました。

帰宅

 岐阜が思っていたよりも、すごい良いところですっかり好きになってしまいました。観光地に人が集まって飽和する中、岐阜で過ごす時間は穏やかで癒されました。


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