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黒幕甲子園/毎週ショートショートnote


「もう決勝戦まで来てしまった。いったい黒幕は、誰なんだ」

キャッチャーの伴宙太ばんちゅうたは焦っていた。甲子園での高校野球が終わるまでに黒幕を見つけなければ、殺される。

疑わしい人物はだいだい、分かった。まずサインを送る両監督、そして、審判の5人、そして最も怪しいのは、目の前でボールを投げるピッチャーだ。奴も俺の出すサインに首を横に振る時が多い。頷く時が黒幕に送るサインなのかもしれない。
そうだ、監督からの指示だと言って
みんなを集合させる羽村も怪しい。俺は、仲間を信じたい。まさか、この仲間の中に黒幕がいるなんて信じたくない。
ここまでやって来た仲間なんだ、
俺は猛烈に感動しているんだ。
伴はタイムをしてマスクを取り涙を拭った。

「はっ!もしかして!?」

後方の上、旗が掲げられているポールに目をやった。

「いた!やっぱりいた!!」

星飛雄馬のねえちゃんがポールに隠れるように試合を観ていた。

なんてことだ。ねえちゃんが黒幕なのか、しかし、なぜだ、
なぜ、ねえちゃんが

『はっ、巨人の星』が復活するのか。
俺は、俺は何も知らずに...』

伴宙太は涙が止まらなくなった。
その時、

「キャッチャー交代のお知らせです」

と館内放送が流れた。

「この、バカタレ!お前はまーた、黒幕ごっこをしやがって、まったくお前って奴は」

監督にこっぴどく叱られた伴宙太なのであった。

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てみ
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