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子どもとの思い出の散歩道

まだ長男が幼稚園の頃、午後になると、子どもたちを寝かせるために散歩に出掛けていた。長男、次男は手を繋いで、三男はベビーカーに乗せて。
散歩道には、牧場があったり、田畑が並んでいる自然いっぱいの道だった。
牧場は、電気の柵が付いていたから、そばまでは行けなかったけど牛の様子は良く見えて、子どもたちは目を輝かせて牛を見ていた。
それから、豆腐屋があったのだ。一日中、大豆を煮る匂いがして、
「豆腐、作ってるんだよね」と子どもは、言ってた。
「良い匂いだよね」と言うと、
「夕飯は豆腐にするの?肉も食べたい」と長男は言った。
「あ、今日はカレーだよ。みんな好きだから、いっぱい作ろうね」と言いながら散歩していた。
春夏秋冬、それぞれに見えるものが違って、「田んぼは、青々としてるね」と言った時、
「あれは緑だよ」と言われたり。
「緑だけど、青々って言うんだよ」
と言ってみたり、
「今日は牛の匂いがすごくするね」
と言ってみたり、
「うん、なんでだろうね」と話しながら、歩いた散歩道は、私と子どもたちの良き時間だった。

家に帰ると、
手を洗って、「それじゃお昼寝しようね」と言って、私も一緒に横になり
子どもたちが眠るのを待っていた。

空の色はあの頃と変わらない。
変わったのは私たち。
みんな自立して家には居ない。
あの頃のことを覚えているだろうか?
記憶の片隅に残っていてくれたら嬉しいな、と思った。

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てみ
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