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本という名の大樹

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愛すべき物語の枝先に実る果実(作家、物語の背景など)について素直に綴ります。
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【本という名の大樹】大好きな絵本#02

 先だって「仙台にも秋の訪れが〜」などと書き綴ったものの、翌日からは連日の30℃超え。せめてもの救いは「朝夕の涼しさ」とでも言えれば良いのですが、実際には秋風ひとつ吹くことはなく、相も変わらず高温多湿の熱帯夜。どうやら、睡眠の質が改善することは今暫くなさそうです。 § 大好きな絵本#02 それでは早速「大好きな絵本」の二回目となる備忘記事を綴らせて頂きましょう。今回は「山を舞台にした絵本」という括りで三冊の絵本をセレクトしてみました。いずれも心温まる素敵な絵本ですので、お時

【記憶より記録】図書館頼み 24' 8月

 酷暑に心底泣かされた今夏。  自身の有様を一言で綴るならば「体調が崩れた夏」といった感じです。とにもかくにも、苛烈な酷暑に加えて、目・首・肩に優しくない仕事があいまって、予期せぬ症状に悩まされる日々が続いています。もはや、これまで行ってきた対処・対策では不足してきた感がありますね。  早くも来年の酷暑を想像して萎えてしまっている伝吉小父でした。  その様なわけで、相も変わらず乏しい「図書館頼み」ではありますが、読書時間の質は低下していないのが唯一の救いと捉え、8月の「図書

【本という名の大樹】大好きな絵本#01

 いよいよお盆休みが迫ってきました。  そんな時節に頭をよぎるのは、本棚を占拠している蔵書や押入の中を埋め尽くす様々な荷物の整理です。それは云わば「宿題」であり、自ら解決しなければなりません。とかなんとか言いながらも、整理(分別・処分)する気持ちになれないのが、実は思い出深い絵本の数々だったりします。  さりとて、いずれは家族の判断によって処分されるのは必至。そう考えると、絵本に育ててもらった一人の人間として、何某かの思いを遺しておくべきだと考えた次第です。  と言うわけで

【記憶より記録】図書館頼み 24' 7月

 我がアトリエの坪庭の地面から生まれ出た蝉君たちが一斉に鳴き始めました。いよいよ、本格的な夏が始まるようです・・・と思えば、隣県の山形・秋田では、未曽有の大水害が・・・。今はただ、被災した方々に一日も早い心の平安が訪れることを願うばかりです。  とまれ、こうした自然災害に際しては、国が喧伝してきたお題目「国土強靭化」が空虚に響くと同時に、その言葉を具現化していくことの困難さを痛感させられるばかりです。(ない頭が知恵熱を起こしています。)  さて、夏の近況をば少々綴らせて頂き

一筆啓上「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」の感想【本という名の大樹】

 先頃、出版デビューを果たした笹目いく子氏の作品「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖」を拝読させて頂きました。僭越ではありますが、折角の御縁ゆえ、感想を認めておこうと考えた次第です。 ※本稿は「あらすじ」をなぞる類のレビューではありませんが、登場人物や肝となる事柄に言及しているため、本作品を真っ新な状態で堪能されたい方は読まない方が無難かと存じ上げます。なお、本稿の画像は拙蔵書からスキャンして掲載しております。あしからずご理解下さい。 「独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖

【本という名の大樹】三冊揃い踏み

 此度は、note というフィールドで交流を賜っている筆達者さんたちの作品が手元に届いたというご報告をさせていただきましょう。  こうして三冊揃ったのが一昨日のことでしたから、熟読は未だ先の話になりますが、今から「ドキがムネムネ」しております。  何はともあれ、日々の変わらぬ営みの中で、かような刺激を賜れるのもまた物理的な距離をものともしないネットならではの効能かもしれません。  それでは、僭越ながら簡単なご紹介をば … 。 1:独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖笹目いく子

【記憶より記録】図書館頼み 24' 5月

 あっという間に5月が終わろうとしています。って言うことは、あと1ヶ月もすれば上半期が終わると・・・くわばら、くわばら。  そんな或る日、次男坊が通っていた高校の学年主任から連絡を頂戴しました。なんでも「高校時代の受験体験談を後輩に聞かせる」といったカリキュラムで、OBとして大いに語ってもらいたいとの事。(よくある奴)  仔細を聞けば光栄な依頼ゆえ、親父特権で「当人と直接やりとりして頂いて結構です。」と伝えました。後日、次男坊から「予定を調整できたので月末の金曜日に帰省するよ

【記憶より記録】図書館頼み 24' 4月

 想像以上に慌ただしく過ぎ去っていった4月。  一瞬にして葉桜になってしまった「今年の桜」と、未だに落ち着きを取り戻せてはいない自分を重ね合わせ、ただただ苦笑するばかりの私。  一方、大学の講義が本格的に始まった次男坊は、可もなく不可もなくといった風を醸しつつ、学生生活を謳歌し始めているようです。  何でも、食が細い次男坊を心配する嫁さんの元には、彼が自炊した料理の写真が定期的に送られてきている模様。その都度、嫁さんは「頑張って緑の物を加えるようにしているけど、圧倒的に茶色な

【記憶より記録】図書館頼み 24' 3月

 忙殺必至の年度末も終わりを迎えようとしております。  とは言え、全てが3月31日に片付くわけがありません。特に、今年は次男坊の進学に伴う引越しやら何やらで、4月に入ってからも慌ただしい日々が続きそうです。もっとも、その辺のゴタゴタは織り込み済み。けれども、一日は24時間であり、体は1つ。腰を痛めただけで万事休すになるわけですから、平素より慎重かつ確実に予定をこなすよう努めておりました。   といったわけで、忙殺の年度末は「緩めの本」を借りて、就寝前の30分限定で読書してお

【記憶より記録】図書館頼み 24' 2月

 二八の月は、商売が低調になりがちと言われていますが、忙しさの点では全く別もの・・・というのが個人事業主でもある私の実感です。年度末を前にしたこの時節は、始末をつけなければならない雑事が盛沢山。その中の1つとして納税に関わる会計作業があります。  毎年3月に忙殺されることが決定している私の場合は、正月休みの間に決算(青色)の準備を整え、業務提携先等が送付してくる支払調書等の到着を待ってから最終確認を行い、特別な事情がない限り、確定申告の受付が始まる2月16日に完了させるよう

【本という名の大樹】開高 健「私の港になった作家」

 開高 健 は、日本の文芸史にあって一時代を築いた作家に違いなく、多くの読書家と愚かな釣り人たちを魅了した作家であったと言えるでしょう。  此度は、そんな彼に対する賛辞と憤りと感謝と皮肉を綯交ぜにした一読者の思いの丈を綴ってみようと思います。  ご都合のよろしい方は、是非お付き合いください。 ※開高のキャリアや作品については Wikipedia 開高健 をどうぞ。 1:名文を見つけ 言葉を切り取る人  開高健(以下、開高) の作品を思い起こしてみる。  すると、作品の冒

【記憶より記録】図書館頼み 24' 1月

 さてと・・・厄介な季節を迎えようとしている今日この頃。  厄介?!  そう、花粉と確定申告ですね(汗笑)。  もっとも、花粉症の方は病院巡り(眼科・内科)を終わらせたので対策は完了と。残るは確定申告を迎撃するだけなのですが、今年はインボイスがあるので、慎重に段取りしております。(※心の声:あの使い難いイータックス・・・全く好きになれん。毎年やっていても、慣れる気がしない。)  とかく、義務ってのは厄介かつ面倒なものですが、いずれはやらなければならないわけなので、四の五の言わ

【総括2023’/本の巻】図書館頼み アワード23’

 バタバタと総括記事を更新しておりますが、年内最後の更新となる本稿は、この一年間に図書館から借りてきた本の振り返りとなります。  その名も「図書館頼み アワード23’」です。 1:2023年の図書館頼みリスト睦月:5冊 如月:7冊 弥生:3冊 卯月:3冊+2冊 皐月:4冊+5冊 水無月:4冊+3冊 文月:1冊 葉月:3冊 長月:3冊 神無月:3冊 霜月:3冊 師走:2冊 2:図書館頼みアワード2023’ 発表! とりあえず一年は十二カ月あるので、全

【記憶より記録】図書館頼み 2312#1

 いよいよ今年も終わりが近づいてきましたね。  とは言え「終わりは始まり」なのだから、悲観する必要はありません。何しろ、人生は諸行無常で万物流転。ここまで来たら、河童よろしく流れに身を任せ、年の瀬と言う岸辺に漂着できれば御の字と・・・。  とかなんとか言っておりますが、今日はクリスマス・イブでしたよね。  我が家は、極々質素に済ませてしまうので、クリスマス気分もへったくれもないのですが、件のおばちゃま手作りのシュトーレンで、ほんの少しだけ祝祭気分を味わいました。うん、それで