ひとりぼっち/青ブラ文学部
子供の頃は、友だちがいた。
いつも楽しく遊んでいた。
大人になると、ひとりだった。
ただ群れるのが苦手でひとりだった。
だから、ひとりは普通の私だ。
ひとりで映画も観に行くし、
買い物だってひとりだった。
食事も、ひとりで行ける。
食事にひとりで行けないという女性が
いると聞いた時、「そんな世界」があるのかと思った。
私はすっかりひとりに慣れてしまって
友だちというものが分からなくなってしまった時がある。
「○○に行こうよ」
と言ってくれる人がいた。
彼女には友だちがたくさん居て
私のこともそう思ってくれたのか、
誘われるということが初めてで
電車に乗って、彼女の待つ駅に
着いた時は、新鮮な気持ちだった。
お昼には美味しいと言われているという蕎麦屋に連れて行ってくれた。確かに美味しかった。
街は、お祭りだった。私を其処に連れて来たかったと言ってくれた。
その時、私は自分が自分を拗らせていることに気付いた。
私は虚勢を張っていたのだ。
周りを見ようとしていなかった。
彼女のおかげで、
私は私を解放することが出来た。
それからも、ひとりの私は居たが
気持ちは違っていた。
友だちといる私、
ひとりでいる私、
どっちも私だ。
肩の力が抜けた。
自然に笑顔になれる。
私はひとりだけど
ひとりじゃ無くなった。