【随筆】高校2年は同人誌 ¿
高校2年になってクラス替えがあった。担任も変わり、国語の先生で
とても上品な笑い方をする先生。
長い髪を三つ編みにして束ね、
ぐるりと後頭部を一周させているという高度な技を持つ先生だった。
クラスの雰囲気は、同じ地区の人を集めたのかなぁ?と思うほど、中学の同級生がいて、4月、学期が始まった当初から、楽しく過ごせた。
高校1年の時の嫌な思い出は、
疾うに消えていて、
毎日が楽しく、
変われば変わるものだ、と思った。
いじけ虫だった私はもういない。横溝正史の本も、ほとんど読み尽くし
別の本を探していたくらい。
ところが、転機が訪れた。
その頃、流行っていたモノといえば
再放送で萌えた『戦艦が宇宙に行きあるモノを貰って地球を救うアニメ』
それから、『フランス革命時、男装の美女が愛する男と共に戦う話。男装の美女の主は断頭台の露に消えてしまう、哀しい話でもある』
この二つの話が好きだった私は
下敷きや、シール、雑誌の切り抜きなどファイルに入れて持ち歩いていた。
※たぶん、一般常識を持つような女子高生には程遠いオタクだったのね、私。
そこへ、何と!
同じ趣味の人が何人かいて、休み時間になると集まり、昼の時間、放課後も集まり、
『同人誌を作ろう』
となってしまった😳😳😳😳😳
グループ内に上手に絵を描く人がいて、絵は、その人。
私は記事担当、
夏休み前に仕上げる予定を組み、 細かく担当を決めて、
今思い出しても、
可笑しくて笑ってしまうくらい、
5人で本気で取り組んでいた。
『青春だ‼️』
まぁ、中間テスト、期末テストは、やって来る訳で、その間はグループというかサークル活動は、自粛してたけどね。
そして、夏休み前に出来たんですよ
同人誌!
コピー機が、サークルメンバーの中でお父さんの会社にあるということで、サークルメンバー分、表紙から中身まで作ったのだ。
その時の気分は、
誇らしい!
やり切った!
達成感!
やり通せた!
満足感!
そう。
一つ出来たことにより、
次に繋がるモノは
メンバーの中には無くなっていた。
自然消滅したサークルには、未練は無く、
他の女子たちの一部は放課後、
髪をカーラーで巻き化粧まで始め、下校するという中、
私は図書館に向かう。
2年になると図書委員の仕事が増えていた。受付を始めとして、古くなった本の修復なんかもしていた。
そこで、初めて図書館司書という職業があることを知った。
調べてみるとかなりの難関。魅力的な仕事だけど、私には程遠い世界だと思った。
学校にも司書さんはいたが、無口で話したことはあるだろうけど、髪の長い女性という外見以外、記憶に無い。
それよりも、担当の先生と親しくなり、本について色々話したことを覚えている。
そういえば、
山口百恵の自叙伝『蒼い時』が、
よく貸出しされていて人気だった。
ファッション雑誌も人気だった。
ベストセラー小説や、英文の本、多種多様に本があり楽しめた。
図書館が居場所になりつつある2年生を私は過ごしていた。
クラブ活動は、ほとんど機能していない手芸部に仲良くなった友人とおしゃべりするために入っていた。